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高齢者へのワクチン接種、遅れる方向 本格化は5月以降 政府

https://news.yahoo.co.jp/articles/dce47d824ab2f516cff05dab0fbcdb654504db5e

2021/2/23(火) 7:12 JIJI.COM

 政府の新型コロナウイルスワクチン接種をめぐり、65歳以上の高齢者約3600万人への実施が遅れる方向となった。 【図解】新型コロナワクチンの接種計画  4月から試行的に始めるが、接種が本格化するのは増産したワクチンが届く5月以降になる見通しだ。政府は週内に自治体への新たな供給計画を示す方針。  菅義偉首相は22日の衆院予算委員会で高齢者への接種について「これまで説明している通り、4月から開始するべく準備を進めている」と強調した。ただ、加藤勝信官房長官は記者会見で「ワクチンの供給状況を踏まえていかなければいけない」と指摘した。  17日から始まった医療従事者への先行接種は米製薬大手ファイザー製のワクチンを使用している。河野太郎規制改革担当相は21日のNHK番組で、同社の生産力増強が5月以降になることや、医療従事者が予定より100万人近く増えたことを挙げ、「高齢者分が後ろへずれる。ゆっくり拡大をしていきたい」と明らかにした。  政府は4月から高齢者への接種を開始し、期間の目安を「2カ月3週間」としてきた。その後、基礎疾患のある人などに順次拡大する方針だ。ただ、本格接種が5月以降となれば、高齢者接種が終了するのは「当初より半月ぐらいずれ込む」(政府筋)との見方が出ている。  一方、田村憲久厚生労働相は22日の衆院予算委で、ワクチン接種で高齢者の次に接種対象となる基礎疾患のある人について、「予診票などで確認して自己申告で対応させていただく」と述べた。 

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コロナワクチン製造10倍超に タカラバイオの仲尾社長、PCR検査試薬も8倍に増やす方針

https://news.yahoo.co.jp/articles/7deb4b45622aeac31a86a5b043d6b5d527f9bde5

2021/2/21(日) 20:01 京都新聞

 タカラバイオの仲尾功一社長は、滋賀県草津市内の本社に備える新型コロナウイルスのワクチン製造能力を、今秋にも現行の10倍以上に拡大する方針を京都新聞社の取材に明らかにした。政府が医薬品メーカーなどに支給するワクチン生産体制整備の補助金を活用し、供給体制を一気に増強する。 【写真】タカラバイオのPCR検査キット  仲尾社長は「経済の安全保障の観点から、ワクチンやPCR検査試薬の製造を国内で完結させることには意義がある」と強調。厚生労働省の補助金を活用してワクチン生産能力を増強するとし、「精製工程をどれだけ効率化できるかにもよるが、現在の10倍以上の規模になるだろう」と述べた。  同社は大阪大発バイオベンチャー、アンジェス(大阪府茨木市)が開発する新型コロナのDNAワクチンの量産を担う予定で、4月までに当初想定で20万人分の量産体制を整えるとしていた。アンジェスは現在、DNAワクチンの臨床試験(治験)を進めている。  一方、仲尾社長は、アンジェスとは別のワクチン開発計画にも携わっていることも初めて明かした。政府は米ファイザーなど欧米メーカー製ワクチンの接種を近く始める予定。タカラバイオは国内での安定供給に向け、将来的に複数のワクチン生産を担う可能性もある。  また、コロナ感染の有無を判定するPCR検査試薬について、国内の生産能力を今夏にも現行の8倍となる月800万検体分に増やす方針も示した。経済産業省の補助金を含めて約10億円を本社の設備増強に投じ、中国・大連工場に集中していた製造体制を分散する。  昨春の感染「第1波」の際、国内で海外産試薬が品薄になったことも踏まえ、国内向けの供給体制を強化する。試薬はノロウイルスや豚熱など幅広い感染症に活用できるため、「コロナ後」の新たな感染症の流行にも備える。

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新型コロナワクチンの副反応の報道をどのように捉えればよいのか

https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210221-00223746/

2021/2/21(日) 12:43

忽那賢志 | 感染症専門医

医療従事者に新型コロナワクチンの接種が開始されました。

同時に副反応に関する報道も出てきています。

こうした副反応に関する報道を私たちはどう捉えればよいのでしょうか。

新型コロナワクチン副反応についての報道

2月17日から医療従事者への新型コロナワクチン接種が始まりました。

それに伴い、厚生労働省から副反応が疑われる事例に関する報告も出ています。

テレビや新聞でもこの副反応に関するニュースが報道されています。

ワクチン接種後、副反応疑い2例 初報告、じんましんと悪寒

厚生労働省は20日、新型コロナウイルスのワクチン接種後に、副反応の疑いがある報告が2例あったと発表した。内訳はじんましん1件、悪寒1件。副反応疑いの報告は初めて。

とのことで、軽微な副反応であったようです。

また、このような報道も出ています。

ニュースの見出しに「ワクチン接種後死亡0.003% 米国内で1170件」とあります。

これだけを見ると「ワクチン接種のせいで1170人が死んだのか・・・怖いワクチンだ」と思ってしまいそうです(報道する側にもそのような意図が見え隠れする気がします)。

しかし、実際にはこの1170人の方はワクチン接種をした後に亡くなったというだけで、ワクチン接種と関連があるかどうかは不明です。

例えばアメリカの高齢者施設では2021年1月18日までにワクチン接種後に129人の高齢者が亡くなられたと報告されていますが、これは平時に高齢者施設で亡くなられる方と比べて多いわけではなく、この129人もワクチン接種との因果関係はないだろうと結論付けられています。

というわけで、前者の蕁麻疹や悪寒の報告は新型コロナワクチンによる副反応の可能性が高いと考えられますが、後者の死亡はおそらく関係ありません。

今後このような新型コロナワクチンの副反応に関する報道が「本当にワクチンと関連のあるもの」と「おそらく関係ないもの」とがないまぜになり、流れてくるものと思われますが、そうした報道を私たちは正しく解釈しなければなりません。

副反応、副反応の疑い、有害事象の違いは?

