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人々(新型コロナに関連して積極的に発言する方々)

豊田真由子(とよたまゆこ)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B1%8A%E7%94%B0%E7%9C%9F%E7%94%B1%E5%AD%90

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豊田 真由子(とよた まゆこ、1974年10月10日 – )は、日本コメンテーター。元政治家厚生労働官僚学位修士ハーバード大学2002年)。

厚生労働官僚として、金融庁総務企画局課長補佐在ジュネーブ国際機関日本政府代表部一等書記官厚生労働省老健局課長補佐などを務めた後、政界入り。政治家としては、衆議院議員(2期)、内閣府大臣政務官文部科学大臣政務官復興大臣政務官第3次安倍第1次改造内閣)などを歴任したが、2017年8月、秘書への暴言・暴行が報道されたことを受け自由民主党離党し、2017年10月の第48回衆議院議員総選挙に無所属で出馬したが落選。

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ドイツに帰ってやっと分かった「日本のコロナ感染者数が少ない理由」

https://news.yahoo.co.jp/articles/1c2fa64be0dd370c63736b7804a41e4a75c012e6

7/31(金) 6:01配信 現代ビジネス

不気味なほど静かなフライト

写真:現代ビジネス

 7月22日の夜10時半、羽田空港は人影もまばら、お化けが出そうなほどシーンとしていた。新型コロナウイルスの世界的な大流行により当初の予定が狂ってしまい、5ヵ月も日本に滞在していた私は、ようやくこの夜、フランクフルトに向かって発とうとしていた。 【写真】「日本人女性は海外ですごくモテる」の真相  都内では次第に街の活気も戻り、電車の乗客も増え始めていたので、この羽田空港の静けさにはショックを受けた。空港中に緊張感が張り詰めており、コロナの猛威が突然、身に迫ってきた。  チェックインカウンターでは、EUに入れる査証を所持しているかどうか、乗客のパスポートを厳重にチェックしている。入れない人を運んでしまうと、あとで面倒なことになるからだろう。  EUは日本に対して7月1日から門戸を開くはずだったが、それがすぐに取り消されたのは、日本がまだEUからの入国を、例外を除いては認めないからだ。こういう規制は、普通、相互でバランスをとりながらやる。  日本政府は現在、たとえ日本人の帰国であっても、入国の際にはものすごく厳しい規制をかけている。空港から公共交通も使えないし、タクシーすらNG 。誰かに空港まで車で迎えに来てもらえない限り、定められたハイヤーを使うしかない。都内ならまだしも、遠方の場合、その料金は巨額になる。聞くところによると、羽田から都内は1万5千円、成田から都内が3万円だが、羽田から仙台までは15万円だそうだ。  ただ、見方を変えれば、日本は島国であり、水際だけしっかり見張れば、何事もかなり完璧に取り締まれるという利点がある。そして、現在、日本政府はその利点を余りなく使ってコロナ対策をしているという印象を受けた。  私が乗ったのは全日空で、機体はボーイング787。しかし、こちらも乗客より客室乗務員の方が多いのではないかと思うほどガラガラだった。しかも、普段なら、ドイツ人のスタッフが搭乗しているのに、現在は日本人だけ。そして乗務員も乗客も、もちろん飛行中はずっとマスクをしたままだ。  最小限の食事は出たが、いつものように乗務員がお盆に飲み物を乗せて回ってきたり、免税品を売りに来たりということもない。夜間飛行なので、離陸後はさっさと消灯、終始一貫、話し声さえ聞こえない不気味なほど静かなフライトだった。  いずれにしても、この乗客数で採算が取れるはずはない。だからといって、コロナが下火になる気配も感じられず、航空業界はこの先、いったいどうなってしまうのかと暗澹たる気持ちになった。

ドイツのPCR検査数は週100万件

〔PHOTO〕gettyimages

 EUでは、EU圏内での移動の自由をほぼ戻したが、圏外からの入国は制限されている。だから現在、原則として、現地での滞在許可を持っている人しか入れない。  フランクフルト空港に着くと、早朝だったせいもあるが、やはりこれまで見たことのないほど空いていた。旅券審査は行列もなくスムーズで、荷物の受け取り場所では、あっという間にスーツケースが出てきた。  本来なら、現在、帰国者は管轄の役所に届けて、14日間、自宅に滞在するようにと言われているが、日本はコロナ危険国に指定されていないため、厳しく監視されることはない。ただ、空港ですぐにPCR検査をすることも可能で、それが陰性なら、あとは何の制約もなくなる。  私はこれをオンラインで申し込んであったので、すぐに空港内の検査場で済ませた。5時間ほどするとケータイに結果が送られてきて、一応「無罪放免」。一番簡単なテストが59ユーロ(7000円強)である。  日本では、ドイツは検査数が多いから良いという人がたくさんいる。私も以前はそう思っていたが、今は、私はこの説には与しない。  もちろん、検査で陽性だった人が、自分は発症してなくても自宅に待機し、感染を広げないという効果はあるだろうが、しかし、今日は陰性でも、明日感染するかもしれないのだ。つまり、一度、陰性だったからといって、その状態が保証されるわけではない。その上PCR検査では、陽性でも、結果が正しく陽性と出る確立はたったの7割だという。  それでも、ドイツは検査数の多さが自慢のようで、今やその数は一週間で100万件近くにのぼっている。  濃厚接触者はもちろんだが、たいていの人は、心配だから、無料だから、という理由で調べてもらう。その結果、陽性の人は、症状がなければ自宅待機。一方、陰性だった人は、自分はもう大丈夫と、以後の注意が散漫になっているような気もする。  いずれにしても、このPCRバブルで空前の利益を上げているのが、検査キットのメーカーと検査を請け負っている会社だろう。

