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米CDC「デルタ株感染のワクチン完了者も他人にうつすリスク」

https://news.yahoo.co.jp/articles/44f134a088b3a7ab27e1dcdec2f229280757a6ae

2021/7/31 TBS NEWS

 新型コロナのワクチン接種を完了した人がインド型変異ウイルスデルタ株に感染した場合、未接種の感染者と同じ程度のウイルス量があり、人にうつす可能性があるとアメリカのCDC=疾病対策センターが警戒を呼びかけました。  CDCの発表によりますと、マサチューセッツ州で今月開催された複数の大規模な集会の後469人の感染が確認され、その74%にあたる346人がワクチン接種を完了していた人でした。このうち274人に症状が現われ、4人が入院しました。デルタ株の感染が多く、127人のウイルスの量はワクチン未接種で感染した人とほぼ同程度だったということです。  この調査結果を受けて、CDCはワクチン接種を完了した人でもデルタ株に感染した場合、他の人にうつす可能性があるとして、接種の有無にかかわらず感染リスクの高い地域の「屋内」の公共施設ではマスク着用を推奨することを決めたとしています。またCDCは、デルタ株に対しても重症化を防ぐためにはワクチン接種が最も重要だと強調しています。(31日15:31)

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デルタ株「ワクチン接種後もうつす可能性」 米CDC

https://news.yahoo.co.jp/articles/64c4d4ed44856b33e012fe8d56c726079618512b

2021/7/31 テレ朝news

 アメリカの保健当局は7月に国内で発生した新型コロナの集団感染を分析し、デルタ株の場合、ワクチンを接種した人もウイルスを感染させる可能性があると明かしました。  アメリカCDC(疾病対策センター)は30日、7月に東部マサチューセッツ州で集団感染が確認された469人のうち、約74%がすでにワクチンの接種を終えていたとする分析結果を公表しました。  CDCのワレンスキー所長は声明で、「デルタ株に感染した場合、ワクチンを接種した人もしていない人と同等にウイルス量が高くなることが明らかになった」「デルタ株に感染したワクチン接種者がウイルスを他の人に感染させる可能性がある」と指摘しています。  この分析結果をもとに、CDCは27日、感染が拡大する地域では屋内でマスクを着用するよう指針を見直しました。  ワクチンについてはデルタ株にも重症化を防ぐ効果があると訴え、早期に接種するよう呼び掛けています。

テレビ朝日

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米国、ワクチン接種完了後もマスクの着用を推奨 2ヶ月で方針転換した背景

https://news.yahoo.co.jp/articles/1d2555a521bf720c0b028b432fe6a51938483607

2021/7/29 Newsweek

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は2021年7月27日、米国内の感染拡大地域を対象に、新型コロナウイルスワクチンの接種を完了した人にも屋内でのマスクの着用を推奨する指針を発表した。学校の教職員や学童・生徒、来訪者も同様に、ワクチン接種の有無にかかわらず、マスクの着用が推奨される。 ●動画:2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開 ■ 「デルタ株」の感染拡大で、2ヶ月で方針転換 CDCでは、5月中旬、「新型コロナウイルスワクチンの接種を完了した人は新型コロナウイルスを他者に感染させづらい」との科学的データを根拠に、ワクチン接種の完了を条件としてマスクの着用は原則不要としていた。 しかし、インドで最初に確認された「デルタ株」の感染拡大を受け、わずか2ヶ月で従来の方針を転換することとなった。 米国ではデルタ株の感染拡大が急速に広がっていることがその理由だ。6月19日には1日の新規感染者数が1万1480人にまで減少したが、7日間平均が7月27日時点で6万人を超えている。7月23日時点で新規感染者のうちの83.2%がデルタ株に感染したと推定されている。 ■ ワクチン接種しても、無症状で他者にウイルスを感染させる CDCのロシェル・ワレンスキー所長は「米国で主流となっているデルタ株はこれまでのウイルスとは異なる」とし、「まれにワクチン接種を完了した人への感染も確認されている」と警鐘を鳴らす。 CDCの調査によれば、ワクチン接種の完了後にデルタ株に感染した人のウイルス量は、ワクチン未接種でデルタ株に感染した人と同等であった。つまり、ワクチン接種を完了した人は、無症状であっても、他者にウイルスを感染させる可能性がある。 一方で、入院患者や重症者、死亡者の大多数はワクチン未接種者だ。CDCの推定によると、新型コロナウイルス感染症の入院患者の約97%はワクチン未接種者で占めている。 ワレンスキー所長は「新型コロナウイルスワクチンはデルタ株の発症リスクを7分の1に低下させ、ワクチン接種を完了すれば、デルタ株による入院リスクや死亡リスクを20分の1に下げられる」とワクチン接種の有効性を示し、ワクチンを接種するよう国民に呼びかけている。 ■ ワクチンのデルタ株への有効性はやや低い 新型コロナウイルスワクチンのデルタ株への有効性は他のウイルス株に比べてやや低いとみられる。イングランド公衆衛生局(PHE)ら、英国の研究チームが7月21日に医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」で発表した研究論文によると、ファイザーの新型コロナウイルスワクチン「BNT162b2」の2回接種後の有効性は、英国で最初に確認された「アルファ株」で93.7%であったのに対し、デルタ株では88.0%にとどまった。 また、アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチン「ChAdOx1 nCoV-19」の2回接種の有効性は、アルファ株で74.5%、デルタ株で67.0%であった。なお、いずれも1回接種後の有効性は極めて低く、デルタ株で30.7%、アルファ株でも48.7%にとどまっている。