ワクチン接種による効果、副反応、有害事象の関係(第51回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会資料3を参考に筆者作成)
ワクチン接種による効果、副反応、有害事象の関係(第51回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会資料3を参考に筆者作成)

新型コロナワクチンは、発症予防効果や重症化予防効果を期待して接種します。

しかし、ワクチン接種は体内に異物を投与することで免疫反応を誘導し、感染症に対する免疫を付与することを目的として行われるため、効果だけでなく副反応も起こります。

例えば、接種後にアナフィラキシーを起こしたり、接種部位が腫れることがありますが、これは副反応と考えられます。

では「接種した次の日に熱が出た」という場合はどうでしょうか。おそらく副反応だと思いますが、もしかしたら接種する前に何らかの感染症に感染していたのかもしれません。完全にワクチン接種のせいだとは言えません。

さらに「接種した次の日にクモ膜下出血になった」という場合はどうでしょうか。たぶんワクチン接種は関係ないだろうと思いますが、100%否定することはできず、ワクチンが惹起する免疫反応が何らかの影響を及ぼした可能性は「ゼロではない」となります。

こうした「副反応の可能性が高いもの」も「副反応の可能性が極めて低いもの」もどちらも同じ「副反応疑い」として報告されることになっています。

これはワクチン接種の透明性を保つ上で非常に大事なことですし、実際に今後報告される稀な重篤な副反応を検出することに役立ちます。

そうした事情から、今後、日本国内でも「ワクチン接種後に死亡」という事例が「副反応疑い」として報告されることになりますが、それをそのまま「ワクチンのせいで死んだ」と捉えてはいけません。

大事なのはその頻度です。

例えば、65歳以上の高齢者は1年間に123万人亡くなっています(平成30年人口動態調査)。

つまり、1日当たり約3400人の高齢者の方が亡くなられています。

今後、高齢者にワクチン接種が進んでいけば、因果関係はなくともワクチン接種後に亡くなられる方は必ず出てきますが、その数が「ワクチン接種をしていない高齢者」と比べて明らかに多いのかどうか、を慎重に評価する必要があります。

先のアメリカの事例だけでなく、ノルウェーでも同様にファイザー社の新型コロナワクチンを接種後に1月26日までに33人の高齢者が亡くなられたものの、接種との因果関係はないと判断しており、末期患者への接種については個々の患者のメリットとデメリットを考慮して検討すべきだが接種方針は変更しないと公表しています。

副反応は一定の割合で起きることが分かっている

ファイザー社の新型コロナワクチンを接種した後の、1回目と2回目の副反応の頻度(CDC. COVID-19 vaccine safety update.January 27, 2021)
ファイザー社の新型コロナワクチンを接種した後の、1回目と2回目の副反応の頻度(CDC. COVID-19 vaccine safety update.January 27, 2021)

副反応がどれくらいの頻度で起こるのか、事前に知っておくことは重要です。

アメリカ合衆国では2021年1月24日までに1200万人以上の人にファイザー社のワクチンが接種されており、v-safeというワクチン副反応トラッカーに報告された副反応についてCDCから発表されています。

この報告によると、接種部位の痛みが最も頻度が高く(67.7〜74.8%)、だるさ、頭痛、筋肉痛、寒気、発熱、接種部位の腫れ、関節痛、吐き気などがみられるようです。

これはインフルエンザワクチンと比べてもかなり副反応の頻度が高いと言えます。

接種した翌日には体調不良で仕事を休まざるを得ない、という人も多く出そうです。

また1回目よりも2回目の方が、それぞれの副反応が起こる頻度は高くなるようです。

接種後にこうした副反応が出ることは、ある程度想定範囲と考えておきましょう。

アナフィラキシー反応が起こる頻度(筆者といらすとや作成)
アナフィラキシー反応が起こる頻度(筆者といらすとや作成)

最も懸念される副反応はアナフィラキシーなどのアレルギー反応です。

実際にアナフィラキシー反応がどれくらいの頻度で起こるのかについてですが、アメリカで約1000万人に1回目の接種をしたところ50人にアナフィラキシー反応が起こった、とのことです。つまりおよそ20万人に1人にアナフィラキシー反応が起こる計算になります。

アナフィラキシーの原因と考えられているのは、両方のワクチンに含まれているポリエチレングリコール(PEG)と呼ばれる物質であり、CDCはPEGやポリソルベートなどのPEG誘導体にアレルギーのある人はmRNAワクチンの接種を控えるよう推奨しています。

また、アナフィラキシー反応を起こす人ではサルファ剤や卵などなんらかのアレルギーがあったり、過去にアナフィラキシーを起こしたことがある人で多くみられることが分かっています。

前述のアナフィラキシーを起こした50人についての詳細を見てみると、

・女性が47人(94%)

・74%の人で接種後15分以内、90%の人で接種後30分以内にアナフィラキシーが出現

・40人(80%)は過去にアレルギーを指摘されていた

・12人(24%)は過去にアナフィラキシーを起こしたことがあった

とのことですので、何らかのアレルギーがある人はワクチン接種後30分程度は特に慎重に様子を見るようにしましょう。

なお、アナフィラキシーを起こした方々は皆さん退院されており、迅速に、適切に対応すれば命に関わることはほとんどありません。

アレルギーをお持ちの方もワクチン接種ができないわけではありませんので、ぜひかかりつけ医に相談してみてください。

正しい知識をもってワクチン報道を評価しよう

ワクチン接種は効果と副反応を天秤にかけた上で接種をするかどうか判断するものであり、100%の安全性を求めることはできません。

また、ワクチン接種による効果は目に見えにくい一方で、副反応は認識されやすく、ちょっとした副反応のニュースも大きく報道されます。

副反応の種類や頻度などをよく知った上で、本当にワクチンに関連した副反応なのかどうかを正しく判断できるようにしましょう。

各メディアに置かれても、この点を十分にご認識いただいた上で、扇動的な報道にならないようにお願いしたいところです。

忽那賢志感染症専門医

感染症専門医。2004年に山口大学医学部を卒業し、2012年より国立国際医療研究センター 国際感染症センターに勤務。感染症全般を専門とするが、特に新興再興感染症、輸入感染症の診療に従事し、水際対策の最前線で診療にあたっている。『専門医が教える 新型コロナ・感染症の本当の話』3月3日発売ッ! ※記事は個人としての発信であり、組織の意見を代表するものではありません。本ブログに関する問い合わせ先:skutsuna@hosp.ncgm.go.jp