夏のバカンスシーズンに向けて

〔PHOTO〕gettyimages

 現在のEUのコロナ感染状況はというと、ここ10日ぐらいで、また急増し始めている。  バルセロナなどを含むスペイン北部や、オーストリアの観光地などで感染者が増えており、イギリスはスペインからの入国者(帰国者)全員に14日間の自宅待機を命じるという事態に至っている。観光が大きな収入源となっているスペインの悩みは大きい。  ドイツも感染者は増加傾向で、第一波が収まった後は、長らく1日の新規感染者数が300~600人辺りで推移していたが、現在、800人などという日も出てきた。  あれだけ検査して、この数で収まっているのは立派といえば立派だが、一方では、検査をどれだけ多くしても、感染拡大防止にはあまり役に立たない証拠とも言える。  ドイツのこれまでのコロナ感染者数は21.8万人。コロナ関連の死者は9200人超。日本はドイツの1.5倍の人口があるが、感染者数は3.3万人、死者は1000人ほどだ。その上、日本は去年と比べて、死者全体の数もさほど増えていない。それに比べてEUでは、今年前半の死者数が、例年より16万件も増えた。  検査による感染者数は、検査自体の件数や、やり方でかなり変わってくるので比較しにくいが、全体の死者数が例年と比べてどうなっているかという数字は、各国のコロナの実態を一番的確に表しているのではないかと思う。  いずれにしても、現在、EUにおいて、収まっていたはずのコロナが再び猛威をふるい始めているのは、夏のバカンスシーズンに向けて、EU圏内での移動を自由にしたためだ。  つまり、感染者数の増加はある程度、想定済みだったとはいえ、歯止めが効かなくなったら困る。とはいえ、観光業の活性化は多くの国にとって死活問題なので、ブレーキはかけたくない。文字通り、抜き差しならない状況だ。  そこで、観光や移動を阻害せず、新たな感染拡大を防ぐ方法を模索したドイツ政府は、外国でのバカンスから帰ってきた人たち全員に、空港や港で無料のPCR検査を実施することを決めた。現在、その経費を誰が持つかで、国、州、地方自治体が意見をまとめている。  ただ、無料にすることに反対の意見もある。現実として、バカンス地では、特に若者たちがソーシャルディスタンスを守らず、超三密で夜な夜なパーティーで盛り上がっている映像が流れる。彼らの乱痴気騒ぎの後始末を、なぜ、税金でしなければならないのか。自分たちの責任でやれ、というわけで、もちろん一理ある。

日本の感染者数が少ない理由

〔PHOTO〕gettyimages

 さて、ドイツに戻ってきてそろそろ1週間経つが、最後にその感想。  ドイツ人は、非常事態宣言が敷かれていた4月ごろこそ、皆、極度に神経質になっていたようだが、現在はもう、あまり気にかけている様子が見えない。  店のレジのところにはアクリル板が設置され、店内や交通機関ではマスク着用が義務付けられているものの、日本人のように、マスクの外側にはウイルスがくっついているかもしれないから外すときは紐をつかんで捨てろとか、そのままテーブルの上に置くなとか、手で目や鼻や口を触るなとか、家へ帰ったらすぐに手を洗えとか、うがいをしろとか、そんなことをちゃんと実行しているようには全然見えない。  私は、東京にいた間は、東京は“ゆるゆるだ”と思い込んでいたが、ドイツはもっと“ゆるゆる”だった。というか、ウイルスに対する意識が異なる。警戒感も少ない。  日本にいる間、なぜ、日本がある程度、感染防止に成功しているのかが解せなかったが、ドイツに戻ってきてようやく分かった。日本人は手を洗うし、消毒もするし、うがいもするし、何よりもマスクの管理が徹底している。  現在、ドイツでは、感染予防に一番効果的なのは、ソーシャルディスタンスとマスクであると言われ始めている。  コロナに関する話は、何が本当で、何が希望的観測か、よくわからないところもあるが、しかし、一つだけ確かなのは、ドイツ人のマスク歴はたったの3ヵ月。日本は、少なくとも50年だ。  ドイツの普通の人たちは、マスクの効果などさほど信じている様子がないし、どちらかというと今でもバカにしている。お店に入るとき、持っていない人に、自分の付けていたマスクを貸してあげている人も見た。日本人なら卒倒しそうなシーンだ。  それに比べて、日本人はこの蒸し暑いのに、まあ仕方がないかと思って、戸外でもマスクを着用する。ひょっとしたら、本当にこの差が、感染者数の差になって表れただけなのかもしれないと、私は思い始めている。

川口 マーン 惠美(作家)

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布マスク配布の延期検討 介護施設向け8000万枚 厚労省

https://news.yahoo.co.jp/articles/ea63bab98399cc7773d8768091e7cc0855872d7a

7/29(水) 22:55配信 時事通信社

 新型コロナウイルス対策のため、政府が介護施設などに配る布マスク約8000万枚について、配布開始の延期が検討されていることが29日、厚生労働省への取材で分かった。  月末を予定していたが、品薄状況が改善し配布は不要との指摘も出ていた。時期は未定という。  同省は介護施設や障害者施設などを対象に、9月中の配布完了を目指していた。布マスクはこれまでに2回、計約6000万枚の配布がほぼ完了。さらに約8000万枚を配り、職員や利用者ら1人当たり7枚が行き渡り、事業が終わる予定だった。  同省によると、介護施設向けの配布事業の契約総額は約247億円。一方、6月に完了した全世帯向けは約260億円だった。家庭に届くのに時間を要した上、一部に汚れが見つかる問題が起き、批判が出ていた。 

