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マスクや手袋などの“コロナごみ” 世界各地の海や川で増加

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200723/k10012529071000.html

2020年7月23日 4時04分 NHK NEWSWEB

23日は「海の日」ですが、新型コロナウイルスの感染拡大で需要が増えたマスクや手袋などのいわゆる“コロナごみ”が、世界各地の海や川で見つかっていることが分かりました。
環境団体は、こうしたごみが生態系への影響が懸念されているマイクロプラスチックになるなど環境への脅威になるとして、警鐘を鳴らしています。

アジアを中心に活動している香港の自然保護団体によりますと、香港周辺の海岸では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ことし2月末ごろからマスクなどのいわゆる“コロナごみ”が目立つようになりました。

また、ヨーロッパでも、南フランスを中心に海のごみを回収しているNPOは、5月ごろからマスクや消毒用アルコールの空き容器などが目立ち始め、先月だけで100枚以上のマスクが回収されたとしています。

さらに、探査船を使って世界中の海洋汚染などを調査しているフランスのタラ・オセアン財団によりますと、先月調査したテムズ川やセーヌ川など10の川すべてで、マスクや手袋などが見つかったということです。

タラ・オセアン財団のロマン・トゥルブレ事務局長は、「不織布のマスクはプラスチックでできている。動物たちが誤って飲み込むだけでなく、生態系への影響が懸念されているマイクロプラスチックや、さらに細かいマイクロファイバーなどになり大きな脅威となるだろう」と警鐘を鳴らしています。

日本でも ”コロナごみ”

マスクなどのいわゆる“コロナごみ”は、日本の河川や海岸でも相次いで見つかっています。

2005年から神奈川県藤沢市の片瀬海岸で清掃活動を行っているNPO法人「海さくら」によりますと、新型コロナウイルスの影響で中断していた清掃を再開した先月中旬以降、多くのマスクや除菌ペーパーなどが見つかるようになりました。

以前は、1日の清掃でマスク1枚が見つかる程度でしたが、今は1日に15枚ほどに増え、雨が降った翌日などは、さらに多くのマスクが海岸に流れ着くということです。

「海さくら」の古澤純一郎理事長は「日本だけの問題でも、世界だけの問題でもない。みんなの問題として、どんなマスクを使うのか、どう捨てるのか、きちんと考えることが大切だ」と話し、マスクなどを利用する際は、環境への影響を十分考慮してほしいと呼びかけています。

植物由来のマスクなど開発進む

こうした中、世界各地で植物由来の素材を使ったマスクなどの開発が相次いでいます。

カナダのブリティッシュコロンビア大学では、木の繊維から、微生物によって水や二酸化炭素などに分解される「生分解性」のマスクを開発しています。

またイギリスの企業は、プラスチックを使わないフェイスシールドの開発に成功しました。顔を覆う部分は木材パルプを使いながらも透明度を確保したほか、値段も1つ1.5ポンド、日本円で200円余りと、プラスチック製品とほとんど変わらないということです。

創業者の1人イアン・ベイツさんは「木材パルプや紙など、すべて土に返る物で作った。需要の増加に備えて、週に200万個生産できるようにした」と話しています。

こうした取り組みは日本でも始まっていて、植物から取り出したでんぷんなどを使ってマスクを製造する企業も出てきています。

専門家「社会全体の仕組み作りが必要」

世界各地でいわゆる “コロナごみ” が見つかっている状況について、環境政策が専門の大阪商業大学の原田禎夫准教授は「海外に限った話ではなく、国内の河川や海岸でもマスクなどは、たくさん回収されている。不織布のマスクは土に返る布ではなく、プラスチック製のものだが、知らない人も多い」として、「まずは、マスクがどんな素材でできているのかを消費者にきちんと伝えることが大切だ」と話しています。

また、プラスチックに代わる素材を使った製品の開発については、「環境への負荷が少ない、新しい素材で作ることも大事だが、もともとあって使える物は積極的に活用するべきだ。感染防止対策として使い捨てプラスチック製品が必要な医療現場には優先的に回していくなど、環境への負荷と感染対策のバランスを考えながら利用していくのが賢明な選択ではないか」と述べました。

そのうえで、一人一人が環境問題への意識を持つことは大切だとしながらも、個人のモラルに頼るだけでは解決しないとして、「科学的根拠に基づき、何が感染対策に有効で、コスト面でも実現可能なのか。順序立てて考え、補助金を活用するなど、社会全体としての仕組み作りが重要だ」と指摘しました。

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日本でコロナ死者が少ない理由「ファクターX」の諸説を徹底検証