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2人にワクチン副反応の疑い 厚労省が発表

https://news.yahoo.co.jp/articles/a2cd08a2d641e8e3ce8c25b406988757cc06ac68

2021/2/21(日) 7:59 日テレNEWS24

新型コロナウイルスのワクチンを接種した医療従事者2人に、副反応の疑いのあるじんましんなどが見られたと厚生労働省が発表しました。専門家は「冷静に捉えて」と話しています。 厚労省によりますと、「副反応の疑い」があるとして医師から報告があったうち、1人は19日、富山労災病院で、接種後にじんましんが出ましたが、回復したということです。 もう1人は、別の医療機関で、19日、接種後に悪寒やふるえが見られ、強いアレルギー反応であるアナフィラキシーと報告されましたが、回復し、症状名が訂正されました。 「副反応の疑い」の報告は初めてですが、ワクチンとの関連はまだ確定していません。ワクチンは、新型コロナウイルス感染症の発症を防ぐ一方、副反応がみられることがあります。 医薬基盤・健康・栄養研究所 保富康宏氏「今回のじんましんというのは(副反応の)中の一番いわゆる起こりやすいもので、完全に、メーカー側も承認した側もこれはもう想定内の話ですので、多分、世界的にもたくさん出ていると思いますけど、さしたる問題として誰もわざわざ報告はしてないというのが現実だと思います。それ(じんましん)が出て動けなくなるなんてことになると、今度はアナフィラキシーという話になりますので、それではないただのじんましんということであれば、冷静に捉えればいいと思います」

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コロナ死亡例98.9%減少 ファイザー製2度接種で イスラエル

https://news.yahoo.co.jp/articles/cdf585d8fa911c473bab1cdb8c5fbf08f120b7bb

2021/2/21(日) 6:26 JIJI.COM

【イスタンブール時事】イスラエル保健省は20日、新型コロナウイルスによる死亡例が米ファイザー社製のワクチンを2度接種することにより、98.9%減少したとする調査結果を発表した。  現地メディアが伝えた。  保健省の調査は2月中旬の時点で、1月末までに2度目の接種を終えた人々と、ワクチン未接種の人々を比較した結果という。発症率全体については95.8%低下した。  イスラエルではこれより先、国民が加入する保健維持機構(HMO)がワクチンについて高い有効性が認められることを明らかにしていたが、保健省としてもこれを確認した形だ。 

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「5-ALA」は新型コロナに効果 “夢の新薬”誕生の可能性も

https://news.yahoo.co.jp/articles/b972577fad261b0b73678077b4277d820e28f07d

2021/2/22(月) 11:31 デイリー新潮

「5-アミノレブリン酸(5-ALA)」という、赤ワインや納豆といった発酵食品緑黄色野菜に多く含まれるアミノ酸をご存じだろうか。2月9日、長崎大学とネオファーマジャパン株式会社が、培養細胞の感染実験において5-ALAが新型コロナウイルスの増殖を100%抑制したと発表したことで、にわかに注目を浴びているのだ。

 5-ALAの研究がより進めば、新型コロナの予防薬としても重症患者を含めた治療薬としても、さらに後遺症に対しても効果が期待されるという。研究の指揮をとる長崎大学熱帯医学・グローバルヘルス研究科の北潔教授は、すでに3年前、「モダンメディア」という医療従事者向けの専門誌に、多くの国を巻き込む感染症の危険性を《先進国といえども安心はできない。空路の拡大とスピードアップによる人やモノの移動の著しい増加、感染症に対する関心の低下、気候・環境の変動などにより、世界中が危険に曝されているのである》と、今の状況を予見するかのような警告を発していた。 「東京は連日、新規感染者が500人を切ったという報道がされていますが、日本以外の先進国、そして南アメリカや中東諸国、アフリカまでも新型コロナの大きな被害を受けています。これほど人・モノの動きがある中では、自国の感染者の減少に目を向けるだけではなく、世界全体が安心安全な状況にならなければなりません。  コロナは天然痘のように、完全に撲滅するということはできません。だからこそウィズコロナではなく、感染しても対応でき、脅威を感じることのないアフターコロナという世の中にしなければと思っています」

マラリアに効くのと同じ原理

コロナの治療薬となるか。粉末状の5-ALA(写真提供・ネオファーマジャパン)

 もともと北教授は2009年から、抗マラリア剤として5-ALAの開発研究を進めていた。新型コロナの感染拡大が懸念されていた昨年1月には、新型コロナの遺伝子の中に、マラリア原虫(病原体)と同じグアニンという塩基が4つ集まった「G4構造」と呼ばれる配列が複数あることに気付いていた。 「そこで、マラリアに効いているのと同じ原理で、5-ALAはコロナウイルスの増殖も止められるのでは、と考えたのです。私自身はウイルスの専門家ではありませんので、長崎大学にある熱帯医学研究所の森田(公一)所長とエボラ出血熱などの研究をしている安田(二朗)教授に協力を仰ぎ、2月にプランを立てて3月から実験をスタートし、5月にはポジティブデータが出ました」  5-ALAとはどのような物質なのだろうか。 「5-ALAはタンパク質の構成成分ではないアミノ酸で、17歳頃をピークに減少していくものの、我々の体でも作られている非常に安全性の高い物質です。  摂取すると体の中でいくつかの過程を経て、『プロトポルフィリン』ができ、それに鉄が結合すると血中のヘモグロビンを合成する『ヘム』になります。これは細胞内のエネルギー工場といわれるミトコンドリアも必要としている成分です。  そのため、5-ALAをサプリメントとして摂ることで代謝が上がり、疲労感が取れて元気になったり、糖を燃焼してエネルギーに変える力を高めるので、糖尿病予備軍の人は血糖値が下がったり、まだメカニズムはわかっていませんが、精神的な落ち込みが軽減されるという効果もあります。尿となってすぐ排出されるため、蓄積して後遺症をもたらすこともありません」

