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ワクチン 感染症ニュース

都内感染20~30代が過半数 英イングランドでも40歳未満8割

https://news.yahoo.co.jp/articles/d5f4faf7c931c2da2f535881c93f2a41eb13dfdb

2021/6/26(土) 21:16配信 産経新聞

東京都内の新型コロナウイルス感染者のうち、20代と30代の割合が6月に入って過半数となっていることが都の公表データで分かった。月ごとで半数を超えるのは昨年8月以来。60代以上は減少傾向で、社会の中で活動的な若年層への感染が顕著な状況だ。重症化しやすい高齢者に感染を広げる可能性が指摘される中、ワクチンの集団接種で若者を優先する自治体も出ている。 東京都の公表データを月ごとに年代別で集計したところ、20代は第3波ピーク後の2月に全体の19・0%(2091人)だったが、6月は25日時点で30・5%(3214人)を占めている。30代も4月以降、増加傾向で、6月は19・8%(2089人)となった。 6月は20代と30代で50・3%(計5303人)となり、第2波だった昨年8月(58・1%、計4720人)以来、10カ月ぶりに半数を超えた。一方で、60代以上の割合は2月に29・3%(計3218人)となってから減少傾向で、6月は9・9%(計1040人)となっている。 厚生労働省に対策を助言する専門家組織は23日の会合で、「若い人を中心に都心部から感染が広がっている」と、リバウンド(感染再拡大)への懸念を示した。 都内では緊急事態宣言から蔓延防止等重点措置に移行し飲食店での酒類の提供などが緩和された。主要繁華街の人出は宣言解除後、増加に転じており、高齢者へのワクチン接種は途上で、若年層からの感染拡大が医療の逼迫を引き起こす可能性もある。 こうした状況の中、ワクチンの接種体制を見直す自治体もあり、新宿区はワクチンの集団接種で、59歳以下は20、30代を他の世代より優先する方針を決定。吉住健一区長は病院関係者から、「若年者の接種を進めないと感染者は減らない」と助言を受けたという。 一方で、若年層は重症化しにくいという理解が広まっているほか、副反応への警戒感から、接種に慎重な若者も少なくない。 政府の新型コロナ対策分科会メンバーで東邦大の舘田一博教授(感染症学)は「新型コロナウイルスの流行は長期間に及んでおり、若者への感染対策の訴求には限界がある。ワクチンの有効性は極めて高く、重大な副反応の頻度も低い。リスクよりもベネフィット(利益)が大きいということを理解してもらい、早期の接種につなげていくことが大切だ」と指摘した。 イングランドでも若年層の割合高く 若年層での感染拡大は英国でもみられる。英政府の発表データによると、英イングランドで、6月1~17日の新規感染者のうち、8割近くを40歳未満が占めている。感染拡大のピークを迎えた1月には、40歳未満は全体の5割程度だった。 英政府は新型コロナウイルスのインド型変異株の感染拡大を受け、6月21日に計画していたイングランドの都市封鎖(ロックダウン)の規制解除を4週間延期する決定をした。インド株が新規感染者の約9割を占め、ワクチン未接種の若者が感染し、学校で広まったとみられる。 感染者数は1月がピークだったが、10~20代の割合は増加。英政府発表のデータを月ごとに年代別で集計したところ、イングランドでは1月、10代が8・0%(8万6145人)、20代が18・8%(20万2961人)だったが、6月(17日時点)には10代、20代ともに10ポイント以上割合が増えた。40歳未満が全体の8割近くを占めている。

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対策 感染症ニュース

塩野義の国産ワクチン 年明け6千万人分供給可能

https://news.yahoo.co.jp/articles/599e924869a8e0422e976f933d39f92d578dc9e1

2021/6/26(土) 16:42 産経新聞

塩野義製薬が開発中の新型コロナウイルスワクチンを生産・供給できる量が、来年1月から年間最大6千万人分へ倍増することが26日、分かった。これまで「3千万人」としていた。手代木(てしろぎ)功社長が産経新聞のインタビューで明らかにし、「国産ワクチンを安定的に供給したい」と述べた。 塩野義のワクチンは現在、第1、2段階の臨床試験(治験)を国内で行っている。ワクチンの効き目などから供給量を拡大できる見通しになったという。さらに治験を進めて確認する。 同社は提携先である医薬品製造会社「ユニジェン」の岐阜県池田町の工場で生産設備を整備中。これまで年内に3千万人分のワクチンの生産体制を整えるとしていた。 また手代木氏は、最終段階の大規模な治験について「アフリカや東南アジアでの実施に向けて調整中」と明らかにした。 塩野義は国内でも千例規模の治験を検討している。これを踏まえ、一定の条件を満たせば承認を受けられる国の「条件付き早期承認制度」が適用されれば「年内の実用化が可能」としているが、並行して最終段階の大規模な治験を世界の流行地域で実施する。 塩野義のワクチンは「遺伝子組み換えタンパクワクチン」と呼ばれる。新型コロナの遺伝子の一部を基に昆虫細胞でタンパク質を培養して作る。すでにインフルエンザワクチンなどで実績がある技術だ。