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日本人の3割が「コロナ感染」という新説 消える抗体、ワクチン不可能は本当か

https://news.yahoo.co.jp/articles/13a3ced31611ccda24254862a519c7197ee77b64

7/30(木) 5:57配信 デイリー新潮

 7月25日の東京都内のコロナ感染者は295人と、5日連続の200人超を記録している。本誌(「週刊新潮」)は7月23日号で、大阪大学核物理研究センター長、中野貴志教授が考案した「K値」の計算にもとづき、今回の感染は7月9日前後にピークを迎えている、と書いた。

 ところが、新たな波が発生したというのだ。中野教授が説明する。 「K値は感染の拡大と収束のスピードを測るメーター。ボールを投げた瞬間の速度がわかれば、いつ頂点に達し、いつ落ちてくるかわかるのと同じ理屈です。新型コロナの感染でも、投げたボールと同様に減衰するとの仮定にもとづきK値で分析した結果、どの国や地域でも一定の速度で減衰していくのがわかりました。K値で感染初期の拡大率の変化速度を測れば、その後の新規感染者数、ピークや収束時期を予想できます」

8府県の新規感染者数の推移予測

 実際の感染状況だが、 「これまで日本には中国由来の第1波と、欧米由来の第2波が到来し、第2波の収束後、感染者数ベースで6月22日ごろ、第3波が始まりました。“震源地”は新宿の可能性が高い。先週(※7月第3週)、その感染者数のピークを7月9日ごろと予測しましたが、その前に新しい波が始まっていた。大阪モデルの黄信号到来を機にK値をモニターし、その推移から第4波の到来を確信しました。立ち上がりは7月6日ごろで、第3波との違いは感染拡大規模と地域。感染者数は掲載の表の8府県で4倍です。ただし、首都圏中心だった第3波に対し、第4波は全国に散らばっている。ピークは7月末にきます」  ただし、波は必ず減衰するので、「指数関数的に増えることはない」と、中野教授は強調するが、東京都には苦言を呈する。 「第4波の発生で、第3波の震源地である東京都が原因を究明しなければ、ほかの都市は防ぎきれないことが示されました。単なる感染者数などのマクロな数字だけでなく、だれがいつどこでどう感染した可能性が高いか、という時系列の情報や、リンク不明の追跡結果といった情報を出さなければ、どこでどう広がったかわかりません」

3カ月で抗体が消えた? 

新型コロナウイルスの全体像

 ところで、抗体への不安も浮上している。たとえばロンドン大学は、感染後に抗体ができても数カ月で減退しうる、との観察結果を発表した。感染を公表した音楽事務所代表の「ふあんくん」(39)も言うのだ。 「PCR検査で陽性と判明したのは4月5日。18日に退院後、5月22日、抗体検査を受けると、長期のIgG抗体は陽性でしたが、短期のIgM抗体は陰性でした。6月30日にも受けると、今度はどちらも陰性だったので、7月11日にも受けましたが、やはり陰性。たった3カ月で抗体が消え、再感染が不安です」  これほど短期間で抗体が消えるのでは、たとえワクチンが開発されても効果がないということだろうか。 「新型コロナが目、鼻、口の粘膜から入って多少増殖しても、そこで鎮圧されれば抗体は誘導されませんが、生体は免疫反応を起こしています。これを自然免疫と言い、さまざまな病原体をパターン認識し、抗ウイルス物質を誘導します。抗体検査をしても抗体を持っている人が少ないのは、自然免疫で治る人が多いからだと考えられます」  京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授の話である。 「抗体は、(白血球の一種の)マクロファージが働き、(免疫細胞の)T細胞がB細胞に指示を出して作られます。ただし抗体ができても、平時は無駄なので、B細胞はリンパ節などに戻る。またウイルスが来たらB細胞が血液中に出てきて、抗体を作りはじめます。ですから抗体検査の陽性率が低いだけで、抗体ができていないと考えるのは誤りです」  そうであれば、ワクチンへの期待は抱き続けてもいいはずである。