 5-ALAは厚生労働省の基準で、「食品」に分類されるサプリメントに過ぎないが、「治療薬」と認定されれば大きな効果が期待される。その作用メカニズムとは?  「現在の段階では、2つのシャーレの培養細胞にコロナウイルスを振りかけると、何もしない方はウイルスが増殖しますが、5-ALAを一緒に入れれば、増殖を完全に阻害することがわかっています。もちろん、人体に有効なのかが重要です。  新型コロナを予防するという点では、5-ALAの産物であるプロトポルフィリンやヘムが、ウイルスのスパイクタンパク質(ウイルスにある突起物のような部分)に結合すると、ウイルスが受容体を認識できなくなり、細胞への侵入を防ぎます。予防内服により、新型コロナで大きな問題になっている、発症する数日前から周囲にウイルスをまき散らすことも抑えられると考えられます。  マラリアでも見られるG4構造に、プロトポルフィリンやヘムが結合することはすでに知られていますが、5-ALAの産物のヘムなどが同じようにウイルスの遺伝子を複製したり、転写したりすることを阻害するので、患者に投与すれば “治療”になります。  現在、25人ずつ5-ALAを摂取させるグループとそうではないグループに分け、臨床研究を行っています。対象は軽症と中等症の患者のみですが、実は重症患者にこそ投与したいと思っていました。しかし、ルールがあって難しい。それでも、医師の裁量で重症患者に投与して症状が改善された例もあり、すでに論文も投稿されています。これはヘムが過剰に合成されると分解酵素が産生され、抗炎症作用を誘導するため、免疫系の暴走であるサイトカインストームや肺の炎症を抑制するためと考えられます。  さらに言えば、ミトコンドリアを活性化することでエネルギー代謝を活発にすることから、後遺症にも効果があります」

安全、安定、適切価格

「ネオファーマジャパン」袋井工場(写真提供・ネオファーマジャパン)

 今、市中感染が広がっていると言われる変異種にも、「一部効きが悪くなる可能性もある」(北教授)とはいえ、効果を発揮する。体に対する高い安全性や経口で摂取できるという容易さに加え、5-ALAはほかにも利点がある。世界中で大量生産できるのは、静岡県にある「ネオファーマジャパン」の袋井工場だけだが、すでに多量の備蓄があり、安定供給が確保できるのだ。 「市販のサプリメントは、1カ月分で5000円ほどですが、ワクチンに比べ低価格で提供できます。人体への効果が認定され、アメリカやイギリス、ブラジル、メキシコといった大きな被害を受けている地域にも供給されることを願っています。加えて、室温で数年間も保存できるほど高い安定性があります」  非の打ちどころがないように思えるが、配慮しなければならないのが、遺伝性の病であるポルフィリン症だ。日本人には症例が少ないが、もし今後治療薬として承認されれば、患者が多い欧米への供給に気を付けなければならないという。そしてもうひとつ。 「5-ALAが赤ワインや納豆に多く含まれる、と報じられたことから誤解もあるようですが、赤ワインや納豆は、ほかの食品よりも相対的に見て多く5-ALAを含んではいるものの、サプリメントで1日に摂取する15~25ミリグラムをワインで補おうとすれば、少なくとも9キログラム近くのワインを飲まないといけなくなってしまいます。特定の食べ物で感染を予防できるわけではないので、ご注意ください」  ほとんどの医療従事者や研究者もこの結果を好意的に受け取り、なかには「なんでもっと早く臨床研究をしなかったのか」という声もあったという。 「これから治療薬として認められるため、科学的な検証をしっかり行って、成果を段階的にリリースしていきたいと思っています」  新型コロナから人類を救う治療薬となるのかどうか。臨床研究の結果が待たれる。 デイリー新潮取材班

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BCG接種国は新型コロナの死亡者が20分の1 回復者の98%が抗体保有のデータも

https://www.dailyshincho.jp/article/2020/12190557/?all=1

週刊新潮 2020年12月17日号掲載

98%の回復者に抗体が

 新型コロナに感染した後、抗体は短期間で消えてしまう可能性が指摘されてきたが、研究によってほとんどの回復者が半年後にも抗体を保有していたことがわかった。さらに、BCG接種がワクチンの役割を果たしているという指摘も。

 ***

 報道でご存じの方も多いと思うが、横浜市立大学の研究グループが、新型コロナに感染して回復した376人を調査した結果、大半の人が半年後にも抗体を保有していたのだ。同大医学部臨床統計学教室、山中竹春主任教授が説明する。

「新型コロナウイルスに感染すると、多くの種類の抗体が体内にできます。その一部が再感染の阻止を担う中和抗体です。われわれは感染して回復した方から6カ月後に採血し、本学で微生物学が専門の梁明秀(りょうあきひで)教授が開発した抗体検査を用い、4種類の抗体を測定しました。その結果、ほとんどの回復者に残っている抗体が同定されました。さらに特殊な実験室で中和抗体を測定すると、98%の回復者に残っており、日本初の大規模データとして認められたのです。これまでの報道から受ける印象と、だいぶ異なる結果でした」

 事実、夏ごろには、抗体は2~3カ月で消える、という報道が目立った。

「ただ、イギリスや中国の先行研究も、論文のデータを見ると“時間の経過とともに抗体の量や中和抗体の強さは多少減っても、多くの人が(抗体検査の)陽性であり続けている可能性”が読み取れました。だから抗体の量は、報道されるほどは劇的に減っていないだろう、と考えていましたが、100%に近い人に抗体や中和抗体が残っているとまでは、予想しませんでした。今回の成果は、精度が世界最高クラスの抗体検査技術に依拠しているところが大きいと思います」

 むろん、この調査結果は収束への見通しに大いに関係するはずだ。

「中和抗体を保有しているとウイルスが細胞に入るのをブロックするので、保有していない人にくらべ、再感染の確率は低くなるといえます。ワクチン開発の臨床試験でも“中和抗体が保有されているかどうか”は評価項目となります。一般に、ワクチンで作られる免疫が、自然感染で獲得した免疫を大きく上回るとは考えにくく、もし自然感染による獲得免疫が2~3カ月で消えるようなら、ワクチンによる免疫もそれ以下になる可能性があった。自然感染した人の中和抗体が6カ月以上は保持されるとわかって、ワクチン開発にも期待が持てると思います」

 そして、次のように締めくくるのだ。

「新型コロナのような新興感染症では、得られる情報が限定的であるため、SNSやネットメディアの発達と相まって、悪い情報が一気に広まりやすい。その点、データをていねいに取って客観的な議論を重ね、多くの人が思っていたことと異なる結果を出せたことには、意味があると思います。また、予防のためのワクチン開発と、感染した場合の治療薬開発を両輪で推し進めれば、収束への見通しも立ってくると思います」