https://news.yahoo.co.jp/articles/d61260884c8e4284a40f455fb474a35e5e7e7801

2020/8/3(月) 6:01配信 ダイアモンドオンライン

 日本にコロナによる死亡者が少ない何らかの理由「ファクターX」。これを突き止め世界の救世主となるべく、にわか専門家たちも次々参戦し、諸説が入り乱れている。特集『コロナが映す医療の闇』(全14回)の#02では、「ファクターX」と推測されている諸説の信頼度を検証する。(ダイヤモンド編集部 野村聖子) 【各国死亡者数ランキング表、「ファクターX」の評価結果表などの解説図版はこちら】 ● 欧米よりもはるかに少ない死亡者数 「日本の奇跡」はなぜ起きたのか  欧米のようなロックダウン(都市封鎖)などによる強制的な措置を取らずに、あくまでも自粛レベルにとどまった日本の新型コロナウイルス対策。当初、欧米メディアからは「無策」「数週間後には大惨事になる」などと脅されていたが、ふたを開けてみれば、第2波が始まりつつある現時点でも、人口比で見た日本の感染者数や死亡者数は、欧米よりもはるかに少ない数字にとどまっている。  欧米メディアは、アジアに対して潜在的に抱いていた自分たちの優位性が揺らいだことが悔しかったのか、これを「日本の奇跡」「ミステリー」などと皮肉を込めて報じたが、海外の専門家も一様に首をひねる現象だったのは間違いない。  この謎について、ノーベル生理学・医学賞受賞者で京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥氏は、何か日本特有の理由があるのではないかと、自身が開設しているコロナの情報サイトで発信し、これを「ファクターX」と名付けた。 ● 人口当たり死亡者数で 上位は欧州諸国、日本127位  下図は、各国・地域における人口100万人当たりの死亡者数を高い順にランキングしたものだ。  上位はほぼ欧州諸国で占められ、その次にブラジルや米国などのアメリカ大陸諸国が並んでいる。  日本は127位で、100万人当たりの死亡者数は8人。1位のサンマリノは1238人で、日本の150倍にもなる。2位のベルギーでも日本と100倍以上の差があり、同じウイルスによる感染症とはとても思えない数字である。  一方で、東アジア諸国・地域の韓国や中国、台湾などは、日本よりも少ない。  東南アジア諸国では、107位のフィリピンと108位のインドネシアを除けば、全て日本より下位。死亡者がいまだ0という国も複数ある。オーストラリアやニュージーランドなどのオセアニア諸国も下位に位置している。  一般に、医療アクセスや社会インフラなどが整っていない発展途上国の方が感染症の脅威は大きい傾向があるが、ことコロナに関しては、欧米の先進国よりも途上国の方が死亡率が低いことも少なくない。そして、それは誤差や偶然ではとても片付けられないほどの差になっている。  ファクターXは、東・東南アジアやオセアニアにも存在するということなのか――。

● ファクターXの信頼度を3段階で評価 「BCG接種」説は?  コロナによってあらゆることが制限されるこの不自由な生活から解放されるためには、治療薬やワクチンの開発を待たねばならないが、それには最低数年はかかるというのが大方の予想だ。  一般人からすると、こんなに医学が進んだ現代で何をモタモタしているんだと思うかもしれないが、何しろ相手は、世の中に出現して数カ月しかたっていない“新型”のウイルスだ。  発症した場合の治療法はもちろん、空気感染なのか飛沫感染なのかといった感染経路、ウイルス自体の構造や生態に至るまで、分からないことだらけなのである。  まるで光明の見えないコロナとの戦いだが、もしファクターXを突き止めることができれば、世界を危機から救うことができるかもしれない。  ダイヤモンド編集部では、医学論文を一般向けに分かりやすく解説する記事を自身のブログに掲載している五本木クリニックの桑満おさむ院長の協力を得て、各種データや複数の医者への取材を基に、ちまたでファクターX候補とされている代表的な説について、検証した。  主な「ファクターX」の評価の結果が、下表だ。◎が「期待大」、◯が「脈あり」、△が「現状では微妙」という3段階で評価している。  最初に断っておくが、評価が高いものでも、あくまでも現状で推測できるのは「相関関係」のみ。つまりは「傾向が見られる」程度のことであり、実際にどのようなメカニズムでコロナ感染や重症化を予防するかという、「因果関係」についてのデータが出されているものは、今のところないということを強調しておく。  初期から有力候補として浮上していた「BCG接種説」は一応◯。実は桑満院長をはじめ、現場の医者たちの間では「微妙」という意見もあったが、BCG接種国であるポルトガルの死亡率が隣接するスペインよりもかなり低いこと、同じく接種国であり、欧米と同様に白人が多いロシアでも死亡率はそれほど高くないことなど、確かにその傾向は見られる節がある。また、オーストラリアなどで臨床試験が始まっていることもあり、“一応”◯とした。

● 「肥満の患者は 重症化しやすい傾向があった」  現場の医者からの評価が高かったのは肥満。「肥満の患者は重症化しやすい傾向があった」(コロナ重症者受け入れ病院に勤務する呼吸器外科のM医師)という。  さらに、人工呼吸器が必要なほど重症化した肺炎では、患者を伏臥位(うつぶせ)にすることが症状の改善に寄与することがあるが、肥満体だと伏臥位が難しい。「米国など肥満率が高い国では伏臥位療法ができなかった患者が少なくなかったと聞いている」(フリーランス麻酔科医のF医師)といった声もある。  桑満院長は個人的見解のファクターXとして、「島国」という説を挙げた。「地続きの国境を持つ国に比べると、日本のような島国や、地続きの国境線が短く半島部分が多い国は、人の往来が少ない」(桑満院長)からだ。  東・東南アジア、オセアニアには島国や半島国が多い。実は中南米のカリブ海諸国の中には、人口100万人当たりの死亡者数が日本よりも少ない国が複数ある。 ● 存在の真偽も定かではないウルトラCに コロナ対策を依存するのは危険  相関関係だけを見ていけば、限りなくファクターX候補が増えていきそうだが、桑満院長は「特定の要因に限定し、コロナの死亡率が低い理由を説明することは不可能」だと言及する。  東南アジアなどの発展途上国の人口動態を見ると高齢化率が低く、重症化しやすい高齢者人口がそもそも少ない。日本のケースでいうと、高齢者が多い介護施設でのクラスター(集団感染)の発生が欧米に比べて格段に少なかったことが、死亡率の低さに寄与している面もある。  「正直、日本にファクターXというものがあるならば、介護従事者の頑張りに尽きると思っている」(大学病院内科のN医師)という証言もあり、ファクターX候補とされているもの以外にも、さまざまな要因が複雑に絡み合った結果、「日本の奇跡」が起こったと考えるのがよさそうだ。  ファクターX自体の存在の真偽については、名付け親の山中氏も、自身のコロナ情報サイトにおいて、コロナ対策を考える上で「ファクターXのみに依存するのは危険」と述べている。  アポロ11号が月に行った当時、突然、月や宇宙に詳しいと主張する自称“専門家”が雨後のたけのこのようにテレビに登場した。「コロナ危機の現在は、当時の状況と非常によく似ている」と桑満院長は言う。  メディアでは、にわか専門家が「私の考えた最強のコロナ対策」を声高に叫ぶ日々が続いているが、桑満院長をはじめ結局のところ現場の医者たちは、「手洗い」「マスク」「3密回避」が最大のコロナ対策だと口をそろえる。  ファクターXというウルトラCに過度の期待は抱かず、当たり前の感染対策をしながら、治療薬やワクチンの開発を待つしかないというのが現実である。  Key Visual by Noriyo Shinoda, Graphic by Kaoru Kurata