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感染症ニュース

東京で感染リバウンドの予兆 切り札はワクチン接種

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2021/6/24(木) 20:35配信 産経新聞

緊急事態宣言の最終日となった20日以降、東京都内では新型コロナウイルスの新規感染者が前週に比べ増加している。23日には5月28日以来の600人台となった。都は24日、感染状況を分析するモニタリング会議を開催。専門家からは「感染再拡大(リバウンド)の予兆が見られる」との懸念が示された。東京五輪開幕まで1カ月を切った中、都はワクチン接種の加速を柱に、リバウンドを押さえ込む構えだ。 繁華街で人出増 小池百合子知事が静養に入ってから初めて開催されたモニタリング会議。代理を務める多羅尾光睦(たらお・みつちか)副知事は「今が正念場だ」と強調しつつ、「組織として今までと変わらずコロナ対策に万全を期す」と述べた。 会議では、7日間平均の新規感染者数が418人(23日時点)となり、前回16日時点の376人から増加したことが示された。5月中旬以来、約1カ月半ぶりに増加に転じた上、繁華街では人出が増えているとのデータもあり、リバウンドの予兆が見られると結論付けられた。 都医学総合研究所社会健康医学研究センターの西田淳志センター長は会議後の取材で、主要繁華街での滞留人口が「前回(2度目)の緊急事態宣言前の水準に近くなっている」と説明。今後2週間ほどでどの程度人の流れを減らせるかが重要とした。 年末年始の感染第3波では、7日間平均の新規感染者数が今回同様の400人前後で3週間ほど推移した後、感染が拡大した。会議では、都内感染者のうち、インドで最初に確認された「デルタ株」が約8%を占め、前週の約3%から上昇したことも報告された。国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長はこうした経緯を踏まえ「感染性の高い変異株の影響もあり、第3波を超える急激な感染拡大の可能性がある」と危機感を示す。 五輪本番までに これ以上のリバウンドを防ぐ切り札として、都はワクチン接種を加速させる方針だ。政府のデータによると、これまでに2回目のワクチン接種を終えた都民は少なくとも約99万人。都の人口約1400万人の約7%に相当する。 「イスラエルのデータをみると、ワクチンの1回目接種が人口の40%を超えると(感染者数は)下がる。2回目接種が40%を超えるとさらに減る」。東京iCDC専門家ボードの座長で、東北医科薬科大の賀来満夫特任教授は会議後にこう説明した上で、「接種割合が40%くらいになるのは、感染状況が落ち着くひとつの目安になるのではないか」と語った。 都内では市区町村の会場や職場、大学などで接種が進む。都は7月中に大規模接種会場を約10カ所開設する予定だが、さらに十数カ所増設する方向で場所や打ち手などを調整中だ。7月末までに都民の30%弱が2回目の接種を済ませることを目指している。 「小池知事がよく言うように、ワクチンはこの状況の〝ゲームチェンジャー〟だ。五輪本番までにワクチン接種を加速させ、何とかリバウンドから逃げ切りたい」。都幹部はこう語った。

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感染症ニュース

RSウイルス患者 過去最多 乳幼児中心に流行 重症化も

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2021/6/25(金) 6:46配信 FNNプライムオンライン

乳幼児を中心に流行するRSウイルスの患者数が、東京都で急増し、過去最多となった。 都内では、4月半ばからRSウイルス患者が急増し、14日の週に入り、都内の医療機関に報告された患者数は、調査が始まった2003年以降、過去最多となった。 RSウイルスは、風邪に似た症状で、多くの場合は軽症だが、感染力は強く、1歳未満の乳児の場合、重症化するおそれもある。

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対策 感染症ニュース

コロナ新治療薬「ソトロビマブ」は死亡率を85%低減 発症リスク抑制の「抗体カクテル療法」にも期待

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2021/6/25(金) 5:57 デイリー新潮

 菅総理はワクチン接種が、目標の「1日100万回を超えた」と豪語する。もっとも、80万回程度ではないか、と疑問視する声もあるが、1日80万回を続けられれば、五輪までには全国民の3割弱への接種が完了し、高齢者の多くが接種を終えることになる。 【写真3枚】この記事の写真を見る

