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コロナ対策「換気」の大敵…網戸もかいくぐる“小さな吸血鬼”「スケベ虫」による被害続出 識者「換気前に防虫剤散布を」

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2020.7.3 20:00 iza

 新型コロナウイルスの感染防止策として有効といわれるのが部屋の換気だが、思わぬ大敵が現れた。鳥取県や鹿児島県で網戸もかいくぐる小型の虫による被害が相次いでいる。「スケベ虫」とも呼ばれるこの害虫は今後、全国的にも発生する可能性があるという。被害に遭わないための対処法を専門家に聞いた。

 被害が相次いでいるのは、ハエ目・ヌカカ科に属する昆虫「ヌカカ」で、蚊のように人や家畜の血を吸う。「干拓虫」や「スケベ虫」とも呼ばれており、体長はわずか1~2ミリで、網戸も簡単に通り抜け、衣服の中に潜り込むこともある。刺されれば強いかゆみがあり、1カ月かゆみが続くこともある。

 鳥取県の米子市や鹿児島県奄美大島、沖縄県久米島などで被害が報告されており、鳥取大と米子市のアンケートでは、「近年、被害を受けたことがあるか」という問いに全体の62%が「被害あり」と回答している。

 同市環境政策課は「昨年や一昨年は被害報告が少ないが、今年は多く報告されている。発生量と被害は比例するので注意が必要だ。かゆくて我慢できないのでかきむしってしまうという報告があるほか、被害は子供や女性に多い」と説明する。

 西日本を中心に被害が報告されているが、ヌカカは全国的に分布しており、発生時期は6月中旬から10月下旬。全国的にこれからピークを迎えることになる。

 スケベ虫の被害を回避する方法はないものか。

 国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室の五箇(ごか)公一室長は「梅雨明けは発生しやすく、河川敷や水田の近くなど水辺に多く発生する。女性や子供に被害が多いのは、成人男性に比べ、露出が多いからだろう。部屋にいるときは防虫剤を散布して中に入れないこと。外出するときは『ディート』と呼ばれる成分の入った虫よけを露出部分にしっかり塗ることだ」と説明する。

 五箇氏によれば、ベランダや網戸付近に防虫剤を散布しても意味はないという。時期が時期だけに小まめな換気を心掛ける人も多いが、換気前には部屋の防虫剤散布を忘れずに。