松岡由希子

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GoogleとFacebook、出社できるのはワクチン接種者のみに

https://news.yahoo.co.jp/articles/8269e3ba9898d93634a7a863876812857c187e63

2021/7/29 GIZMODO

Appleはワクチン接種については言及なし。 コロナのパンデミックが始まってすぐにアメリカの大手IT企業はリモートワークに切り替えていましたが、ワクチン接種も進み、今度はどうやって従業員をオフィスでの勤務に戻すか計画を練っているところみたいです。GoogleとFacebookは従業員がオフィスへ戻るにあたってはワクチン接種を条件とし、Appleはワクチン接種必須が正しいことか否かを考え中とのこと。

Googleの判断

GoogleのCEOサンダー・ピチャイは従業員に向けたメールで、Googleキャンパス内で働くすべての人がワクチン接種をする必要があると書いています。このルールは北米でまずは開始して、そのあと他の地域でも同じようにオフィスに来るならワクチン必須となっていくようです。でもこれはワクチンの供給がしっかりされている地域でのみのルールとなります。そして健康上の理由などでワクチン接種ができない人も例外として認めるそうです。今のところ10月18日までは在宅勤務をオッケーとして、100%オフィス勤務に戻るまで30日の移行期間を設けるそうです。ただピチャイは急増するデルタ株の懸念も示していて、ワクチン接種は必須としたようです。

Appleは在宅勤務を継続

一方、Appleのティム・クックは9月の始めから週に3日はオフィスに来るようにと従業員言っていましたが、とりあえず在宅勤務の状態を10月まで伸ばすと発表。アメリカのAppleストアでは7月29日からマスク着用での入店を義務付ける予定ですが、店舗で働く従業員のワクチン接種は必須としていません。

これからの大手IT企業の働き方

大手のIT企業はこれから先も出社と在宅の「ハイブリッド」勤務をしていくと見られていて、ピチャイ氏も「これからのワークスタイルはフレキシブルに」と話していて、100%リモートワークの申請や勤務先オフィスの異動なども許可していくとのことです。Facebookのサッカーバーグ氏はこの先5年から10年は従業員の半分はリモートで働いていくことになるだろうと話していますし、マイクロソフト、Twitter、Spotifyも同じくこの先もハイブリッドや永遠にリモートワークでの勤務オッケーと発表していますね。 ワクチンが広がってオフィスに戻れるかと思いきや、デルタ株もがやってきてまた怪しい雲行きに。日本ではいつの間にか出勤する日々に戻っていますが、この先どうなるんでしょう?

岩田リョウコ

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デルタ株、感染したらワクチン接種者でも同じウイルス量 米CDC

https://www.cnn.co.jp/usa/35174615.html

2021.07.31 CNN

(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は30日、新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」に感染した場合、ワクチン接種者の体内でも未接種者とほぼ同量のウイルスを生み出すことを示す研究結果を公表した。

米連邦政府は今週、接種完了者にも屋内でのマスク着用を推奨する指針を出しており、CDCはこの判断の主な動機となったデータを公表した形だ。

専門家によると、ワクチン接種によりそもそも新型コロナに感染する可能性は低減できるものの、感染者となった場合、接種者であっても未接種者と同様にウイルスを拡散する可能性があることが示唆されている。

CDCのワレンスキー所長は声明で、「ウイルス量の多さは感染リスクの高さを示唆する。他の変異株とは異なり、デルタ株に感染したワクチン接種者はこのウイルスを他人に感染させる懸念がある」としている。