 続けて、全国民への接種を「11月までに完了」という約束も、菅総理には守ってほしいが、本当に安心できるようになるには、治療薬の充実が欠かせない。  そこにひとつ、朗報が届いた。厚生労働省が製薬4社7品目に対して、新型コロナ用の治療薬を開発するために、国内での臨床試験の費用などを補助すると決めたのである。厚労省健康局結核感染症課の担当者が説明する。 「この“新型コロナウイルス感染症治療薬の実用化のための支援事業”は、今年3月に公募したもので、各製薬会社から治験業者への委託費用や、薬事申請のための書類作成等にかかる費用を補助します。各製薬会社が提出した希望額の試算をもとに、交付基準額を決定し、4社合わせて20億円程度が支払われることになりました。応募があった10件につき、学術的な観点から見て製品化される見込みがどの程度あるか、当該製薬会社に、その治療薬を事業として供給する能力があるか、といった点から評価委員会が評価し、7件が採択されました」  では、実用化に向けたスケジュールはどうか。 「令和3年度末(2022年3月)の事業終了から半年以内で、薬事申請を目指すことが条件です。万が一、それができなければ、交付したお金を返還していただきます。現在、多くの製薬会社が治療薬の開発を進めていますが、日本で薬事申請をしていただかなければ、国内で流通しません。治療薬として使える薬を日本国内に早期に供給する、というのがこの事業の趣旨。経口で服用でき軽症者の重症化を防げる薬など、有効性が証明された選択肢が増えるのはいいことなので、しっかりと後押ししたいと考えています」  副反応を恐れて慎重になりすぎ、認可を渋って助かる人も助からなくなる、という厚労省の悪弊が、少しでも解消されるなら、歓迎すべきだろう。  ところで、事業の対象になった7品目のうち、小野薬品のカモスタットの開発中止が、6月11日に発表された。厚労省の担当者は、 「ほかにも採択されながら、開発に行き詰っている製薬会社がある、という話も入ってきています」  と話すが、取材に自信満々に応じてくれた製薬会社のものは、おそらく大丈夫ではなかろうか。そのひとつ、英グラクソ・スミスクライン(GSK)の日本法人の広報担当によると、 「厚労省の支援対象となったのは、ソトロビマブとオチリマブ。ともに静脈注射型のモノクローナル抗体医薬品です。ソトロビマブは米ヴィア・バイオテクノロジー社との共同開発で、軽症から中等症で重症化リスクが高い患者の入院または死亡リスクを、85%低減して重症化を防ぐ、とのデータが出ています。医療機関の負担を軽減させるためにも、重症化を防ぐ薬の意義は深いと考えます。イン・ビトロ(試験管内の)試験では、変異株にも効果を示すという結果が出ています。米国での緊急使用に加え、5月21日にはEUが承認勧告し、現在、EU加盟各国で承認に向けたプロセスが進行中です」  片や、オチリマブは、 「関節リウマチの治療薬として開発していた医薬品で、現在はCOVID-19重症患者の、呼吸不全を低減できる治療薬として開発が進んでいます。特に70歳以上で、かつ肺疾患等のリスクを抱えた重症患者の、さらなる重症化防止という有益性に着目し、現在、日本でも、第III相臨床試験を行っています」  気になる日本での実用化は、厚労省の定めた今年度末から半年以内の薬事申請、という条件が守られるのは当然として、特にアメリカで承認されているソトロビマブは、一刻も早い特例承認が望まれる。

軽症者向け治療薬への期待

 続いて、中外製薬広報IR部の話である。 「支援を受ける薬は2品目。一つ目は抗体カクテル療法とよばれ、カシリビマブとイムデビマブという二つのウイルス中和抗体を注射で投与する医薬品で、米リジェネロン社が創製し、私どもの戦略提携先のロシュ社が導入しました。すでにアメリカでは緊急使用許可を取得しています。この薬は最後の第III相臨床試験の結果が出ていて、一つには、新型コロナウイルス感染者に投与することで、入院または死亡リスクを70%、および71%低下させました。入院していない段階の患者さんが重症化するリスクが7割減少したわけです。二つ目は、予防のための臨床試験で、過去4日以内に陽性だと判定された人と同居し、まだ感染していない人に投与したところ、発症リスクが81%減少しました」  この薬の今後は、 「抗体カクテル療法は海外で開発が先行し、日本からは第III相臨床試験に参加していません。そこで、日本では3月から第I相臨床試験を開始しており、問題がなければ、21年中に承認申請する予定です」  とのことだが、中外製薬ももう1品目、支援の対象になっている。 「まだ名称がない、AT-527と呼ばれる軽症から中等症向け経口薬です。米アテア社が創製、ロシュ社が共同で開発し、最終臨床試験は始まっていますが、まだ結果が出ていません」  これまでに数多くのコロナ患者を診てきた、東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授は、 「現在、日本で新型コロナ治療薬として承認されている薬は、レムデシビル、デキサメタゾン、バリシチニブの三つで、中等症から重症で入院している患者さんに用います。レムデシビルは中等症以上で使い、デキサメタゾンは、酸素治療が必要になった患者の死亡率改善が認められている。バリシチニブもレムデシビルとの併用で、症状回復までの期間を短縮させ、酸素治療が必要になってからの段階で一番効いています」  こう説明したうえで、今後必要とされる治療薬について、期待を述べる。 「新型コロナの場合、一番多いのは軽症の患者さんで、重症になると患者さんの予後にかかわり、医療機関にも負担がかかる。軽症の方が軽症のまま治れば、感染者数は同じでも、医療機関への負担は軽減します。その点で、いま求められる治療薬は、軽症の方に投与して入院せずにすむ薬や、濃厚接触者やクラスター追跡で見つかった、症状が出ていない感染者の症状が出ないようにする薬です」  GSKのソトロビマブや、中外製薬の抗体カクテル療法の特徴と、見事に重なるのである。あらためて厚労省には、一刻も早い特例承認を求めたい。