ダイヤモンド編集部/野村聖子

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人々(新型コロナに関連して積極的に発言する方々)

豊田真由子(とよたまゆこ)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B1%8A%E7%94%B0%E7%9C%9F%E7%94%B1%E5%AD%90

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豊田 真由子(とよた まゆこ、1974年10月10日 – )は、日本コメンテーター。元政治家厚生労働官僚学位修士ハーバード大学2002年)。

厚生労働官僚として、金融庁総務企画局課長補佐在ジュネーブ国際機関日本政府代表部一等書記官厚生労働省老健局課長補佐などを務めた後、政界入り。政治家としては、衆議院議員(2期)、内閣府大臣政務官文部科学大臣政務官復興大臣政務官第3次安倍第1次改造内閣)などを歴任したが、2017年8月、秘書への暴言・暴行が報道されたことを受け自由民主党離党し、2017年10月の第48回衆議院議員総選挙に無所属で出馬したが落選。

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ドイツに帰ってやっと分かった「日本のコロナ感染者数が少ない理由」

https://news.yahoo.co.jp/articles/1c2fa64be0dd370c63736b7804a41e4a75c012e6

7/31(金) 6:01配信 現代ビジネス

不気味なほど静かなフライト

写真:現代ビジネス

 7月22日の夜10時半、羽田空港は人影もまばら、お化けが出そうなほどシーンとしていた。新型コロナウイルスの世界的な大流行により当初の予定が狂ってしまい、5ヵ月も日本に滞在していた私は、ようやくこの夜、フランクフルトに向かって発とうとしていた。 【写真】「日本人女性は海外ですごくモテる」の真相  都内では次第に街の活気も戻り、電車の乗客も増え始めていたので、この羽田空港の静けさにはショックを受けた。空港中に緊張感が張り詰めており、コロナの猛威が突然、身に迫ってきた。  チェックインカウンターでは、EUに入れる査証を所持しているかどうか、乗客のパスポートを厳重にチェックしている。入れない人を運んでしまうと、あとで面倒なことになるからだろう。  EUは日本に対して7月1日から門戸を開くはずだったが、それがすぐに取り消されたのは、日本がまだEUからの入国を、例外を除いては認めないからだ。こういう規制は、普通、相互でバランスをとりながらやる。  日本政府は現在、たとえ日本人の帰国であっても、入国の際にはものすごく厳しい規制をかけている。空港から公共交通も使えないし、タクシーすらNG 。誰かに空港まで車で迎えに来てもらえない限り、定められたハイヤーを使うしかない。都内ならまだしも、遠方の場合、その料金は巨額になる。聞くところによると、羽田から都内は1万5千円、成田から都内が3万円だが、羽田から仙台までは15万円だそうだ。  ただ、見方を変えれば、日本は島国であり、水際だけしっかり見張れば、何事もかなり完璧に取り締まれるという利点がある。そして、現在、日本政府はその利点を余りなく使ってコロナ対策をしているという印象を受けた。  私が乗ったのは全日空で、機体はボーイング787。しかし、こちらも乗客より客室乗務員の方が多いのではないかと思うほどガラガラだった。しかも、普段なら、ドイツ人のスタッフが搭乗しているのに、現在は日本人だけ。そして乗務員も乗客も、もちろん飛行中はずっとマスクをしたままだ。  最小限の食事は出たが、いつものように乗務員がお盆に飲み物を乗せて回ってきたり、免税品を売りに来たりということもない。夜間飛行なので、離陸後はさっさと消灯、終始一貫、話し声さえ聞こえない不気味なほど静かなフライトだった。  いずれにしても、この乗客数で採算が取れるはずはない。だからといって、コロナが下火になる気配も感じられず、航空業界はこの先、いったいどうなってしまうのかと暗澹たる気持ちになった。