研究では、7月にマサチューセッツ州バーンスタブル郡で感染した同州の住民469人を分析した。この中で死者は報告されていない。

約74%に当たる346人はワクチン接種を完了しており、このうち79%が症状を訴えた。遺伝子解析の結果、デルタ株が主な要因だったことが判明した。

ウイルス量については、接種完了者127人とその他の84人(未接種者や接種が完了していない人、あるいは接種状況が不明な人)の間でほぼ同様なことが判明した。ウイルス量は、他人にウイルスをうつす可能性がどの程度あるかを示す代用データとなる。

ワレンスキー氏は27日、感染リスクが「高い」または「相当高い」地域で屋内のマスク着用を再開すべきとの指針を発表した際、こうした研究結果に言及していた。現在、米国民の75%超がこうした地域に居住する。

ワレンスキー氏の30日の声明によると、CDCが指針改定に踏み切った背景には、デルタ株はワクチン接種者の間でも同様のウイルス量を生み出すというこうした「重要な発見」があったという。

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RSウイルス感染急増 昨年の400倍超

https://news.yahoo.co.jp/articles/a67285cf910f9737f7434e122cbbd02e51fc0ef9

2021/7/13(火) 21:19 産経新聞

乳幼児に肺炎を起こす恐れがある「RSウイルス感染症」の患者が異例の早さで増加している。マスク着用や手洗いなどの新型コロナウイルス対策が進んだことで昨年、RSウイルスの流行が抑えられた反動とみられ、専門家は「免疫のない子供たちが今年、一気に感染する可能性がある」と警戒を呼びかけている。 「この時期にこれだけ感染者が増えるのは近年まれだ」。小児科専門の遠隔相談サービス「小児科オンライン」を運営し、東京都内の保育園で園医を務める橋本直也医師はこう話す。 RSウイルスは主に鼻水や発熱、せきの症状が出る呼吸器感染症。飛沫(ひまつ)や接触による感染で、2歳までにほぼ全ての乳幼児がかかり、何度も感染する子もいる。大人や2、3歳以上の子供は軽い風邪のような症状で済むことが多いが、生後6カ月未満や生まれつき心臓に病気のある子供などの場合、重症化しやすく、呼吸困難や肺炎に至ることがある。 国立感染症研究所の集計によると、定点医療機関当たりの6月28~7月4日の感染者数は4・13人で、昨年同時期(0・01人)の約413倍に上る。地域別では三重県(16人)、福井県(12・3人)、和歌山県(10・37人)などが多かった。 平成30年と令和元年は夏ごろから感染が拡大。昨年は年間を通して低調だったが、今年は春ごろから感染者が増え始めている。 新潟大の菖蒲川由郷(しょうぶがわ・ゆうごう)特任教授(公衆衛生学)は「昨年は新型コロナ対策でRSウイルスも流行が抑えられ、結果的に0~1歳児が感染して免疫を獲得する機会が少なかった」と指摘。社会活動が戻りつつある今年、その反動が起きているとの見方を示す。 夏のRSウイルスは高温多湿で流行しやすいとの研究結果があり、今年は西日本や東海地方が平年より早く梅雨入りしたことが影響している可能性もある。 「予防の基本は手洗い。他のウイルスより感染力が強いので、自宅や保育園でも子供がよく触る場所やおもちゃをアルコール消毒することも有効だ」と橋本氏。「ゼーゼー」と呼吸をするなどの重症化のサインがあれば、「夜間でもすぐに医療機関を受診してほしい」と強調した。

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感染症ニュース 社会問題

第5波で増える40代、 50代の重症者…「現場としては結構しんどい」コロナ治療最前線の医師が抱く不安と希望

https://news.yahoo.co.jp/articles/fc126726ce30396ef23b715a308bce3f38832e71

2021/7/15(木) 16:45 BUZZFeeD

新型コロナウイルス感染症の第5波が広がり始めた。政府分科会は7月、8月が「最大の山場」であると発信するが、医療の現場では何が起きているのか。そして、この夏、危惧することとは何か。埼玉医科大学総合医療センターで総合診療内科教授を務め、新型コロナ治療の最前線で治療を続ける岡秀昭さんに聞いた。【BuzzFeed Japan / 千葉雄登】