 日本人を対象にした調査だったが、山中主任教授の見解では、イギリスや中国のデータとくらべてもさほど矛盾がないという。

BCG接種国は死亡者数が20分の1

 さらには、日本人にとってはBCGが奏功していると指摘するのは、元金沢大学医学部講師で医学博士の山口成仁氏である。

「日本株を含むBCGを接種していたアジア及び中近東10カ国をA群、日本株BCGを接種していたアフリカ大陸16カ国をB群、ロシア株を含むBCG接種が義務化されていた15カ国をC群、BCGの接種義務がなかったか、日本株とロシア株以外のBCGが接種されていた19カ国をD群とします。これらのビッグデータをもとに、各国の新型コロナによる100万人あたりの死亡者数を比較しました。するとA群とB群は22・5人、C群は90人なのに、D群は512人でした。日本株のBCG接種国は、日本株もロシア株も接種がない国とくらべ、死亡者数が20分の1。100万人あたりの死亡者が9・7人だった日本にかぎれば、50分の1以下です」

「臨床と微生物」11月号にも掲載されたこのデータは、どう読めばよいのか。

「BCGが特異な自然免疫、細胞性免疫を活性化させて、新型コロナによる重症化を防いでいると考えられます。特に日本は、1935年以降に生まれた人はみな接種を受けている。日本人の95%以上が、新型コロナのワクチンをすでに接種しているのと同じ状況です」

特集「余裕のはずが『病床逼迫』の戦犯! コロナ拒絶病院に政府の無策・無慈悲」より

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ワクチン接種始まる、各自治体が早くもさまざまな奨励策

https://news.yahoo.co.jp/articles/5b73727753eb7a83c59da29e2666e34665350c0a

2021/02/20 18:39 TBSNEWS

 今週から国内でも始まった新型コロナのワクチン接種についてです。医療従事者を対象にした先行接種が進むなか、各地の自治体ではあの手この手で接種を推進しようという取り組みが早くも始まっています。  東京・武蔵村山市の「村山医療センター」。外来患者がいない20日からワクチンの接種を始めたこちらの病院。初日は医師や看護師など60人が接種しました。全国およそ4万人の医療従事者を対象に17日から始まった先行接種。これで東京都内で予定されていた7つの病院すべてで接種が始まったことになります。  「注射自体は全然痛くない。(ワクチン接種は)スムーズにできたと思います」(村山医療センター 谷戸祥之院長)  「(コロナウイルスに対する)私たちの武器はワクチンしかないなと」(ワクチン接種を受けた医師)  ついに始まったワクチン接種。こうした中、ユニークな取り組みを検討する自治体も。  「埼玉県の宮代町では、ワクチンを接種した人がこの町で使える商品券が配布される予定です」(記者)  埼玉県宮代町はワクチンを接種した16歳以上の町民に対し、1回につき1000円分の商品券を配布する方針を決定。2回接種で、1人2000円分を受け取れるということです。  「どうしようかなと思っている人たちは、それ(商品券)で後押しされることがあるかもしれない」(75歳女性)  「もちろん賛否両論ありますよね。お金で釣られるような」(22歳男性)  「いいと思うんだけども、(受けない人もいるので)税金を平等に使っていただきたいなと思いますよね」(76歳男性)  「町内で誰かの役に立つような使い方は、いいアイデアだと思う」(68歳女性)  宮代町はワクチンの接種を促すとともに、地域を活性化させたいとして、およそ6000万円を補正予算案に計上しました。  「願ってもない企画というんですか、支援策だと思います。健康、更に買い物ができるという、一石二鳥みたいな感じ。(店は)券を発行されることでお金が回ってきます。非常に助かるんじゃないでしょうかね。活気づくと思いますよ」(町の直売所「新しい村」 立石授さん)  こうした取り組みは神奈川県でも。  「横須賀市は、ワクチン接種に付加価値を求めたいと思います」(横須賀市の会見)  横須賀市は、ワクチンを接種した市民が市内の店舗で割引サービスなどを受けられる案を発表。接種すると渡される「接種済証」を会計時に提示すると割引を受けられる仕組みで、接種会場となる百貨店でも準備が進められています。  「割り引きとか、ノベルティーをプレゼントなんていうのを、地域に感謝、恩返しのために積極的なものに関しては参加していきたい」(さいか屋 担当者)  ワクチン接種を後押ししようと検討される様々なサービス。しかし、田村厚労大臣からは19日、こんな苦言も・・・。  「今、商店街での割り引きだとか、それは常識の範囲というか、打つか打たないか、それぞれ個人の方々がリスクとベネフィットを勘案してご判断いただくこと。打たれない方々が極端に不利益にならない、差別につながらない範囲でやっていただきたい」(田村憲久厚労相) (20日16:52)

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気象変化と新型コロナ感染/予測の可能性と新事実

藤原 かずえ

気象変化と新型コロナ感染/予測の可能性と新事実

2021/02/05 アゴラ

緊急事態宣言の延長を国民の9割以上が望む中[日本経済新聞世論調査]、菅政権は緊急事態の延長を決めました。感染が急激にピークアウトしていく中での緊急事態宣言の延長は、元を正せば、すべては客観的な新型コロナ感染の予測手法がないためと考えられます。

思えば、コロナ禍を通して、疫学の専門家でもない医師会・医クラ・マスメディア・文化人・自称ジャーナリスト・ヤフコメ等は、反証不可能な個人の勘だけを根拠にして、あたかも全知全能の神のように、悲観的な予言をふりかざしては国民や政府に説教を続けました。

一方、疫学の専門家も、最も重要な緊急事態宣言の効果を検証することなく、相変わらず実態を反映することができない古典的な感染モデルを使って数字の遊びに近い予測を行ったり、木を見て森を見ない些細な各論に突き進んでいったり、大衆がスケープゴートにしているGoToトラベルを無理に分析したりするなど、社会的な責任を十分に果たしていないものと考えられます。

世界的に見て、日本は、コロナの感染爆発を完全に封じ込めるとともに、マイナスの超過死亡まで推測されている唯一の大国ですが、悪質なインフォデミックによって社会が慢性的に集団ヒステリーを起こしていて、感染が拡大すれば政府を罵り、縮小すれば陰謀論が飛び交うという理性を完全に失った状態にあります。

このような背景の中、コロナの感染動向を平易かつ客観的に事前判定するための指標として「日最低気温(7日移動平均)の前週差」に着目して、コロナの感染状況との関係性について検討を行ってきました。この記事では、これまでの研究の概要を紹介した上で、この指標による予測のパフォーマンスを検証します。また、統計分析を基に得られたいくつかの知見を紹介したいと思います(アイキャッチの写真はNASAのimageライブラリより)。