死亡者は最大3800人

 国際医療福祉大学大学院の高橋泰教授(公衆衛生学)の話にも、耳を傾けたい。 「厚労省が6月に行った抗体検査で、東京の陽性率は0・1%。ロンドンやNYの100分の1以下でした。これを感染症予防の教科書的にとらえると、東京での対策は予防の観点からは成功したが、抗体保有者が稀なので、今後の流行で死者が増える可能性がある、となる。でも、日本の死者は千人以下にとどまっています。私たちの研究チームは、新型コロナは毒性が弱く、生体が抗体を出すほどの外敵ではないと判断し、自然免疫で処理できていると考えた。その場合は無症状か軽い風邪のような症状で、夜の街でPCR検査を拡大すると陽性者が大勢出ることも、この仮説で説明がつきます」  やはり、多くの場合は抗体が出るまでもない、というのだ。さらには、 「欧米のようなロックダウンをしていない日本で、新型コロナに暴露(さらされること)した人が極端に少ないとは考えにくい。自然免疫で治っているから抗体ができない、と考えるのが自然です。そこで全国の暴露者数を、年代別患者数の実数値、抗体陽性率推計値などを使って推計したところ、5月10日までの暴露者数は30~45%という結論に達しました。国民の3割は暴露したと考えられ、内訳を7段階に分けました。自然免疫で対応できた98%がステージ1~2。獲得免疫、いわば特定の敵を攻撃する軍隊が出動するのはステージ3以降で、暴露者の2%。うち重症化するごく少数がステージ5、亡くなる方が6。暴露していないステージ0を入れて7段階です。ステージ5以降の重症者は、20代で10万人中5人。70歳以上だと千人中3人程度です」  また、日本の死亡者数が欧米の100分の1にとどまる理由を推察すると、 「体内でウイルスが感染に十分な量に増殖する前に自然免疫で処理され、感染のチェーンが切れやすい。自然免疫が高い理由は、BCGの国による接種状況の差も考えられます」  そして、高橋教授の仮説にもとづくと、 「死亡者はどんなに広がっても3800人。10万人中3人です。一方、過去の景気悪化では、自殺者が10万人当たり8人増えています。新型コロナで3人亡くなるのを防ぐために死者を8人増やすのか、という話です。重症者がゼロに近い30歳未満でオンライン授業にするなども、意味があるとは思えず、どこかで方向転換が必要です。また、次の波がきたら真っ先にすべきは、PCR検査ではなくウイルスの遺伝子解析。毒性が変異によって強まる可能性もあるからで、変異していないとわかれば、98%は自然免疫で治る病気として対応すればよくなります」  新型コロナを取り巻く状況を、高橋教授は「木を見て森を見ず」と語った。我々はそろそろ、このウイルスへの立ち向かい方を改める時期にきていると言えよう。

「週刊新潮」2020年7月30日号 掲載

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焦点:コロナ患者急増、病床削減計画見直しの可能性 政策の矛盾露わに

https://jp.reuters.com/article/japan-coronavirus-hospital-idJPKCN21Y0FZ

2020年4月16日 / 14:15 / ロイター 中川泉 宮崎亜巳

〔東京 16日 ロイター] – 新型コロナウィルス感染者の病床不足が問題となっている中で、厚生労働省がこれまで5年にわたって進めてきた全国の病床削減計画を見直す可能性を視野に入れていることがわかった。政府は昨年秋に、13万床の病床削減を目安として掲げ、病院名のリストも作成。その対象となっていた公立病院はコロナ患者の受け入れを求められており、政策の矛盾を指摘する声が出ている。

<13万床削減要請の衝撃>

昨年10月の政府の経済財政諮問会議。「来年9月までに、まず公的・公立病院の見直しを出していただく」ーー加藤勝信厚生労働相は全国の自治体を対象に、余剰病床の削減計画を提出するよう要請。民間議員からも「官民合わせて過剰となる約13万床の病床の削減が必要だ」とする提言が行われた。

これらは昨年6月に閣議決定された経済財政の基本方針である「骨太方針」に「地域医療構想」に沿った医療提供体制の効率化と題して盛り込まれたものだ。

同9月には、厚生労働省が公立病院と日本赤十字社などが運営する公的病院の4分の1を上回る424の病院について再編や統合が必要だとして個別の病院名を公表。病床が逼迫している東京都でさえ、国家公務員共済連九段坂、東京都台東区立台東、東京都済生会中央、東京都済生会向島などの各病院が対象として挙げられた。

名指しされた病院のある地域では、地域医療を支えてきた病院の閉鎖や再編に対し住民による反対運動がおこった。それでも政府が病床削減を進めてきたのは、2014年から始まった「地域医療構想」があるからだ。「地域医療構想」は2025年に必要となる病床数を4つの医療機能ごとに推計し、病床の機能分化と連携をすすめ、効率的な医療提供体制を実現する取り組みとされる。

団塊世代が75歳の後期高齢者となる2022年からは医療費が一気に増大し、日本の医療費の加速的な増加が財政を圧迫する姿が見通せる。

医療費の抑制を図り、持続可能な体制を作るため、過去5年程度の間、政府は「地域医療構想」の提出を各都道府県に促してきたが、なかなか進捗しなかった。このため、諮問会議は公立病院を中心に昨年秋から3年間程度を集中期間として、病床再編を進めることを打ち出した。2025年時点で必要なベッド数推計値と現状の病床数の差が13万床だという理屈だ。

日本医療労働組合連合会(医労連)の森田進書記長は、コロナ対応で病床が不足する事態を起こした一因は、国の政策にあると強く批判している。同氏によると、ここ20年間で感染病床は大幅に削減され、1998年に9060床あった感染病床は現在、1869床まで減少している。同氏はロイターに、「本来なら、感染症病床というのは国がきちんと整備しておくべきだと我々は言い続けてきた。ベッドが減少したところでこういう事態になった」と語る。

「21世紀は感染症との闘い」と言われるように、MERS、SARS、新型インフルなど様々な感染症が突然発生する。感染症病室は、普段は稼働率が低くてもいざという場合に運用できるようなシステムは日ごろから必要、というのが医労連の立場だ。「国は医療費抑制、効率性ばかりを追求している」(森田しのぶ委員長)と指摘する。

<コロナ発生で再検討>

ところが、新型コロナウイルスの発生により病床をめぐる事態は急変する。厚労省は3月4日付の医政局長通知で、3月末までとなっていた病床削減計画の提出期限の延期を認めた。