経口薬がほしい

 また、寺嶋教授は軽症者に投与する薬について、 「早い段階で簡単に使用できるように、経口薬がいい。現状、入院しないと治療に取りかかれず、施設療養や自宅療養時に、重症化しないようにとじっと待つのは、患者さんには心細い」  と語る。中外製薬のAT-527の開発が順調に進むことを念じないではいられない。寺嶋教授が続ける。 「変異株の観点からも治療薬は大事。ワクチンはいまのところよい効果が出ていますが、ウイルスが変異すると効果が影響を受ける可能性があります。一方、治療薬は比較的、変異の影響を受けにくい。ウイルスが細胞に侵入する際にくっつく突起、すなわちSタンパクの変異は、ワクチンの効果に影響することがありますが、逆にSタンパクをターゲットにした治療薬でなければ、その変異が起きても同様の効果が得られます。それに新型コロナの各段階に効く薬があれば、さまざまに組み合わせられる。それができるのも治療薬の強みなので、ワクチンだけに頼るのではなく、治療薬との両輪作戦が必要です」  やはり多くのコロナ患者を治療してきた、浜松医療センター感染症管理特別顧問の矢野邦夫医師も言う。 「一番多い患者さんは、肺炎になりかかりくらいの人で、そういう人が肺炎にならないようにしたい。そのためにもウイルスが増殖する前に、できれば経口で投与でき、ウイルスの増殖を抑える薬がほしいです。インフルエンザには、ウイルスの増殖を抑える薬としてタミフルがありますが、そういう薬が新型コロナに対してもできてほしい。今回の厚労省の補助金は、そうした薬を開発する助けになるでしょう」  そして、こう加える。 「多くの人が新型コロナを怖がっていますが、タミフルのような薬が出てきてインフルエンザと近いと思えれば、普通の生活に戻りやすいと思います」  しかし、実は、すでに日本には、効果が期待できる軽症者向けの経口薬がある。本誌(「週刊新潮」)で何度か取り上げたイベルメクチンである。兵庫県尼崎市にある長尾クリニックの長尾和宏院長は、 「中等度II、すなわち酸素飽和度が93%以下の患者さんに、在宅酸素およびステロイドとともに“三種の神器”と称して処方しています。自宅療養中の症状の悪化を防ぐために、自宅療養が始まる時点でイベルメクチンを渡し、私が指示したタイミングで飲むように伝えます。1日1回、3~4錠を飲むだけなので、日付の感覚が失われている一人暮らしの認知症患者にも適しています」  と話す。ただしコロナ用には認可されていないので、長尾院長は自身で責任を負い、患者から口頭でインフォームド・コンセントを得て使用しているという。  厚労省の支援を得て治療薬の開発が順調に進み、一日も早く認可されることを強く望みたい。同時に、イベルメクチンのような日本発の既存薬の有効活用を希望せずにはいられない。 「週刊新潮」2021年6月24日号 掲載

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感染症ニュース 社会問題

コロナワクチンで若者に心筋炎 「ごくまれ」と米CDC

https://news.yahoo.co.jp/articles/403596a72110fa64f34f08cd1528ca26b3697d8c

2021/6/24(木) 9:00 朝日新聞デジタル

 米疾病対策センター(CDC)は23日、新型コロナウイルスのワクチン接種後、心臓に炎症が起きる「心筋炎」や「心膜炎」が副反応として特に若い世代で起きているというデータを公表した。ただ、極めてまれで、すでに多くが回復していることから、12歳以上の接種を強く推奨し続けるとした。 【データで見るコロナワクチン】日本の接種状況は? 都道府県の状況も一目でわかる  米国では12歳以上がワクチンの接種対象で、全体ではすでに3億回以上が接種されている。CDCによると、「メッセンジャーRNA(mRNA)」という遺伝物質を使うファイザー製とモデルナ製を接種後、心筋炎や心膜炎が起きた人が今月11日までに約1200人いたことが確認できたという。特に20代以下の男性で多く、2回目の接種後で目立った。  29歳以下の323人について経過を調べたところ、309人が入院。295人は既に退院した一方、9人がまだ治療を受けていて、このうち2人が集中治療室に入っていたという。  分析結果を受け、CDCや米保健福祉省、米国小児科学会などは連名で「副反応は極めてまれで、若い世代ではほとんどが軽い症状だ。ワクチンを打たないリスクの方がはるかに大きい」とする声明を出した。  ワクチン接種後の心臓の炎症について海外で報告があることから、若い世代への接種が今後本格化する日本でも、専門家らが状況を注視している。日本小児科学会は今月にまとめた見解で、子どもへのワクチン接種は感染予防策として「意義がある」としたうえで、副反応の説明を入念にするように求めている。  心筋炎や心膜炎は、新型コロナウイルス感染症の合併症としても報告されている。  米医師会雑誌(JAMA Cardiology)の報告によると、新型コロナに感染した米国のアスリート(平均年齢19歳)1597人の心血管検査をしたところ、2・3%にあたる37人に軽度または無症状の心筋炎が確認された。若い世代では、コロナ感染で軽症・無症状の心筋炎を発症する恐れがあり、その頻度はワクチン接種後よりも高いことが示唆された。  日本循環器学会は、「ワクチン接種により感染・重症化予防を図るメリットのほうが、接種後の急性心筋炎・心膜炎に対する懸念よりも圧倒的に大きい」との見解を出している。(熊井洋美、ワシントン=合田禄)

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感染症ニュース 社会問題

「開業医に治療を拒否できないように」 日本一コロナ患者を診た「町医者」が語る日本医師会の問題

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2021/6/17(木) 5:56配信 デイリー新潮

 コロナ対応で孤軍奮闘する町医者は、コロナは人災だと断じる。専門家の代表は開会まで40日を切った五輪について、「普通はない」と発言する。たしかに、いまはのっぴきならぬ状況も、ワクチン接種がこのペースで進めば、開会式当日には景色は大きく違っていそうで――。 【写真15枚】“噂の女性”と中川会長の密会デート現場写真  ***