ここまでの研究の概要

マクロに見て、いわゆる第0波、第1波、第2波、第3波は、日最低気温の前週差が低くなったタイミングで感染を急拡大させています(図-1)。

図-1 日最低気温の前週差と実効再生産数の挙動(全期間)

また、ミクロに見ると、この指標の変動のボトム(最低点)は実効再生産数の変動のピーク(最高点)とよく一致しています(図-2)。つまり、日最低気温の前週差が低くなるタイミングで実効再生産数が高くなっているのです。

図-2 日最低気温の前週差と実効再生産数の挙動(東京都・第0波&第1波)

さらに、この関係は、[東京]をはじめとして[日本各地][欧米各地]で認められます。

指標による予測のパフォーマンス

気温差の指標を最初に考えついたのは、1月8日の緊急事態宣言の日です。この日は、報告ベースの陽性者数(7日移動平均)および実効再生産数が各地域で増加を続けており、立憲民主党の枝野代表やヤフコメ尾張の守が「緊急事態宣言は遅い」と科学的根拠もなく大騒ぎしていました。この時点で収集可能な東京の感染情報は図-3の通りです。

図-3 日最低気温の前週差と実効再生産数の挙動(東京都・1月8日時点:第2波&第3波)

東京の場合、実効再生産数と指標の相互相関は20日のタイムラグがあるので、私たちは20日後まで、実効再生産数の増減の判定を行うことができます。1月8日、目前に迫っていたのは、冬将軍の到来によって発生した2020年最大の気温低下のボトム(J)です。現実には、ボトム(J)で実効再生産数はピークを打ち、その後ピークアウトしました(図-4)。

図-4 日最低気温の前週差と実効再生産数の挙動(東京都・2月4日時点:第2波&第3波)

その後、実効再生産数はさらにボトム(k)でピークを打ち、次のボトム(★)でもピークを打ちました。まさにこの指標は感染の一進一退を20日前からトレースしていたことになります。

また、図-5は札幌市の感染状況です。日本全国で感染者が単調減少する中、札幌市は実効再生産数が大きく上昇しています。

図-5 日最低気温の前週差と実効再生産数の挙動(札幌市:第2波&第3波)

少しタイミングがずれていますが、これはボトム(j)の影響と考えられます。札幌市では、日本全国で認められた最大のボトム(札幌市ではボトム(i)にあたります)に引き続き、それよりも気温低下が著しいボトム(j)が存在しているのです。このように、多少タイミングがずれても、顕著な気温の低下(概ね気温低下量が2度以上)があれば、それに対応する顕著な実効再生産数の上昇があるのです。

あえて言わせてただけば、これほど簡単に求めることができて、コロナ感染状況を支配する実効再生産数の増減のタイミングを20日も前から概ね予測できるような指標は他にはないと思います。

いつでもどこでも同じ感染メカニズム

ここで、多変量を対象とする時系列解析のモデルである【多変量自己回帰モデル=VARモデル vector auto-regression model】を使って、感染のメカニズムを検討したいと思います。

VARモデルとは、対象とする現象の時系列変動に対して、①対象とする現象の過去の変化、および②様々な要因の過去の変化を基に、対象とする現象の現在の値を回帰する統計モデルです。過去に実施した[東京都の解析]においては、この統計モデルを使って、実効再生産数(簡易法から算出)を次の4つの気象要因のデータ(気象庁発表)から回帰することを試みました。

・日最低気温の前週差
・日最低気圧の前週差
・日最低湿度
・日最大風速

分析に利用したコードは、統計数理研究所のTIMSACというライブラリに存在する制御系VARモデルのFPECという関数です。このコードを使うと、どの要因の何期過去までのデータが統計的に有意であるかを知ることができます。

東京都の解析においては予備解析を実施し、4つの気象要因のうち、日最低気圧の前週差と日最低湿度の2つの要因の組み合わせ(情報量基準FPE(m)を最大とする組み合わせ)の16日前までのデータを使って回帰するのが最も統計的に意味があることが判明しました。ちなみに圧力差と気温差は1週間ほどの位相差で相互相関関係が認められます。実際、圧力差のボトムも特定のラグで実効再生産数のピークと良く対応します。ただ、気温差ほど、低下量に大きな意味がないようにも感じます(←これは単なる感性なので定量的な検証が必要です)。

図-6 日最低気圧の前週差と実効再生産数の挙動(東京都・第2波&第3波)

なお、この解析においては、過去7日間の気象要因は実効再生産数に影響しないという仮定を設けています。これは陽性となって報告されるまでには最低7日間は必要であると考えたためです。

日最低気圧の前週差と日最低湿度を用いて得られた回帰式は次の通りです(まったく難しいものではなく、単なる掛け算と足し算です)。

但し、
R(t):t(日)における実効再生産数
T(t):t(日)における日最低気圧の前週差(度)
M(t):t(日)における日最低湿度(HPa)
CR(t),CT(t),CM(t):解析によって求められる定数(表-1参照)
C:R(t)の観測値平均と実測値平均が一致するように求められる定数表-1 VARモデルの回帰定数

この式によって得られた回帰値と観測値の関係を示したものが図-7です。本図には回帰誤差(回帰値と観測値との差)も同時にプロットしています。

図-7 東京都の実効再生産数のVAR回帰(第2波&第3波)

本図を見ると、回帰値は観測値と概ね一致し、その誤差も全期間を通してほぼ一様に小さいことがわかります。

このことは、東京都のコロナの実効再生産数の変動メカニズムは、第2波以降の期間を通して【不変 invariant】であり、実効再生産数と日最低気圧の前週差と日最低湿度の過去の変動で説明できるということになります。いつでも同じメカニズムで感染が生じているのです。このように時間によって確率分布が変化しないことを【時間的定常 temporal stationarity】と言います。

さて、非常に興味深いことに、実はこの回帰式は場所が変わっても時系列分布を精度よく再現します。東京都で得られた回帰式を札幌市・愛知県・大阪府・福岡県・沖縄県という気象条件が異なる各地域に適用させたものが図-8~図-12です。

図-8 札幌市の実効再生産数のVAR回帰(第2波&第3波)

図-9 愛知県の実効再生産数のVAR回帰(第2波&第3波)