ドイツのPCR検査数は週100万件

〔PHOTO〕gettyimages

 EUでは、EU圏内での移動の自由をほぼ戻したが、圏外からの入国は制限されている。だから現在、原則として、現地での滞在許可を持っている人しか入れない。  フランクフルト空港に着くと、早朝だったせいもあるが、やはりこれまで見たことのないほど空いていた。旅券審査は行列もなくスムーズで、荷物の受け取り場所では、あっという間にスーツケースが出てきた。  本来なら、現在、帰国者は管轄の役所に届けて、14日間、自宅に滞在するようにと言われているが、日本はコロナ危険国に指定されていないため、厳しく監視されることはない。ただ、空港ですぐにPCR検査をすることも可能で、それが陰性なら、あとは何の制約もなくなる。  私はこれをオンラインで申し込んであったので、すぐに空港内の検査場で済ませた。5時間ほどするとケータイに結果が送られてきて、一応「無罪放免」。一番簡単なテストが59ユーロ(7000円強)である。  日本では、ドイツは検査数が多いから良いという人がたくさんいる。私も以前はそう思っていたが、今は、私はこの説には与しない。  もちろん、検査で陽性だった人が、自分は発症してなくても自宅に待機し、感染を広げないという効果はあるだろうが、しかし、今日は陰性でも、明日感染するかもしれないのだ。つまり、一度、陰性だったからといって、その状態が保証されるわけではない。その上PCR検査では、陽性でも、結果が正しく陽性と出る確立はたったの7割だという。  それでも、ドイツは検査数の多さが自慢のようで、今やその数は一週間で100万件近くにのぼっている。  濃厚接触者はもちろんだが、たいていの人は、心配だから、無料だから、という理由で調べてもらう。その結果、陽性の人は、症状がなければ自宅待機。一方、陰性だった人は、自分はもう大丈夫と、以後の注意が散漫になっているような気もする。  いずれにしても、このPCRバブルで空前の利益を上げているのが、検査キットのメーカーと検査を請け負っている会社だろう。

夏のバカンスシーズンに向けて

〔PHOTO〕gettyimages

 現在のEUのコロナ感染状況はというと、ここ10日ぐらいで、また急増し始めている。  バルセロナなどを含むスペイン北部や、オーストリアの観光地などで感染者が増えており、イギリスはスペインからの入国者(帰国者)全員に14日間の自宅待機を命じるという事態に至っている。観光が大きな収入源となっているスペインの悩みは大きい。  ドイツも感染者は増加傾向で、第一波が収まった後は、長らく1日の新規感染者数が300~600人辺りで推移していたが、現在、800人などという日も出てきた。  あれだけ検査して、この数で収まっているのは立派といえば立派だが、一方では、検査をどれだけ多くしても、感染拡大防止にはあまり役に立たない証拠とも言える。  ドイツのこれまでのコロナ感染者数は21.8万人。コロナ関連の死者は9200人超。日本はドイツの1.5倍の人口があるが、感染者数は3.3万人、死者は1000人ほどだ。その上、日本は去年と比べて、死者全体の数もさほど増えていない。それに比べてEUでは、今年前半の死者数が、例年より16万件も増えた。  検査による感染者数は、検査自体の件数や、やり方でかなり変わってくるので比較しにくいが、全体の死者数が例年と比べてどうなっているかという数字は、各国のコロナの実態を一番的確に表しているのではないかと思う。  いずれにしても、現在、EUにおいて、収まっていたはずのコロナが再び猛威をふるい始めているのは、夏のバカンスシーズンに向けて、EU圏内での移動を自由にしたためだ。  つまり、感染者数の増加はある程度、想定済みだったとはいえ、歯止めが効かなくなったら困る。とはいえ、観光業の活性化は多くの国にとって死活問題なので、ブレーキはかけたくない。文字通り、抜き差しならない状況だ。  そこで、観光や移動を阻害せず、新たな感染拡大を防ぐ方法を模索したドイツ政府は、外国でのバカンスから帰ってきた人たち全員に、空港や港で無料のPCR検査を実施することを決めた。現在、その経費を誰が持つかで、国、州、地方自治体が意見をまとめている。  ただ、無料にすることに反対の意見もある。現実として、バカンス地では、特に若者たちがソーシャルディスタンスを守らず、超三密で夜な夜なパーティーで盛り上がっている映像が流れる。彼らの乱痴気騒ぎの後始末を、なぜ、税金でしなければならないのか。自分たちの責任でやれ、というわけで、もちろん一理ある。

日本の感染者数が少ない理由

〔PHOTO〕gettyimages

 さて、ドイツに戻ってきてそろそろ1週間経つが、最後にその感想。  ドイツ人は、非常事態宣言が敷かれていた4月ごろこそ、皆、極度に神経質になっていたようだが、現在はもう、あまり気にかけている様子が見えない。  店のレジのところにはアクリル板が設置され、店内や交通機関ではマスク着用が義務付けられているものの、日本人のように、マスクの外側にはウイルスがくっついているかもしれないから外すときは紐をつかんで捨てろとか、そのままテーブルの上に置くなとか、手で目や鼻や口を触るなとか、家へ帰ったらすぐに手を洗えとか、うがいをしろとか、そんなことをちゃんと実行しているようには全然見えない。  私は、東京にいた間は、東京は“ゆるゆるだ”と思い込んでいたが、ドイツはもっと“ゆるゆる”だった。というか、ウイルスに対する意識が異なる。警戒感も少ない。  日本にいる間、なぜ、日本がある程度、感染防止に成功しているのかが解せなかったが、ドイツに戻ってきてようやく分かった。日本人は手を洗うし、消毒もするし、うがいもするし、何よりもマスクの管理が徹底している。  現在、ドイツでは、感染予防に一番効果的なのは、ソーシャルディスタンスとマスクであると言われ始めている。  コロナに関する話は、何が本当で、何が希望的観測か、よくわからないところもあるが、しかし、一つだけ確かなのは、ドイツ人のマスク歴はたったの3ヵ月。日本は、少なくとも50年だ。  ドイツの普通の人たちは、マスクの効果などさほど信じている様子がないし、どちらかというと今でもバカにしている。お店に入るとき、持っていない人に、自分の付けていたマスクを貸してあげている人も見た。日本人なら卒倒しそうなシーンだ。  それに比べて、日本人はこの蒸し暑いのに、まあ仕方がないかと思って、戸外でもマスクを着用する。ひょっとしたら、本当にこの差が、感染者数の差になって表れただけなのかもしれないと、私は思い始めている。

川口 マーン 惠美(作家)