通達では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため政府がイベントなどの自粛を求めていることなどを理由に、地域医療構想における具体的対応方針の再検証等の期限について「改めて整理」するとしている。

すでにコロナ感染者は、感染症病床や結核病床だけでなく、一般病床を埋め始めている。コロナ対策病床の稼働率は14日現在、107%の稼働率(出所:一般社団法人 日本呼吸療法医学会 公益社団法人 日本臨床工学技士会)。

実際に国が緊急事態宣言を発表した7日以降、都内の東大病院や日大病院、東邦大学病院は、患者の病状に影響を与えない範囲で診療機能を一時的に縮小すると発表した。他の病院でも入院・外来診療を制限する動きが広がっている。

このため、削減計画をいったん停止せざるをえない状況が生まれたとみられる。

厚労省の期限延期の決定について、全国自治体病院協議会の小熊豊会長は3月18日の記者会見で、「今この騒ぎだから、柔軟にやっていただけるものと思っている」と、延期は当然との見解を示した。

厚労省医政局はロイターの取材に対し、「病床削減計画を全面的に取りやめるということではない」としつつ、「コロナ患者入院の状況からみて、再検討が必要かと思っている」とし、国の病床削減計画を見直す可能性を示唆した。

<経営の壁>

経済協力機構(OECD)は19年版の「Reviews of Public Health」でパンデミック発生となれば、予算も人口も減少していく日本で、その受け入れ余力や専門知識などの対応能力には課題があると指摘している。

一方、医療機関としては、感染症が発生していない平時から、常に感染症病床を一定数維持することは経営的に困難との声もある。

私立大学病院に長く勤務していた国立病院の医師は「基本的に、病床は常に95%以上埋まっていないと病院の経営は成り立たない。感染症対策に空き病床を備えることは理想かもしれないが、病床の数に伴い感染症に対応できる医師・看護師を同時に備えて登録する必要があり、感染症が発生していない時にそうした余剰の医師を維持することは非現実的」と述べた。

近年、増加傾向にある自然災害に伴う感染症リスクや、数年ごとに起こる世界的大流行など、感染症との新たな闘いを見据えなくてはならない中、病院の経営課題や国の医療費抑制といった問題とどう向き合っていくのか。難しい課題がまた一つ浮き彫りとなっている。

グラフ作成:照井裕子 編集:石田仁志私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」

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感染症ニュース 関連知識

京大研究者が明言「再自粛不要論」 欧米より圧倒的に低い日本の死亡率…この差は「集団免疫」で説明できる 抗体検査には“盲点”も

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200728/dom2007280005-n1.html

2020.7.28 夕刊フジ

 日本の新型コロナウイルス感染による死者数や死亡率が欧米より圧倒的に少ない理由について、夕刊フジでは5月に「日本人はすでに集団免疫を獲得している」という研究グループの仮説を報じた。その後、国内の抗体保有率が低いという調査結果や、抗体が短期間で消えるとする海外の報告も出てきたが、研究グループは「集団免疫理論を覆すものではない」と強調する。東京都を中心に全国で感染者が再び増えているが、「自粛は不要」とも明言した。

 京都大学大学院医学研究科の上久保靖彦特定教授と順天堂大の奥村康(こう)特任教授(免疫学)は27日、記者会見を開き、このところ感染者数が増加しているが、「3週間経過しても死者数は横ばいだ」とし、感染者の増加はPCR検査数の増大と相関しているとの見解を示した。

 米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、27日現在の日本国内の死者は998人(人口100万人あたり7・9人)。米国の14万6935人(同448・3人)、英国の4万5837人(同689・9人)と比べると、死者数、死亡率ともに大幅に低い。

 この差を「集団免疫」で説明できるというのが、上久保氏と吉備国際大学(岡山県)の高橋淳教授らの研究グループだ。研究によると、新型コロナウイルスは「S型」「K型」「G型」の3タイプに大別される。感染しても無症状から軽症が多い「S型」は昨年10~12月ごろに世界に拡散し、同じく無症状から軽症が多い「K型」は今年1月ごろをピークに日本に侵入した。やや遅れて「G型」が中国・武漢で拡散、さらに上海で変異したG型が欧米にも広がったとしている。

 これらは鳥インフルエンザ対策のために設立された国際イニシアチブ「GISAID」や、現在の日本のパンデミック(世界的大流行)の状況により立証されているという。

 武漢が1月23日にロックダウン(都市封鎖)されたことを受け、欧米各国は2月上旬に中国全土からの入国制限を行った。しかし、「すでに広がっていたS型はG型の致死率を上げる特徴がある」(上久保氏)ことから多数の死者が出た。

 これに対し、日本が入国制限を中国全土に強化したのは3月9日と遅れた。その間に日本国内で広がっていたK型のウイルスは、「G型に対する獲得免疫を有する」(同)ことから、結果的に集団免疫が確立したという説だ。

 仮説を立てるうえで、上久保氏らが着目したのが、新型コロナウイルスに感染すると、インフルエンザに感染しなくなる「ウイルス干渉」という現象だった。「体内に入ったウイルスにより活性化されたサイトカイン(免疫系細胞から分泌されるタンパク質)の反応が出るために、同時に他のウイルスの感染も妨げられる」と説明する。