図-10 大阪府の実効再生産数のVAR回帰(第2波&第3波)

図-11 福岡県の実効再生産数のVAR回帰(第2波&第3波)

図-12 沖縄県の実効再生産数のVAR回帰(第2波&第3波)

これらの図を見ると、陽性者数が少なく僅かな感染者数の増加で実効再生産数が乱高下した第2波の上昇局面(7月中旬~7月末)を除けば、誤差は非常に小さく、ほぼ一様です。つまり、少なくとも第2波の下降局面からは各地方でも時間的定常が認められるということです。しかもその変動を再現しているのは、各地方で求めた回帰式ではなく、東京で求めた回帰式です。このことは時間的定常に加えて、位置によっても確率分布が変化しないことを示しています。どこでも同じメカニズムで感染が生じているのです。この状態を【空間的定常 spatial stationarity】と言います。結果、コロナ感染の変動メカニズムは、少なくとも第2波の下降局面以降は時間的にも空間的にも不変であると言えます。

つまるところ、いつでもどこでも同じメカニズムで感染が生じていると考えられます。この状態を【時空間的定常 spatio-temporal stationary】と言います。

さて、この時空間的定常はGoToトラベル前後でも不変です。もし、GoToトラベルが感染に有意な影響を与えていたとしたら、現象メカニズムが変わってしまうので、回帰値は開始前後で大きく乱れて誤差が増加するはずです。ところが、GoToトラベル開始(7月22日)の2週間後にも、GoToトラベル東京追加(11月1日)の2週間後にも、GoToトラベル札幌&大阪停止(11月24日)の2週間後にも、GoToトラベル東京&愛知停止(12月14日)の2週間後にも、GoToトラベル全国停止(12月28日)の2週間後にも、緊急事態宣言(1月8日)の2週間後にも顕著な回帰誤差の変化は認められません。つまり、日本全国どこでもコロナの感染において、気象の有意な影響は認められますが、GoToトラベルや緊急事態宣言の有意な影響は認められません。感染の増減の主たる要因は、国民の気の緩みのせいでも政府の失政のせいでもなく、気象のせいである可能性が高いのです。

勿論、西浦博氏がデータを丁寧に観察してGoToトラベルの影響を議論したことは否定すべきことではありません。しかしながら、実効再生産数が日々変化する中で5日間くらいのデータを精緻に分析したところで、マクロな実効再生産数への影響を立証しない限り、実用的な結論を導くのは困難であると考えます。

なお、第2波の上昇局面については、慎重に検討すべきです。陽性者数が少なかったことを差し引いても、この時、新型コロナの感染メカニズムに何らかの変化があった可能性があります。普通に考えれば、ゲノム系統のドラスティックな変化によるものと考えられます(図-13)。

図-13 ゲノムの系統の分析結果(感染研)

第2波の下降局面と第3波で大きな感染メカニズムに大きな変化が認められないことも、この時期にゲノム系統にドラスティックな変化がないことにより説明することが可能です。このことから、気象変化とゲノム系統の変化が新型コロナの感染メカニズムの支配要因である可能性が考えられます。

時空間解析の重要性

感染は時空間にわたる物理現象であり、その現象メカニズムの因果の法則性を把握するにあたっては、時間挙動と空間挙動をそれぞれ定量的に分析することが重要です。基本的に分析の方法には、①空間挙動の解析結果を時系列順に分析する方法(図-15)、②時間挙動の解析結果を空間的に分析する方法(図-16)の2種類があります。

図-15 空間挙動の時系列分析

図-16 時系列挙動の空間分析

このうち私は、①の方法による分析を昨年5月から行ってきました[過去記事]、https://www.youtube.com/embed/-jh4vHM2w_w?enablejsapi=1&origin=https%3A%2F%2Fameblo.jp図-17 東京23区の感染状況の時空間推定結果

そして、現在行っているのは、まさに②の方法です。この2つの方法を融合することこそ、現象の解明に役立つものと考えます。感染拡大防止に使えそうなアイデアを一つ持っています。また別の機会に紹介したいと思います。

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疫学者700人がコロナ禍で「絶対にしない行動」

ワクチン接種が始まってもマスクは必須に

The New York Times

https://toyokeizai.net/articles/-/395385?utm_source=yahoo&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=related

2020/12/14 東洋経済ONLINE

新型コロナウイルスのワクチン配布が近づいているが、専門家の多くは国民の大半の接種が済むまでは、以前の日常が戻るとは考えていない。

疫学者700人を対象としたニューヨーク・タイムズの非公式調査では、最低でも人口の7割が接種を済ませるまでは自らがとっている予防的行動を変えるつもりはない、との回答が約半数を占めた。その一方で3割の専門家は、自らの接種が済んだ後は行動を多少変えると回答した。

元の生活に戻るには「あと何年もかかる」

極めて効果的なワクチンが広く行き渡れば、来年の夏に今より自由な生活様式を安全にスタートさせられるようになる、と回答した疫学者は少数にとどまった。中には「ワクチンの臨床結果は期待できるものだった。2021年の夏までに、あるいは夏の間に以前の生活に戻れると楽観している」(ミシガン州立大学のケリー・ストラッツ助教授)とする回答もあった。

しかし疫学者の大多数は、ワクチン接種が始まったとしても多くの行動を安全に再開できるようになるまでには1年かそれ以上かかり、一部の行動については以前の状態には2度と戻らないかもしれない、と答えている。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校のカリン・ミシェルズ教授は「以前の生活様式をだいたい取り戻す」には、おそらくあと何年もかかると回答した。「私たちはウイルスとともにある生活を受け入れなくてはならない」。

疫学者が懸念しているのは、さまざまな不確定要素だ。ここには免疫の持続期間、ウイルスの変異、ワクチン配布の障壁、ワクチン接種を拒否する人々の動向などが含まれる。

感染悪化が予想される本格的な冬が目前に迫った今、疫学者たちは予防策を徹底し、新たな生活様式を取り入れている。その対策は、一般的なアメリカ人が行っているものよりもはるかに厳しい。

日常生活における23の行動について疫学者に尋ねたところ、過去1カ月間に行ったことがある、との回答が多数を占めた行動は3つしかなかった。屋外で友人と会う、予防策を講じることなく郵便物を受け取る、食品や医薬品の買い出しなどの雑用に出かける、の3つだ。