〈新型コロナの日本の感染状況を「さざ波」と表現した内閣官房参与(当時)は、「医療従事者の前で言えるのか」などと猛批判されたが、おそらく日本で一番多くコロナ患者を診てきた、兵庫県尼崎市の長尾クリニックの長尾和宏院長も、実は同様の表現を用いる。〉  コロナは人災です。日本は諸外国とくらべて感染者数も死者数も少なく、あえて言いますが、日本のコロナは「さざ波」でした。だから死亡者を限りなくゼロに近く抑えられたのに、政府と日本医師会は、その有利な条件を活かすどころか、悪い方向に持って行ってしまいました。 〈長尾院長がそう語ることができるのは、昨春から「町医者」として発熱外来に対応し、コロナ患者を治療し、ワクチンを接種しながら、コロナによる死亡者をゼロに留め、約100人のスタッフから感染者を一人も出していないからである。〉

 私のコロナ対策の基本はがん対策と同様で、早期診断と早期治療。町医者に使える酸素、ステロイド、イベルメクチンなどで対応し、重症化しそうな人を感染症指定病院で受け入れてもらうために、保健所に入院の必要性を訴えてきました。 〈日本では日本医師会の会員たる「町医者」の大半がコロナ患者を診ない。それなのに医療機関の8割超が町医者を中心とした民間病院だから、感染者数が少なくても、医療はすぐに逼迫する。だが、町医者の多くが長尾院長のようなら、コロナは本当に「さざ波」ですんだのではないか。長尾院長は「日本医師会には開業医に、コロナ治療を拒否しないように言ってほしい」と訴えるが、事実、長尾クリニックの1年余りの取り組みを振り返れば、日本のコロナが「人災」である理由も浮かび上がるはずである。〉  うちで患者さんが初めて陽性と判定されたのは、昨年4月3日。その日のうちに外にテントを張って「発熱外来」を開設し、それから430日近く、ほとんど毎日、コロナ患者さんを診てきました。

 第1波から、ほとんどの人が入院できず自宅療養となったので、診断した患者さん全員に私の携帯電話番号を教え、24時間体制でフォローアップしました。尼崎が感染多発地帯になった第2波でも、同様の取り組みを続けました。当初から「コロナは自宅療養が基本になる」という考えがあったからです。8割が軽症なので、喫煙や肥満など重症化因子をもつ2割の人を重点的に診て、血中酸素飽和度が下がりそうなら速やかに保健所を通じ、感染症指定病院につなげる。もっとも、新型コロナは指定感染症なので、現実は簡単ではありません。重症化の兆しが見えても病院に直接連絡できず、保健所を通さないといけないからです。  一番大変だったのは年末年始の第3波で、ほとんどの開業医や一般病院が発熱患者を診ないなか、保健所が「年中無休の長尾クリニックに行け」と指示し、患者さんが集まってきました。ピーク時は1日40人が発熱外来を訪れ、陽性率も40%以上に。その多くが入院できず自宅療養となったので、24時間体制でフォローしました。対面診療を希望する患者さんには、ドライブスルー診療を実施。一時は裏の駐車場がコロナ病棟のようになりました。また患者宅に往診し、在宅酸素を導入し、薬を配りました。

保健所の介入で重症化

 このGWの第4波でも大量の自宅療養者が発生。往診して酸素飽和度を測っては、保健所に入院が必要だと伝えました。しかし、すぐには入院できないから、酸素飽和度が93%を切っていれば在宅酸素を手配し、ステロイド薬「デカドロン」を処方し、その場でイベルメクチンを飲んでもらう。GW中もそうやって、患者さんの家を駆けずり回りました。  発熱外来やドライブスルー診療は僕以外の医師も担当しますが、自宅療養者のフォローは感染リスクが高く24時間体制なので、私一人で対応し、気づけば日本一コロナを診た医師かも知れず、おかげで多くのノウハウが蓄積されました。コロナ対応は、発熱外来での抗原検査やPCR検査を用いた診断に始まり、採血やCTによる重症度の評価、治療、自宅療養者の管理と続きます。9割以上の開業医が、最初の発熱対応すら拒否するなか、僕は1年3カ月、フルコースでやってきました。  こうして話すとコロナだけ診ているように思われがちですが、私たちは多様な生活習慣病やがん、認知症などの患者さんを毎日150人ほど、通常外来で診ています。また、約600人の在宅患者さんに24時間対応し、年間約160人のお看取りがあります。 〈膨大な業務は、感染の恐怖と戦いながら現場で働く看護師に支えられている。また、長尾院長はコロナの後遺症外来も開設したが、受診中の60代の女性が言う。 「5月に感染しましたが症状がなく、下旬から仕事を再開。ところが倦怠感で起き上がれなくなり、近所の発熱外来を訪れても後遺症は診られないと断られ、保健所も、10日間の隔離は終わっているのでなにもできないと言う。藁にもすがる思いで長尾先生に頼みました」  長尾院長は、狭いホテルに閉じ込められたストレスで、線維筋痛症になりかけたと診る。運動もできないままテレビから不安を煽る情報を一方的に受け、交感神経が常に優位になるなどした結果、免疫機能が崩れたのだという。しかし、それが無視される現実――。〉