 昨年10月から今年1月のインフルエンザの流行の波が前年の同じ時期より小さくなっていたといい、ここでS型やK型のウイルスが広がっていたと上久保氏はみる。

 その後、仮説と一見矛盾するような調査結果も出てきた。集団免疫が確立しているということは80~90%の人が抗体を持っているはずだが、厚生労働省が実施した抗体保有調査では、東京の抗体保有率は0・10%、大阪が0・17%、宮城が0・03%と極めて低かった。

 これについて上久保氏は、抗体検査の問題点を指摘する。検査キットには、カットオフ値(陽性・陰性の境を決める基準)が人為的に設定されるが、「新型コロナウイルスのように無症状が多い場合、カットオフ値は明らかに有症状の人の高い抗体値に合わせているため、基準が高く設定されすぎて抗体を持っていても陰性と出る可能性が高い」と話す。

 海外でも抗体の研究が進んでいるが、英ロンドン大キングス・カレッジの追跡調査では、ウイルス感染後、抗体ができて回復した場合でも、抗体による免疫は数カ月以内に減退する可能性があると指摘された。

 抗体が短期間で失われてしまうのなら、集団免疫ができないのではないか。上久保氏は「既感染の状態では抗体が減衰することが多く、抗体があっても抗体検査で出てこない可能性が高い」と述べる。

 ■京大研究者・上久保氏「非科学を横行させるな」

 「再感染」と免疫の関係について上久保氏は東京・新宿のホストクラブなどのPCR集団検査で陽性が相次いだ事例を引き合いに、こう説明する。

 「既感染者(免疫を獲得済み)ののどや、体内に再びウイルスが入ったところで、たまたま集団検査などでPCR検査が行われたと考えられる。抗体が減衰していても免疫が記憶されており、再度ウイルスが入ると、速やかにウイルスに対してその免疫が反応し、ウイルスを排除する。また、免疫細胞が廃れかけた場合は再度ウイルスが曝露(=ウイルスにさらされること)することで、むしろ免疫にエンジンがかかるブースター効果というものがある」

 これが事実なら、PCR検査を増やせば増やすだけ、感染者数が増えても、日本では欧米のように死者が急増する可能性は低いということになる。

 「今年に入って半日ぐらい熱っぽいと感じたことがある人は、そのときに新型コロナウイルスに曝露していてもおかしくない。何日も曝露していれば、それだけの日数で微熱や、のどの痛みなどを感じる」という上久保氏。7月に入り、東京都内では連日3ケタの新規感染者が確認され、都は警戒レベルを4段階で最高の「感染が拡大していると思われる」に引き上げた。再度、緊急事態宣言を出すべきだとの声もあるが、上久保氏はこれに反対の立場だ。

 「免疫が形成されるまでに複数回の接種を要するワクチンがあるように、新型コロナウイルスに対する免疫を維持するには、ウイルスと生活していかなければならない。もともとコロナウイルスとはともに暮らしてきた。今から急に始まるわけではない。再度自粛すれば、かえってその機会が失われかねない。『3密』や換気など非科学的な話ばかりだ。すべてを真摯(しんし)に検証すべきだ。私は自分が間違っていたら、間違いは素直に認める。しかし、非科学は絶対に横行させてはならない」

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新型コロナ対策関連法改正の論点

https://news.yahoo.co.jp/articles/de6aa0e3207fcbd542537f68ec6ef843402d9836/images/000

8/2(日) 7:13配信 時事通信
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罰則付き休業要請「あり得る」 西村再生相インタビュー

https://news.yahoo.co.jp/articles/a15d12791bf208ece7a2861777717e85c2610417

8/2(日) 7:13配信 時事通信社

 西村康稔経済再生担当相は1日までに時事通信のインタビューに応じた。  新型コロナウイルス対策の特別措置法改正に関し、休業要請・指示に従わない場合の措置として「命令や罰則の新設はあり得る」と明言した。主なやりとりは次の通り。 【グラフ】主な産業の休業者数  ―特措法に基づく調整で苦労した点は。  この法律は初めて使ったため、国と自治体の役割をどう当てはめるか相場がなかった。4月に東京都が検討していた休業要請は「ロックダウン」の言葉通り、幅広い業種を対象にしていたが、生活に必要な業種もあるので時間をかけて調整した。  小池知事は「社長と思っていたら天の声が聞こえた」と言ったが、私からすれば「法律の声」だ。休業要請は私権制限を伴うことを頭に置き、執行の責任者として対応してきた。  緊急事態宣言の発令や解除は私に説明責任がある。休業要請をどの業種に出すかは知事の権限なので、説明責任をしっかり果たしてほしい。  ―特措法などの改正を検討するか。  内閣法制局とも話している。早い方がいいものもあれば、落ち着いて議論すべきものもある。(別種の感染症が将来流行した場合にも)特措法を使える道があっていい。落ち着いて検討すべきだ。  他方、休業命令や罰則は検討を急ぎ、改正するかどうか考えたい。  国と自治体の関係も整理すれば、相当いろんな議論になる。今やれば余計に混乱する。各知事が適切に判断できるようにするのが私の仕事だ。  ―休業要請と補償のセットは。  実態から言えば、事実上の補償は既にやっている。持続化給付金や雇用調整助成金、地方創生臨時交付金でかなりの部分をカバーできている。(法律に明記するのは)技術的に難しいし、世界の主要国でも例がない。  ―感染症対策の「司令塔」の必要は。  最高司令官は安倍晋三首相で、その下の連絡会議に私と加藤勝信厚生労働相、菅義偉官房長官が出席している。意思疎通は図れている。米疾病対策センター(CDC)の日本版創設という議論もあるが、米国の対策が本当にうまくいっているのか。国立感染症研究所の強化は大きな課題だ。  世界に冠たる日本の保健所で予算や人員が不十分になっている。思い切って拡充し、リアルタイムで国と都道府県、市区町村が情報共有できる仕組みをつくることは待ったなしだ。 