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布マスク配布の延期検討 介護施設向け8000万枚 厚労省

https://news.yahoo.co.jp/articles/ea63bab98399cc7773d8768091e7cc0855872d7a

7/29(水) 22:55配信 時事通信社

 新型コロナウイルス対策のため、政府が介護施設などに配る布マスク約8000万枚について、配布開始の延期が検討されていることが29日、厚生労働省への取材で分かった。  月末を予定していたが、品薄状況が改善し配布は不要との指摘も出ていた。時期は未定という。  同省は介護施設や障害者施設などを対象に、9月中の配布完了を目指していた。布マスクはこれまでに2回、計約6000万枚の配布がほぼ完了。さらに約8000万枚を配り、職員や利用者ら1人当たり7枚が行き渡り、事業が終わる予定だった。  同省によると、介護施設向けの配布事業の契約総額は約247億円。一方、6月に完了した全世帯向けは約260億円だった。家庭に届くのに時間を要した上、一部に汚れが見つかる問題が起き、批判が出ていた。 

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日本人の3割が「コロナ感染」という新説 消える抗体、ワクチン不可能は本当か

https://news.yahoo.co.jp/articles/13a3ced31611ccda24254862a519c7197ee77b64

7/30(木) 5:57配信 デイリー新潮

 7月25日の東京都内のコロナ感染者は295人と、5日連続の200人超を記録している。本誌(「週刊新潮」)は7月23日号で、大阪大学核物理研究センター長、中野貴志教授が考案した「K値」の計算にもとづき、今回の感染は7月9日前後にピークを迎えている、と書いた。

 ところが、新たな波が発生したというのだ。中野教授が説明する。 「K値は感染の拡大と収束のスピードを測るメーター。ボールを投げた瞬間の速度がわかれば、いつ頂点に達し、いつ落ちてくるかわかるのと同じ理屈です。新型コロナの感染でも、投げたボールと同様に減衰するとの仮定にもとづきK値で分析した結果、どの国や地域でも一定の速度で減衰していくのがわかりました。K値で感染初期の拡大率の変化速度を測れば、その後の新規感染者数、ピークや収束時期を予想できます」

8府県の新規感染者数の推移予測

 実際の感染状況だが、 「これまで日本には中国由来の第1波と、欧米由来の第2波が到来し、第2波の収束後、感染者数ベースで6月22日ごろ、第3波が始まりました。“震源地”は新宿の可能性が高い。先週(※7月第3週)、その感染者数のピークを7月9日ごろと予測しましたが、その前に新しい波が始まっていた。大阪モデルの黄信号到来を機にK値をモニターし、その推移から第4波の到来を確信しました。立ち上がりは7月6日ごろで、第3波との違いは感染拡大規模と地域。感染者数は掲載の表の8府県で4倍です。ただし、首都圏中心だった第3波に対し、第4波は全国に散らばっている。ピークは7月末にきます」  ただし、波は必ず減衰するので、「指数関数的に増えることはない」と、中野教授は強調するが、東京都には苦言を呈する。 「第4波の発生で、第3波の震源地である東京都が原因を究明しなければ、ほかの都市は防ぎきれないことが示されました。単なる感染者数などのマクロな数字だけでなく、だれがいつどこでどう感染した可能性が高いか、という時系列の情報や、リンク不明の追跡結果といった情報を出さなければ、どこでどう広がったかわかりません」

3カ月で抗体が消えた? 

新型コロナウイルスの全体像

 ところで、抗体への不安も浮上している。たとえばロンドン大学は、感染後に抗体ができても数カ月で減退しうる、との観察結果を発表した。感染を公表した音楽事務所代表の「ふあんくん」(39)も言うのだ。 「PCR検査で陽性と判明したのは4月5日。18日に退院後、5月22日、抗体検査を受けると、長期のIgG抗体は陽性でしたが、短期のIgM抗体は陰性でした。6月30日にも受けると、今度はどちらも陰性だったので、7月11日にも受けましたが、やはり陰性。たった3カ月で抗体が消え、再感染が不安です」  これほど短期間で抗体が消えるのでは、たとえワクチンが開発されても効果がないということだろうか。 「新型コロナが目、鼻、口の粘膜から入って多少増殖しても、そこで鎮圧されれば抗体は誘導されませんが、生体は免疫反応を起こしています。これを自然免疫と言い、さまざまな病原体をパターン認識し、抗ウイルス物質を誘導します。抗体検査をしても抗体を持っている人が少ないのは、自然免疫で治る人が多いからだと考えられます」  京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授の話である。 「抗体は、(白血球の一種の)マクロファージが働き、(免疫細胞の)T細胞がB細胞に指示を出して作られます。ただし抗体ができても、平時は無駄なので、B細胞はリンパ節などに戻る。またウイルスが来たらB細胞が血液中に出てきて、抗体を作りはじめます。ですから抗体検査の陽性率が低いだけで、抗体ができていないと考えるのは誤りです」  そうであれば、ワクチンへの期待は抱き続けてもいいはずである。