それ以外の行動については、調査に応じた疫学者はほぼ全面的に避けている。そうした行動の中には多くのアメリカ人が現在行っているものもある。この1カ月間でスポーツ、演劇、コンサートの会場に足を運んだり、よく知らない人と会ったり、結婚式に出席したり葬式に参列したことがある、と回答した専門家はほとんど1人もいなかった。

「知らない人が近くにいると以前よりも不安を覚える。そうした感覚はこれからも続くだろう」(カリフォルニア大学サンフランシスコ校でポスドク研究員を務めるエリコット・マセイ博士)

冬の休暇に「祝い事」はしない

クリスマス、ハヌカーといった冬の休暇の予定については、サンクスギビング(感謝祭)と同様、家族だけで過ごすか、祝い事はしないとする回答が4分の3に達した。

調査票の中で示した一連の行動のうち、どれが最も安全で、どれが最も危険かとの問いに対しても、大方の意見が一致した。屋外での行動や物体の表面に触れることについては、あまり危険視されていない。危険視されているのは、屋内での行動や大規模な集まりだ。ただし危険度のレベルについては、疫学者の間でも見解にばらつきが見られた。

マサチューセッツ大学のリーランド・アッカーソン准教授は「屋内に多くの人が集まるのが、状況としては最も危ない」と回答。「屋外で少人数、かつソーシャルディスタンスを確保して予防策も行えばリスクは最も低くなる」とした。同氏はこの1カ月間で、友人とハイキングに出かけたほか、郵便物を予防策なしに開封し、雑用にも出かけたと答えた。

半年前に行った同様の調査でニューヨーク・タイムズは疫学者に次のような質問を投げかけた。通常の生活を取り戻せるのはいつになるのか——。これに対して疫学者の多くは、日常生活の多くが通常に戻るのには1年かそれ以上かかると答えていた。あれから感染状況はさらに悪化。その一方で治療法は改善してきているため、今回の調査ではパンデミックの中で疫学者の生活様式がどのようなものとなったかに質問の的を絞った。

今回の調査に対し、ミネソタ大学のレイチェル・ウィドーム准教授はこんなコメントを寄せてくれた。「笑うに笑えない。前回調査を受けたときは、アメリカなら世界の先頭に立って問題に素早く対処するだろうと先行きをものすごく楽観していた。前回は、今頃には状況は良くなっていると思うと回答したが、大間違いだった。状況は劇的に悪くなっている」。

感染の速度を大幅に遅らせるか止めるためには、「集団免疫」を達成する必要があるが、この集団免疫については、人口の7割が免疫を獲得しなければ達成されないとする回答が大半を占めた。従来の生活の多くを安全に再開するには集団免疫が極めて重要で、それを安全かつ最速で達成する方法がワクチンの接種だ。ただし、ワクチンを接種した人がウイルスを拡散し続ける可能性については、科学的な解明がまだ終わっていない。

ワクチン接種しても、まだ安心できない

自らがワクチン接種を済ませた後はこれまでよりも多くの日常行動を安心して再開できるようになる、とする回答は全体の3分の1に迫った。それでも安心して行える行動は、同じくワクチンを接種した人との社交など一定のものに限られる、とする回答も見られた。自身がワクチン接種を済ませ、なおかつアメリカで集団免疫が達成されるまではコロナ前の生活様式を復活させない、と答えた専門家も少数ながら存在する。

「変えるのは一部の行動だけ。それ以外は今の状態を維持する」と回答したのは、非営利団体ヘルスパートナーズ・インスティテュートのガブリエラ・ヴァスケス・ベニテス上級研究調査員だ。「自身のワクチン接種が済めば、近場での小旅行に出かけたり、少数の身内と屋内で集まったりするようには多少なると思う。それでもマスク着用やソーシャルディスタンスの確保といった感染対策は続ける」

春の時点と比べて、各種のリスクに対する捉え方が変わり、それに応じて自らの行動を変えた、とする回答は79%に達した。科学は日進月歩する、というのがその理由だ。

リスクの捉え方に関する春からの変化としては、屋外での社交、物の表面に触れること、児童の通学に対する懸念が薄れたとする回答があった。その一方で強まったのが、屋内の空気感染やマスクを着用しないことへの懸念だ。

今回の調査では、アメリカ疫学研究学会の会員と個別の疫学者に電子メールで回答を依頼。調査期間は11月18日〜12月2日で、案内を送付した約8000人の疫学者のうち700人から回答を得た。4分の3が学術機関所属。新型コロナに部分的にでも関連する研究を行っている回答者の割合も、全体の4分の3を占めた。

一般国民に対する感染対策の呼びかけが十分に効果を上げていないこと、またアメリカ国民の間で科学不信が高まっている現状に失望や怒りを感じていると答えた疫学者は多かった。マスク着用や外出規制といった対策が政治のおもちゃにされてしまったことで、悪影響が長期に及ぶことを疫学者は恐れている。

「専門家としても、一個人としても、このウイルスには自らの至らなさを思い知らされた」と、スタンフォード大学のミシェル・オッデン准教授はコメントした。「アメリカという国の対応が、ここまでぶざまなものになるとは夢にも思わなかった。課題は山積している」。

コロナ後に残る「長期的な影響」とは

今後の見通しについては、ワクチンのおかげで来年夏にはどこかの段階で以前の生活を部分的に取り戻せるようになる可能性がある、とする回答も見られた。ただ、極めて効果的な治療薬が開発されない限り、現在の予防策は一定程度維持される必要がある、との回答もあった。大多数の疫学者が今後も必要な措置として言及しているのが、マスクの着用だ。

「公共の場で大人数が密になって集まったり、飛行機などの公共交通を利用したりしたときに(科学者の)私が個人的に安心できるような状態になるまでには、まだ数年かかると思う」(ノースイースタン大学のベス・モルナー准教授)

新型コロナが身体に与える危険性が後退したとしても、ほかの面で長期的な影響が残ると警告する疫学者もいた。

「メンタルヘルス(心の健康)のケアは今後も極めて重要な問題であり続ける」との回答を寄せたのは、ペンシルベニア大学でポスドク研究員を務めるダニエル・ヴェイダー博士だ。「世の中のストレスは高まっている。コロナによって引き起こされた不安や悲しみに、多くの人々が生涯悩まされ続けることになる」という。

(執筆:Margot Sanger-Katz記者、Claire Cain Miller記者、Quoctrung Bui記者)
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