 みな日本のコロナ医療に怒っています。発熱は診てもらえず、入院できず、後遺症も診てくれない。本来なら日本医師会が町医者に、困っている患者さんを診るように指示すべきではないでしょうか。 〈そう訴える根拠を、さらに掘り下げてもらう。〉  重症化を防ぐために重要なのは、すでに述べたように早期の診断と治療。ところがそれを開業医が拒否したため、放置された患者さんが難民化しました。診断でも、多くの患者さんが自宅療養を余儀なくされ、その数は大阪府で1万人以上、兵庫県でも3千人以上におよびました。  それなら大半が軽症か無症状というこの病気の特性から、自宅療養を基本としたほうが合理的です。その場合、各患者に主治医をつけ、毎日テレビ電話で診断する。重症化の兆しが見えたらすぐ入院できるようにする。現状のように不透明な入院配分ではなく、医師同士がホットラインで直接情報交換したうえで、トリアージを行うべきです。

 現状、感染者はみな保健所が管理しているため、入院できたころには治っているというバカげたことが起きる。隔離することが仕事である保健所が、医療機関のように振る舞うので、早期対応できれば軽症ですんだ人が重症化してからの入院になり、人工呼吸器やECMOが必要になる。医療逼迫、医療崩壊が起こるのも同じ理由であって、保健所から医療機能を分離させる必要があります。  障壁となる保健所の介入をなくすためにも、政府は現在の指定感染症2類相当を、インフルエンザと同じ5類にしてほしい。こうした問題は第1波のときから明らかなのに、だれも声を上げないのは本当におかしいと思います。 〈さる患者は自宅療養中、保健所から、薬なしで平熱に戻ったのかを確認したいからと、長尾院長処方の薬の服用をやめるように求められ、従ったところ体調が悪化したという。「保健所が医療行為に口をはさむ現実がある」(長尾院長)のである。〉

町医者がコロナの防波堤に

 未知の感染症のため、最初は多くの医療機関が発熱患者の診療を拒みましたが、1年たってもそれが続いています。火を怖がって火事の現場に行かない消防士と同じでありえない。それでも日医は国民に「家にいてください」と命令するだけ。かかりつけ医に対する、発熱患者をどう診て自宅療養者をどうフォローすべきかというメッセージは、これまでゼロです。

 尼崎ほか全国に、市町村医師会と保健所の連携モデルがあるのに、「自宅療養者と発熱患者を診よう」と会員に呼びかけないのは日医の怠慢。中川俊男会長の責任は重大で、患者を助けようというメッセージを発しないのは、自分が医師であることを放棄しているに等しいと思います。  たくさんの医療機関があり、大勢の医師がいるのに、今日もうちの発熱外来に県をまたいで多くの発熱難民が押し寄せる。日医はこの現実を直視すべきです。 〈ところで、長尾クリニックはワクチン接種も行っている。だが、長尾院長は「集団接種をメインにして、日本医師会の中川会長が進める個別接種は、集団接種会場に行けない人などに留めるべきだ」と強く訴える。〉

 うちは3千人、延べ6千回分の予約をとり、5月下旬から打ち始めましたが、すでに2人にアナフィラキシー反応が出ています。通常診療と両立できる1日200人を目標に打っていますが、9時から打つ分を8時から1時間かけて、看護師4人でダブルチェックしながら希釈、吸引等の準備をします。ファイザー社製ワクチンは6時間しかもたないので、この作業を1日4回行います。  こうしてワクチン接種には、調整、受付、問診、接種、誘導、状態観察などに常時20人近く必要で、それを通常診療と両立させなければいけません。打つだけでいいインフルエンザのワクチンとは、ハードルの高さが段違いで、診療所には難しすぎます。中川会長は個別接種ばかり勧めますが、あちこちでミスが起きている。発熱対応をしなかった後ろめたさをワクチン接種で挽回したいなら、より安全で効率的な集団接種への協力を呼びかけるべきなのに、間違いに間違いを重ねています。 〈一方、早期の診断と治療は町医者の役割だというのが、長尾院長の主張である。〉  先述したように、この1年、私はコロナでの死亡を一人も経験しておらず、かかりつけ医がきちんと対応すれば死亡者を限りなくゼロにできる、という思いがあります。コロナで亡くなる方が全国にいるのは、初期対応に課題があるからではないか。最初に対応するかかりつけ医の機能を強化すれば、死亡者をゼロに近づけられるのです。

 感染症指定病院は最後の砦で、そこにできるだけ行かずにすむように防波堤になるのが町医者の役割です。ところが、第4波まで4回も同じことが繰り返されながら、その役割を少しも果たせていません。病床数が足りないと言われていますが、かかりつけ医が早期の診断と治療をしっかり行えば、いまの病床数で十分に足りるはず。町医者が防波堤にならないから、手遅れになった患者が津波のように搬送されてくる。そういう意味でコロナは町医者の問題なのに、町医者の代表たる日医のトップが、間違ったメッセージを出し続けているように思えます。 〈長尾院長は中川会長に、ある医学誌上での対談を2回持ちかけたが、2回とも「緊急事態宣言下だから」という理由で断られたという。長尾院長が言うように「Zoomでも可能なのにおかしな話」だが、中川会長にとってコロナは、政治資金パーティや寿司デートの大切さにくらべれば、取るに足らないのだろう。〉