死亡者は最大3800人

 国際医療福祉大学大学院の高橋泰教授(公衆衛生学)の話にも、耳を傾けたい。 「厚労省が6月に行った抗体検査で、東京の陽性率は0・1%。ロンドンやNYの100分の1以下でした。これを感染症予防の教科書的にとらえると、東京での対策は予防の観点からは成功したが、抗体保有者が稀なので、今後の流行で死者が増える可能性がある、となる。でも、日本の死者は千人以下にとどまっています。私たちの研究チームは、新型コロナは毒性が弱く、生体が抗体を出すほどの外敵ではないと判断し、自然免疫で処理できていると考えた。その場合は無症状か軽い風邪のような症状で、夜の街でPCR検査を拡大すると陽性者が大勢出ることも、この仮説で説明がつきます」  やはり、多くの場合は抗体が出るまでもない、というのだ。さらには、 「欧米のようなロックダウンをしていない日本で、新型コロナに暴露(さらされること)した人が極端に少ないとは考えにくい。自然免疫で治っているから抗体ができない、と考えるのが自然です。そこで全国の暴露者数を、年代別患者数の実数値、抗体陽性率推計値などを使って推計したところ、5月10日までの暴露者数は30~45%という結論に達しました。国民の3割は暴露したと考えられ、内訳を7段階に分けました。自然免疫で対応できた98%がステージ1~2。獲得免疫、いわば特定の敵を攻撃する軍隊が出動するのはステージ3以降で、暴露者の2%。うち重症化するごく少数がステージ5、亡くなる方が6。暴露していないステージ0を入れて7段階です。ステージ5以降の重症者は、20代で10万人中5人。70歳以上だと千人中3人程度です」  また、日本の死亡者数が欧米の100分の1にとどまる理由を推察すると、 「体内でウイルスが感染に十分な量に増殖する前に自然免疫で処理され、感染のチェーンが切れやすい。自然免疫が高い理由は、BCGの国による接種状況の差も考えられます」  そして、高橋教授の仮説にもとづくと、 「死亡者はどんなに広がっても3800人。10万人中3人です。一方、過去の景気悪化では、自殺者が10万人当たり8人増えています。新型コロナで3人亡くなるのを防ぐために死者を8人増やすのか、という話です。重症者がゼロに近い30歳未満でオンライン授業にするなども、意味があるとは思えず、どこかで方向転換が必要です。また、次の波がきたら真っ先にすべきは、PCR検査ではなくウイルスの遺伝子解析。毒性が変異によって強まる可能性もあるからで、変異していないとわかれば、98%は自然免疫で治る病気として対応すればよくなります」  新型コロナを取り巻く状況を、高橋教授は「木を見て森を見ず」と語った。我々はそろそろ、このウイルスへの立ち向かい方を改める時期にきていると言えよう。

「週刊新潮」2020年7月30日号 掲載

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焦点:コロナ患者急増、病床削減計画見直しの可能性 政策の矛盾露わに

https://jp.reuters.com/article/japan-coronavirus-hospital-idJPKCN21Y0FZ

2020年4月16日 / 14:15 / ロイター 中川泉 宮崎亜巳

〔東京 16日 ロイター] – 新型コロナウィルス感染者の病床不足が問題となっている中で、厚生労働省がこれまで5年にわたって進めてきた全国の病床削減計画を見直す可能性を視野に入れていることがわかった。政府は昨年秋に、13万床の病床削減を目安として掲げ、病院名のリストも作成。その対象となっていた公立病院はコロナ患者の受け入れを求められており、政策の矛盾を指摘する声が出ている。

<13万床削減要請の衝撃>

昨年10月の政府の経済財政諮問会議。「来年9月までに、まず公的・公立病院の見直しを出していただく」ーー加藤勝信厚生労働相は全国の自治体を対象に、余剰病床の削減計画を提出するよう要請。民間議員からも「官民合わせて過剰となる約13万床の病床の削減が必要だ」とする提言が行われた。

これらは昨年6月に閣議決定された経済財政の基本方針である「骨太方針」に「地域医療構想」に沿った医療提供体制の効率化と題して盛り込まれたものだ。

同9月には、厚生労働省が公立病院と日本赤十字社などが運営する公的病院の4分の1を上回る424の病院について再編や統合が必要だとして個別の病院名を公表。病床が逼迫している東京都でさえ、国家公務員共済連九段坂、東京都台東区立台東、東京都済生会中央、東京都済生会向島などの各病院が対象として挙げられた。

名指しされた病院のある地域では、地域医療を支えてきた病院の閉鎖や再編に対し住民による反対運動がおこった。それでも政府が病床削減を進めてきたのは、2014年から始まった「地域医療構想」があるからだ。「地域医療構想」は2025年に必要となる病床数を4つの医療機能ごとに推計し、病床の機能分化と連携をすすめ、効率的な医療提供体制を実現する取り組みとされる。

団塊世代が75歳の後期高齢者となる2022年からは医療費が一気に増大し、日本の医療費の加速的な増加が財政を圧迫する姿が見通せる。

医療費の抑制を図り、持続可能な体制を作るため、過去5年程度の間、政府は「地域医療構想」の提出を各都道府県に促してきたが、なかなか進捗しなかった。このため、諮問会議は公立病院を中心に昨年秋から3年間程度を集中期間として、病床再編を進めることを打ち出した。2025年時点で必要なベッド数推計値と現状の病床数の差が13万床だという理屈だ。

日本医療労働組合連合会(医労連)の森田進書記長は、コロナ対応で病床が不足する事態を起こした一因は、国の政策にあると強く批判している。同氏によると、ここ20年間で感染病床は大幅に削減され、1998年に9060床あった感染病床は現在、1869床まで減少している。同氏はロイターに、「本来なら、感染症病床というのは国がきちんと整備しておくべきだと我々は言い続けてきた。ベッドが減少したところでこういう事態になった」と語る。

「21世紀は感染症との闘い」と言われるように、MERS、SARS、新型インフルなど様々な感染症が突然発生する。感染症病室は、普段は稼働率が低くてもいざという場合に運用できるようなシステムは日ごろから必要、というのが医労連の立場だ。「国は医療費抑制、効率性ばかりを追求している」(森田しのぶ委員長)と指摘する。

