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感染すると突如「20歳」老化する!? 新型コロナは「玉手箱ウイルス」 日本医科大北村特任教授が警鐘

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2020.7.31 20:00 iza

 東京都や大阪府、愛知県など全国で感染爆発状態の新型コロナウイルス。これまでは重症者数や死者数が多くないが、日本医科大学特任教授の北村義浩氏(感染症学)は、新型コロナに感染すると約20歳も老化したかのように症状が悪化することから、昔話の浦島太郎になぞらえて「玉手箱ウイルス」と名付け、高齢者に警戒を促している。

 28日の東京の新規感染者数は266人と高止まりし、大阪が155人、愛知が110人で、1日の感染者としては過去最多となった。岐阜県、京都府、沖縄県でも最多を更新した。

 感染者数が増加する一方、東京の同日時点の重症者数は21人。じわじわと増えてはいるが、4月末に100人を超えていたのと比較すると少ないのも事実だ。

 重症者について北村氏は、「『現時点で少ない』というところまでは正しいが、『今後も大丈夫だ』『医療は逼迫(ひっぱく)しない』との見方は認識不足だと思う」と強調する。

 北村氏は「第1波では60歳以上の人の重症化率は15%だったが、現状ではそれよりも低下していると指摘する専門家もいる。陽性確認から重症化までの時期も、以前は1週間から10日だったのが、最近では2週間以上に遅れており、ウイルスの弱毒化や医療の進歩、経験値の上昇を指摘する声もみられる」という。

 それでも死者数や重症者数について「これから増える可能性がある」と北村氏。「東京都でも60歳以上の感染者は7月以降増えており、それぞれ2週間後の8月半ばまでには重症化する人が増加すると想定できる」というのだ。

 やはり懸念されるのが、高齢者の死亡・重症化リスクだという。北村氏は、「20代の健康な若者にすれば『ただの風邪』で終わることもあるが、60歳以上が感染した際の症状の悪化度合いは、突如年齢が20歳高くなるようなイメージだ。『玉手箱ウイルス』といってもいいと思う」と指摘する。

 熊本県では高齢者施設でクラスター(感染者集団)が発生したほか、20~30代の若者が無症状のまま高齢者に感染させる恐れもある。地方自治体は不要不急の外出自粛なども呼びかけるが、政府は緊急事態宣言の再発令には否定的だ。

 感染対策と経済復興は両立できるのか。北村氏は「感染を抑止するには、波が来た瞬間にロックダウン(都市封鎖)するのが一番いいが、経済は疲弊してしまうので両立は難しい。マスクや手洗いだけでなく、接触確認アプリ(COCOA)の活用や検査の充実も重要だ」と述べた。

新型コロナウイルス感染症対策分科会の対応も急務だ。