長尾和宏(ながおかずひろ) 医師。医学博士。医療法人社団裕和会理事長、長尾クリニック院長。公益財団法人日本尊厳死協会副理事長。兵庫県尼崎市にて医師20人、看護師25人をはじめとする計100人体制の医療を年中無休で提供している。単著に『コロナ禍の9割は情報災害』(山と渓谷社)など。 「週刊新潮」2021年6月17日号 掲載

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大学・職域、接種券なくてもOK 作業負荷の心配も

大学・職域、接種券なくてもOK 作業負荷の心配も (msn.com)

2021/06/17 朝日新聞社

 政府や都道府県が運営する大規模接種に市区町村が担う集団接種や個別接種、職場や大学での接種……。新型コロナウイルスワクチンの接種方法が多様化してきた。ただ、接種券の配布状況は自治体によってまちまち。その中で接種券の有無にかかわらず、接種を受けられる仕組みも本格化する。

 16日、神奈川県藤沢市の湘南工科大学。21日から始まる接種を前に、会場となる学内のコミュニティーホールで手順を確認する「リハーサル」をした。医師の糸山祐理事長や看護師、受付や誘導などを担当する職員らが参加。学生役の職員が約2メートルの間隔をあけて一列で座り、打ち手が接種する手順を確認していた。

 2年生の信沢椋平さん(19)は、「こんなに早く打てるなんてびっくりした。接種が終われば、感染に対する心の負担が軽くなると思う。副反応への怖さはあるけれどメリットが上回るので打ちます」。1年生の金子さやさん(18)は「高校3年生の青春をコロナに奪われたから、打った後はあのときの友達と遊びに行きたい。大学の授業でグループワークが増えることも楽しみ」と話した。

 接種ペースを加速させるため、21日から本格的にスタートする大学や企業での接種。従来の自治体が担う接種と異なるのは、自治体が発行する接種券がなくても受けられる点だ。

 接種券は住民の接種履歴の管理に用いる。自治体は接種後に18桁の数字を国の接種記録システム(VRS)に入力している。接種を担う大学では、接種券が配布されていない学生の予診表を学内で保管。接種後に届く接種券を学生らに提出させ、後からVRSに入力するとしている。

 ただ、大学側からは作業の負荷を心配する声も。接種券は住民票の住所に届くので実家などから取り寄せる必要がある学生も一定数おり、提出漏れも起きかねない。届いた接種券のシールを予診票に一つひとつ貼る作業や、数字を読み取って入力する手間もある。

 湘南工科大の担当者は「事務作業が増えそう。ミスがないように、予診表の欄外に学籍番号を書かせてチェックしたい」と語る。

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重症から回復も続く症状…コロナ“後遺症”の実態

重症から回復も続く症状…コロナ“後遺症”の実態 (msn.com)

2021/06/16 23:58 テレ朝NEWS

新型コロナウイルスの後遺症について、16日、新たな発表がありました。日本呼吸器学会と厚生労働省による初めての後遺症調査の中間報告です。それによりますと、症状の重かった中等症以上の患者で、半分以上の人の肺に何らかの異常が残っていたことがわかりました。なぜ、後遺症が残るのか。10カ月にわたる調査に密着しました。

去年3月に救急搬送され、重症と診断された東京都内在住の60代男性は、退院後、後遺症調査に協力しました。

都内在住の60代男性:「コロナ肺炎ということで入院して、3カ月ぐらい意識が全くない。目が覚めたときに、私は天国にいると」

男性は、人工呼吸器とECMOを2カ月以上にわたり装着し、半年近くの入院生活を余儀なくされました。呼吸が安定し、ようやく去年9月に退院。退院後も経過観察を続けてきましたが、3カ月以上経っても、手足のしびれは取れず、酸素ボンベがなければ、日常生活もままなりません。

都内在住の60代男性:「まだ酸素ボンベを背負っているが、表に出るときは、酸素がないと難しい」

日本呼吸器学会と厚労省の調査は、この男性のように症状の重かった中等症以上で、退院から3カ月以上が経過した人を対象に行われました。その結果、353人のうち半数以上の患者の肺に何らかの異常が残っていることがわかりました。

男性を含む感染者の診察・経過観察を統括してきたのは昭和大学病院・相良博典病院長です。

昭和大学病院・相良博典病院長:「やはり肺が結構、壊れていたので、それはコロナウイルスによって起こってきた結果だと思う。今後、重要なのは、なぜ、そのような状況になってしまうのかを見つけないといけない」

さらに、今回の後遺症調査でわかったことがあります。それは、症状が多岐にわたり、しかも長期間続いているということです。全国の病院の入院患者522人のうち、3割以上に疲労感や倦怠感、さらに、睡眠障害、思考力・集中力の低下などの症状が、診断から半年経っても残っていることがわかりました。