<コロナ発生で再検討>

ところが、新型コロナウイルスの発生により病床をめぐる事態は急変する。厚労省は3月4日付の医政局長通知で、3月末までとなっていた病床削減計画の提出期限の延期を認めた。

通達では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため政府がイベントなどの自粛を求めていることなどを理由に、地域医療構想における具体的対応方針の再検証等の期限について「改めて整理」するとしている。

すでにコロナ感染者は、感染症病床や結核病床だけでなく、一般病床を埋め始めている。コロナ対策病床の稼働率は14日現在、107%の稼働率(出所:一般社団法人 日本呼吸療法医学会 公益社団法人 日本臨床工学技士会)。

実際に国が緊急事態宣言を発表した7日以降、都内の東大病院や日大病院、東邦大学病院は、患者の病状に影響を与えない範囲で診療機能を一時的に縮小すると発表した。他の病院でも入院・外来診療を制限する動きが広がっている。

このため、削減計画をいったん停止せざるをえない状況が生まれたとみられる。

厚労省の期限延期の決定について、全国自治体病院協議会の小熊豊会長は3月18日の記者会見で、「今この騒ぎだから、柔軟にやっていただけるものと思っている」と、延期は当然との見解を示した。

厚労省医政局はロイターの取材に対し、「病床削減計画を全面的に取りやめるということではない」としつつ、「コロナ患者入院の状況からみて、再検討が必要かと思っている」とし、国の病床削減計画を見直す可能性を示唆した。

<経営の壁>

経済協力機構(OECD)は19年版の「Reviews of Public Health」でパンデミック発生となれば、予算も人口も減少していく日本で、その受け入れ余力や専門知識などの対応能力には課題があると指摘している。

一方、医療機関としては、感染症が発生していない平時から、常に感染症病床を一定数維持することは経営的に困難との声もある。

私立大学病院に長く勤務していた国立病院の医師は「基本的に、病床は常に95%以上埋まっていないと病院の経営は成り立たない。感染症対策に空き病床を備えることは理想かもしれないが、病床の数に伴い感染症に対応できる医師・看護師を同時に備えて登録する必要があり、感染症が発生していない時にそうした余剰の医師を維持することは非現実的」と述べた。

近年、増加傾向にある自然災害に伴う感染症リスクや、数年ごとに起こる世界的大流行など、感染症との新たな闘いを見据えなくてはならない中、病院の経営課題や国の医療費抑制といった問題とどう向き合っていくのか。難しい課題がまた一つ浮き彫りとなっている。

グラフ作成:照井裕子 編集:石田仁志私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」

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京大研究者が明言「再自粛不要論」 欧米より圧倒的に低い日本の死亡率…この差は「集団免疫」で説明できる 抗体検査には“盲点”も

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200728/dom2007280005-n1.html

2020.7.28 夕刊フジ

 日本の新型コロナウイルス感染による死者数や死亡率が欧米より圧倒的に少ない理由について、夕刊フジでは5月に「日本人はすでに集団免疫を獲得している」という研究グループの仮説を報じた。その後、国内の抗体保有率が低いという調査結果や、抗体が短期間で消えるとする海外の報告も出てきたが、研究グループは「集団免疫理論を覆すものではない」と強調する。東京都を中心に全国で感染者が再び増えているが、「自粛は不要」とも明言した。

 京都大学大学院医学研究科の上久保靖彦特定教授と順天堂大の奥村康(こう)特任教授(免疫学)は27日、記者会見を開き、このところ感染者数が増加しているが、「3週間経過しても死者数は横ばいだ」とし、感染者の増加はPCR検査数の増大と相関しているとの見解を示した。

 米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、27日現在の日本国内の死者は998人(人口100万人あたり7・9人)。米国の14万6935人(同448・3人)、英国の4万5837人(同689・9人)と比べると、死者数、死亡率ともに大幅に低い。

 この差を「集団免疫」で説明できるというのが、上久保氏と吉備国際大学(岡山県)の高橋淳教授らの研究グループだ。研究によると、新型コロナウイルスは「S型」「K型」「G型」の3タイプに大別される。感染しても無症状から軽症が多い「S型」は昨年10~12月ごろに世界に拡散し、同じく無症状から軽症が多い「K型」は今年1月ごろをピークに日本に侵入した。やや遅れて「G型」が中国・武漢で拡散、さらに上海で変異したG型が欧米にも広がったとしている。

 これらは鳥インフルエンザ対策のために設立された国際イニシアチブ「GISAID」や、現在の日本のパンデミック(世界的大流行)の状況により立証されているという。

 武漢が1月23日にロックダウン(都市封鎖)されたことを受け、欧米各国は2月上旬に中国全土からの入国制限を行った。しかし、「すでに広がっていたS型はG型の致死率を上げる特徴がある」(上久保氏)ことから多数の死者が出た。

 これに対し、日本が入国制限を中国全土に強化したのは3月9日と遅れた。その間に日本国内で広がっていたK型のウイルスは、「G型に対する獲得免疫を有する」(同)ことから、結果的に集団免疫が確立したという説だ。

 仮説を立てるうえで、上久保氏らが着目したのが、新型コロナウイルスに感染すると、インフルエンザに感染しなくなる「ウイルス干渉」という現象だった。「体内に入ったウイルスにより活性化されたサイトカイン(免疫系細胞から分泌されるタンパク質)の反応が出るために、同時に他のウイルスの感染も妨げられる」と説明する。

 昨年10月から今年1月のインフルエンザの流行の波が前年の同じ時期より小さくなっていたといい、ここでS型やK型のウイルスが広がっていたと上久保氏はみる。

 その後、仮説と一見矛盾するような調査結果も出てきた。集団免疫が確立しているということは80~90%の人が抗体を持っているはずだが、厚生労働省が実施した抗体保有調査では、東京の抗体保有率は0・10%、大阪が0・17%、宮城が0・03%と極めて低かった。