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コロナ第2波到来?感染を防ぐため「買い物」で注意したい12のこと

https://news.yahoo.co.jp/articles/b92d429e45b0ec2508d7b2970d58029a6708dc59

7/29(水) 7:01配信 現代ビジネス

「第2波」の到来が取り沙汰されている、新型コロナウイルス。不要不急の外出は控えていても、食料品、日用品を購入するために、スーパーやコンビニへ行くことは、生活するうえで避けられないだろう。ではそのとき、私たちはどんなことに注意すればよいのか? 著書『感染症専門医が普段やっている感染症自衛マニュアル』を刊行した佐藤昭裕医師に、注意点を教えてもらった。 ———- 【写真】第2波に注意!日本人が見落としがちな「手洗い」の意外な落とし穴

意外に感染しやすい「トング」

 曜日や時間帯によっては、スーパーも「三密」に近い空間になりがちです。  「マスク着用」を基本として、スーパーで飛沫感染、接触感染のリスクを低減するために、いくつか実践していただきたいことがあります。  まず、夫婦や子ども連れで買い物をする人は多いと思いますが、スーパーが混み合っていたら、「入店するのは1人」にしてください。  複数人で入店すると、単純に店内の人数が多くなりますし、つい一緒にいる人と、あれこれ相談しながら買い物をすることで、滞在時間も長くなりがちです。  混雑を避けるために、まず外から店内の状況を確認し、混み合っていたら、1人だけが入店する。これを、スーパーを訪れる人みんなが実践すれば、「密集」「密接」を避けることができます。  入り口にアルコール消毒液があれば、お店に入るときと出るときの両方で、必ず手指を消毒しましょう。入るときに手指衛生をする理由は、店内にウイルスを持ち込まないため、出るときは店内からウイルスを持ち出さないためです。  何を買おうかと考えるときは、つい、手で顔に触れがちですが、ここでも手で顔を触れないように気をつけてください。  スーパーで感染源になりそうなのは、お惣菜などをつかむときに使うトングだと思われます。商品やかごよりも触る人が多いと考えられますし、実際にクルーズ船やビュッフェなどではトングを介したと思われる感染事例がありました。  できるだけパックに入ったお惣菜を選ぶ、あるいはトングを使ったら顔は触らないようにして、店を出るときにアルコール消毒、もしくは手を洗うことを心がけてください。  店内でかごやカート、トングなどを触ったとしても、店を出る際にアルコールで手指衛生を行ない、それまでに顔などを触れていない限り、感染リスクはほぼありません。お店側としても、できるだけお惣菜などは個包装にするなどの工夫ができるとよいと思います。

商品を家に持ち込むときは

 なかには、買った商品に、細菌やウイルスが付着している可能性を不安に思っている方もいらっしゃるかもしれません。最大限に万全を期するならば、買ってきたものを一つひとつ洗浄、もしくは消毒する、自宅の保存容器に入れ替えるなどの対策になります。  医師が手術のときに行なう「無菌操作」を応用した例として、欧米の医師が作成した動画では、  ・人が触った可能性があるパッケージなどを、そのまま家で保存しなければならないもの(飲み物、調味料、アイスクリームなど)……パッケージをアルコールで除菌  ・外箱や袋に入っているもの……外箱や袋を捨て、中身を皿・保存容器、ジップロックなどの保存袋に入れて保存  ・むき出しで売られていた果物……洗って保存(自分の手を洗うのと同じくらい丁寧に)  ・調理品……中身が包装に触れないように気をつけながら自宅の食器に移すというものでした。  ただし、本当にそこまでの対策をとったほうがいいかどうかは、状況によって異なります。たとえば、新型コロナウイルスは、日本を含むアジア諸国以上に、欧米で猛威をふるっていました。そのような状況下では、「とりうる対策はすべてとる」という判断が必要になり、買ってきたものを、一つひとつアルコール消毒するという対策も合理的といえます。  また、高齢者や、がん、糖尿病といった深刻な病気を抱えている人、免疫機能が落ちている人など、感染症の重症化リスクが高い人が同居している場合は、買ってきたものを洗浄、消毒するというのも、対策の1つと考えていいでしょう。  しかし、そもそも「新型コロナウイルスが食べ物を介して感染した」という確実な症例は、まだ報告されていないのです。口に入れるものですから、食べ物を介した感染も、もちろん、ありうることです。ただ、すでに起こっていたとしても、感染経路が不明な人の、さらにわずかな割合の人に当てはまる程度と考えられます。  したがって、感染者数、死者数ともに爆発的に増えている、といった状況でない限りは、神経質になる必要はないでしょう。  そもそも野菜や果物などは調理前や食べる前に洗うのが普通でしょうし、お肉や魚なども加熱して食べることが大半だと思います。その他、お刺身などはできればさくで買って自分で切る、袋や箱に入ったお菓子類や乾物類などはすぐにお皿やジップロックなどに移すなどの対策だけでも充分でしょう。