なぜ、呼吸器と関係がなさそうな後遺症の症状も出るのか。注目したのは脳です。脳神経内科の二村明徳医師は、こう話します。

昭和大学病院脳神経内科・二村明徳医師:「新型コロナへの感染で、体の炎症とともに脳の中に炎症が起きる。脳の炎症が後遺症として、脳の機能低下をもたらすのではと考えられている」

二村医師の仮説によりますと、体内に侵入したウイルスは、鼻や喉・肺などで炎症を起こします。その炎症が神経や血液を通じて広がり、脳に到達することで、脳の周囲でも炎症を起こしたり、免疫を過剰に活性化させてしまうことがあるといいます。それが後遺症に関係している可能性があるというのです。

昭和大学病院脳神経内科・二村明徳医師:「認知機能・集中力の低下、体の疲れやすさなどがいわれている。脳が疲れやすくなっている状態といえる。コロナにかかる前にできていたことが、できなくなってしまう。記憶力や注意力が低下していることが、逆に社会に戻ったときに、不安やうつを発症させることは両方あると思う。その両方をしっかり調査していく必要がある」

今回の報告にはない重い“後遺症”に苦しむ人もいました。去年4月に感染した東海地方に住む40代男性は、退院から1カ月ほど経ったころ、体に異常が表れました。激しい倦怠感に襲われ、座って話すことさえできない状態になりました。

東海地方在住の40代男性:「急に体調が悪くなって、つらいときは1週間くらい起きることができなくて。重いというか動かない」

男性は地元の病院で、何度も検査を受けましたが、原因はわかりませんでした。後遺症かどうかも不明なまま、いまも日常生活は取り戻せていません。

東海地方在住の40代男性:「つらい症状が襲うと、これが一生続くと思ってしまう。この状態がずっと続くと思うなら死にたいと思って。それとすごく闘った」

いまだに謎が多い後遺症。治療法の確立が、全容解明のカギを握ると相良病院長はいいます。

昭和大学病院・相良博典病院長:「多くの方たちが、後遺症が出ていることを、我々は真摯に受け止めないといけない。例えば、こういう治療法したときに、こういう後遺症が出てきてしまった。それだったら、こういう治療法をした方がよかったのではということがわかってくる。実際に我々の治療法としては、何がいい治療法なのかを見つけていく。そういうところにつながるのではと思う」

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「必死の対応だった」 大阪府幹部が第4波を総括

「必死の対応だった」 大阪府幹部が第4波を総括 (msn.com)

2021/06/16 産経新聞

新型コロナウイルス感染の「第4波」で変異株の猛威に直面した大阪府にとって、3月以降は誤算の連続だった。感染対策を担う藤井睦子健康医療部長は産経新聞のインタビューで、重症者が1カ月以上、確保病床数を上回った危機的状況を念頭に「備えが十分ではなかった」と総括。連日の病床上積みは「必死の対応だった」とし、最大計3500床の病床確保に向けて「医療機関との合意が不可欠だ」と強調した。

3月1日、2度目の緊急事態宣言の解除に合わせ、府は大阪市外の飲食店に対する営業時間短縮要請を終了した。1日当たりの新規感染者は56人だったが、同31日には600人に急増。藤井部長は「要請解除と変異株への置き換わり、年度替わりにおける人流拡大が重なった」と分析する。

3月1日は運用中の重症病床の一部を一般医療に切り替えることを府が容認した日でもある。これに対し、「感染者の急増に対応できなかった」との批判が根強いが、藤井部長は運用病床を減らすかどうかは各病院が決めるとして、「府で定めた基準と病院からの要望を踏まえた通知であり、今でも誤っていないと思う」と明言する。

府は3月31日、蔓延(まんえん)防止等重点措置を政府に要請。措置適用の4月5日から、大阪市内の飲食店に午後8時までの時短を求めた。しかし新規感染者は同13日に千人を突破、その後約3週間にわたり連日千人を超えた。

「重点措置で感染者の急増は止まったが、減少にまで持ち込めなかった影響は大きい」。藤井部長がこう語るのは、医療体制に極限の負荷がかかったためだ。

重症者は4月13日に233人に上り、確保計画の最大病床数224床を超過。5月4日の449人をピークに、重症者が確保病床数を上回る状況は同21日まで続いた。計画外の病床上積みを病院側に要請した当時は「明日の10床、明後日の10床をどうするか考え、必死の対応をしていた」。

同時に「歯がゆさも感じていた」と明かす。医療体制が刻一刻と厳しさを増す一方、重点措置の効果を見極めるために、2週間以上は同措置を継続せざるを得なかったのだ。

結局、府は3度目の緊急事態宣言を要請し、政府は4月25日に発令。3月末の重点措置要請からすでに約1カ月が経過し、対応が後手に回ったのは否めない。藤井部長はこう指摘する。

「経験と想定を上回る事態が起き、医療体制の危機を招いた。第4波の反省と教訓は、400人超の重症者が出たときに受け入れ病床が不足していた、この一点に尽きる」

府は第5波に備え、最大で重症500床、軽症・中等症3千床を目標とする新たな病床確保計画を公表した。担当者が4月下旬から病院側と水面下で意見交換を重ねてまとめたものだ。「病床確保は各病院の事情を踏まえ、議論を積み上げて計画にする作業。トップダウンでやってもうまくいかない。医療機関との合意が欠かせない」と強調した。(吉国在)