 これについて上久保氏は、抗体検査の問題点を指摘する。検査キットには、カットオフ値(陽性・陰性の境を決める基準)が人為的に設定されるが、「新型コロナウイルスのように無症状が多い場合、カットオフ値は明らかに有症状の人の高い抗体値に合わせているため、基準が高く設定されすぎて抗体を持っていても陰性と出る可能性が高い」と話す。

 海外でも抗体の研究が進んでいるが、英ロンドン大キングス・カレッジの追跡調査では、ウイルス感染後、抗体ができて回復した場合でも、抗体による免疫は数カ月以内に減退する可能性があると指摘された。

 抗体が短期間で失われてしまうのなら、集団免疫ができないのではないか。上久保氏は「既感染の状態では抗体が減衰することが多く、抗体があっても抗体検査で出てこない可能性が高い」と述べる。

 ■京大研究者・上久保氏「非科学を横行させるな」

 「再感染」と免疫の関係について上久保氏は東京・新宿のホストクラブなどのPCR集団検査で陽性が相次いだ事例を引き合いに、こう説明する。

 「既感染者(免疫を獲得済み)ののどや、体内に再びウイルスが入ったところで、たまたま集団検査などでPCR検査が行われたと考えられる。抗体が減衰していても免疫が記憶されており、再度ウイルスが入ると、速やかにウイルスに対してその免疫が反応し、ウイルスを排除する。また、免疫細胞が廃れかけた場合は再度ウイルスが曝露(=ウイルスにさらされること)することで、むしろ免疫にエンジンがかかるブースター効果というものがある」

 これが事実なら、PCR検査を増やせば増やすだけ、感染者数が増えても、日本では欧米のように死者が急増する可能性は低いということになる。

 「今年に入って半日ぐらい熱っぽいと感じたことがある人は、そのときに新型コロナウイルスに曝露していてもおかしくない。何日も曝露していれば、それだけの日数で微熱や、のどの痛みなどを感じる」という上久保氏。7月に入り、東京都内では連日3ケタの新規感染者が確認され、都は警戒レベルを4段階で最高の「感染が拡大していると思われる」に引き上げた。再度、緊急事態宣言を出すべきだとの声もあるが、上久保氏はこれに反対の立場だ。

 「免疫が形成されるまでに複数回の接種を要するワクチンがあるように、新型コロナウイルスに対する免疫を維持するには、ウイルスと生活していかなければならない。もともとコロナウイルスとはともに暮らしてきた。今から急に始まるわけではない。再度自粛すれば、かえってその機会が失われかねない。『3密』や換気など非科学的な話ばかりだ。すべてを真摯(しんし)に検証すべきだ。私は自分が間違っていたら、間違いは素直に認める。しかし、非科学は絶対に横行させてはならない」

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新型コロナ対策関連法改正の論点

https://news.yahoo.co.jp/articles/de6aa0e3207fcbd542537f68ec6ef843402d9836/images/000

8/2(日) 7:13配信 時事通信
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罰則付き休業要請「あり得る」 西村再生相インタビュー

https://news.yahoo.co.jp/articles/a15d12791bf208ece7a2861777717e85c2610417

8/2(日) 7:13配信 時事通信社

 西村康稔経済再生担当相は1日までに時事通信のインタビューに応じた。  新型コロナウイルス対策の特別措置法改正に関し、休業要請・指示に従わない場合の措置として「命令や罰則の新設はあり得る」と明言した。主なやりとりは次の通り。 【グラフ】主な産業の休業者数  ―特措法に基づく調整で苦労した点は。  この法律は初めて使ったため、国と自治体の役割をどう当てはめるか相場がなかった。4月に東京都が検討していた休業要請は「ロックダウン」の言葉通り、幅広い業種を対象にしていたが、生活に必要な業種もあるので時間をかけて調整した。  小池知事は「社長と思っていたら天の声が聞こえた」と言ったが、私からすれば「法律の声」だ。休業要請は私権制限を伴うことを頭に置き、執行の責任者として対応してきた。  緊急事態宣言の発令や解除は私に説明責任がある。休業要請をどの業種に出すかは知事の権限なので、説明責任をしっかり果たしてほしい。  ―特措法などの改正を検討するか。  内閣法制局とも話している。早い方がいいものもあれば、落ち着いて議論すべきものもある。(別種の感染症が将来流行した場合にも)特措法を使える道があっていい。落ち着いて検討すべきだ。  他方、休業命令や罰則は検討を急ぎ、改正するかどうか考えたい。  国と自治体の関係も整理すれば、相当いろんな議論になる。今やれば余計に混乱する。各知事が適切に判断できるようにするのが私の仕事だ。  ―休業要請と補償のセットは。  実態から言えば、事実上の補償は既にやっている。持続化給付金や雇用調整助成金、地方創生臨時交付金でかなりの部分をカバーできている。(法律に明記するのは)技術的に難しいし、世界の主要国でも例がない。  ―感染症対策の「司令塔」の必要は。  最高司令官は安倍晋三首相で、その下の連絡会議に私と加藤勝信厚生労働相、菅義偉官房長官が出席している。意思疎通は図れている。米疾病対策センター(CDC)の日本版創設という議論もあるが、米国の対策が本当にうまくいっているのか。国立感染症研究所の強化は大きな課題だ。  世界に冠たる日本の保健所で予算や人員が不十分になっている。思い切って拡充し、リアルタイムで国と都道府県、市区町村が情報共有できる仕組みをつくることは待ったなしだ。