覚えておきたい12のポイント

 感染症の対策は、細菌、ウイルスの特性によっては、長期間にわたって行なわなくてはなりません。対策は万全であるに越したことはありませんが、それによって実践するほうが疲弊してしまっては、本末転倒です。やることが多すぎると、最も重要な手洗い、ソーシャル・ディスタンスといった基本が、おろそかになる恐れもあります。  どこまで徹底するかは、世の中の情勢や個々の状況から判断するという発想も大切なのです。  さて、以上の点を含め、スーパーなどで買い物をする際に気をつけたいことは、次のとおりです。

———- まとめ ———-  

・スーパーが混み合っているときは、1人で入店する。  

・滞在時間を短くするために、買うものをあらかじめ決めておく。  

・マスクをして入店する。  

・入店時に、手をアルコール消毒する(店内に細菌、ウイルスを持ち込まないため)。  

・無闇に商品に触れない。「一度手にとったら棚に戻さない」くらいのつもりで、手にとって品定めするのは最低限に抑える。  

・店内では、手で顔に触れないように気をつける(店内で利用するカゴやカート、商品には、他者の飛沫が付着している可能性があるため)。  

・共用のトングでとるものは避け、パックされたものを選ぶ。  

・レジの列に並ぶときは、前の人から約2メートルの距離をとる。  

・会計はキャッシュレス決済にする(不特定多数が触れた現金に触れないため)。  

・セルフレジが設置されている場合は、利用する(店員との接触を減らすため)。  

・店を出るときにも、手をアルコール消毒する(店内でいろいろなものに触れた手をリセットするため)。  

・重症化リスクの高い人と同居しているなど、もし気になる場合は、買ってきたものを一つひとつ洗浄(もしくは消毒)したり、パッケージから自宅の保存容器に移したりする。

佐藤 昭裕(KARADA内科クリニック院長)

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高齢者の巣ごもりにご注意! 「生活不活発」はコロナ感染の重症化リスクにも

https://news.yahoo.co.jp/articles/5198d82baa31a0f76b2b6538df4998ca708d3b68

7/23(木) 20:11配信 ヨミドクター

街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー

 ヨミドクターをご覧のみなさま、サービス介助士インストラクターの冨樫正義です。「街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー」として、約2年間、連載を続けてまいりました。そして今、新型コロナウイルス感染症の拡大により、「新しい生活様式」が求められていることから、今後は「新しい生活様式でのダイバーシティー(多様性理解)」を主眼とした内容を随時掲載していこうと考えています。引き続きお付き合いの程、よろしくお願いいたします。

感染を恐れて動かなくなると…

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 さて、今回は「高齢者と感染症」をテーマにお話しします。  新型コロナウイルス感染症では、比較的、軽症者や無症状者が多い一方で、高齢者や基礎疾患のある人が重症化しやすい傾向にあります。これには、「加齢による免疫力の低下や生活習慣病が関係しているのでは」と言われています。高齢者は特に、自身の命を守るためにも、マスクの着用と手洗いの徹底、人が多く集まる場所を避けることなどの感染予防策が必要です。  しかし、感染を恐れて外出を避け、いわゆる「巣ごもりの状況」が長く続くと、高齢者には「生活不活発」による健康への影響が懸念されます。生活不活発とは、動かない状態が続くことにより心身の機能が低下し、ついには「動けなくなる」ことをいいます。身体機能のみならず、認知機能の低下も表れやすくなるのです。  この悪循環の状態は「フレイル(虚弱化)」とも呼ばれます。これは、英語で老衰や虚弱を意味する「Frailty(フレイルティー)」をもとに日本老年医学会が考案した言葉です。詳しく言えば、「加齢とともに心身の活力(たとえば筋力や認知機能等)が低下し、生活機能障害、要介護状態、そして死亡などの危険性が高くなった状態」となります。  高齢者にとってフレイルは、身体の回復力や免疫力の低下にもつながります。そのため、感染症にかかった際に重症化しやすくなると言われています。つまり、感染を恐れるあまり、生活不活発の状態になると、反対に感染に弱くなってしまう心配があるのです。

「3密」を避けた生活も重要だが

 フレイルの診断基準には、<1>体重減少、<2>疲労感、<3>筋力の低下、<4>歩行スピードの低下、<5>身体活動量の低下……という五つの項目があり、このうち三つ以上の項目に当てはまる場合にフレイルと診断されます。また、1項目か2項目に当てはまる場合は、フレイルの前段階である「プレフレイル」と見なされることがあります。  多くの高齢者が、健康な状態から中間的な段階(フレイル)を経て、徐々に要介護状態になっていきます。つまり、「生活不活発」により、フレイルが進み、心身や脳の機能が低下するのです。新型コロナウイルスに感染しないためには「3密(密閉、密集、密接)」を避けた生活も重要ですが、その一方で、動かない時間を減らし、自宅でもできるちょっとした運動を心がけ、フレイルを予防することも、高齢者にとっては大切なのです。

冨樫正義(とがし・まさよし)

冨樫正義

 1973年、埼玉県生まれ。桜美林大学大学院卒(老年学研究科修士号)。日本サッカー協会 施設委員。法律事務所、不動産関係会社、人事コンサルタント、専門学校講師を経て、現在、サービス介助士、防災介助士、認知症介助士などを認定・運営する団体「公益財団法人日本ケアフィット共育機構」(0120‐0610‐64)のインストラクターとして、年間50社以上の企業対象研修を担当するほか、企業のバリアフリー・ユニバーサルデザインのコンサルティングも行う。