第5波到達、最前線の今

ーー現在の埼玉医大総合医療センターにおける状況を教えてください。 第5波はすでにこの総合医療センターにも到達しています。現在は中等症以上の方を中心に5名の患者を治療していますが、そのうち4名が40代および50代です。 残り1名は80代で1回目のワクチンを接種済みの方ですが、デルタ株に感染しており、重症化しています。 感染者数全体は10代、20代、30代といった若年層が多い。若い人々が引き続き重症化しにくい一方で、ワクチンの接種が進むことで高齢者の重症者が減り、40代や50代の基礎疾患をお持ちの人の重症者が増えています。 うちの確保病床は重症者用は6床、そしてそれ以外の中等症などのための病床が20床以上あります。 ですから、病床自体にはまだ空きはある。まだまだ空いているので、仮に今日搬送の依頼が複数来たとしても問題なく受け入れることができます。 ですが、入院を必要とする人々が以前よりも若いために変化が見えてきました。 これまでは入院を必要とする患者の多くは高齢者でした。そのため、回復したとしても退院までにはリハビリや転院調整などが必要となることが多く、長い時間を要しました。 しかし、40代、50代の方の場合には入院したとしても、重症でなければ適切な治療を受けて回復することで比較的スムーズに退院していきます。ですから、現時点ではベッドの回転率がこれまでよりも良い状態です。 でも、現場ではすでに負荷が高まりつつあり、しんどい状況です。このままのペースで感染者が増えれば、病床は埋まり、医療逼迫が訪れることは確実です。 数字だけを見ていれば、回転率が上がっているため病床にはまだ余裕があると思うかもしれませんが、3人退院したと思ったら、すぐに2人入院してくるような状況が続いています。 もしかすると、このような要因から第5波ではなかなか病床全体の使用率は上がりにくい可能性があります。ですが、入退院が激しい中で病床使用率では見えない現場のスタッフへの負荷は高まりつつあります。 ーー高齢者ではなく、40~50代が重症化することで、現場では他にもどのような変化が起きるのでしょうか? 重症化した際、人工呼吸器を着けるかどうかを判断する上ではご本人、ご家族と相談します。 たとえば80代、90代の患者さんであれば、希望しないというケースも少なくありませんでした。 しかし、40代、50代の患者さんとなると、ほぼ全ての人が救命を前提とすることが予想されます。 おそらく高齢者よりも40代~50代の人の重症化率は低くなると思います。しかし、重症化した場合に人工呼吸器を着ける人の割合は高齢者よりも高いでしょう。 ほとんどの重症患者が人工呼吸器を必要とするということは、重症者の受け入れを中心に医療逼迫も起きやすい。このペースで感染者が増えれば、2週間程度で当院の新型コロナ病床は逼迫する可能性があります。 ーー変異ウイルスへの置き換わりは進んでいますか? 2週間前に当院でも初めてのデルタ株の患者を受け入れました。そして、現在では2割から3割の患者さんがデルタ株です。 前回の従来型からアルファ株への置き換わりも、最初の1例から1ヶ月ほどかけて進みました。今回もおそらく同じようなペースで置き換わりは進んでいくと考えています。 デルタ株への置き換わりが進むことで、危惧されるのはワクチンを1回しか接種していない高齢者の発症や重症化です。これまでの従来型のウイルスであれば、1回接種でもそれなりに発症や重症化を予防できました。 しかし、デルタ株が広がることで、このような前提が崩れる可能性があります。まだ1回しか接種していない高齢者の場合、2回目の接種を急ぐ必要があります。 この第5波では、おそらく一部のワクチンを1回だけ接種した高齢者と40-50代の重症者が混ざり合い、そうした人々でベットが埋まる状況になるのではないかと予想しています。 今はまだ、入院を必要とする人々が40~50代中心でベッドの回転率も早く、適切な治療を早期に受けられているため多くは重症化の一歩手前で持ち堪えています。 でも、重症化すれば、40~50代であっても人工呼吸器が必要です。そして、1度人工呼吸器をつければ、平均的にはおよそ3週間程度は外せません。 ですから、このまま感染者数が増え続ければ、重症者を中心に受け入れが難しくなり、再びの医療逼迫は避けられません。 私たちはできる限り頑張りますが、限界はある。現在の感染状況が続くと、私たちの限界を超えてしまいます。

崖を落ちるように悪化、「見えない災害」の現場で起きていること

Takashi Aoyama / Getty Images

ーー世界各国に比べれば少ないものの、日本における新型コロナによる死者は1万4000人を超えました。単純比較はできませんが、阪神淡路大震災の死者6434人を大きく上回ります。しかし、感染者や重症者が身近にいないと、その影響の大きさを感じにくいのも事実です。 たしかに、この新型コロナのパンデミックはなかなか見えにくいですよね。 まさに、「見えない災害」なのだと思います。 私は新型コロナ治療の最前線に立っています。しかし、ここから見えている景色が、なかなか多くの人に伝わっていないもどかしさを感じるのも事実です。 津波や土石流であれば、どれだけの被害があったのかが一目でわかります。「これは大変だ」と多くの人が直感的に理解できる。 しかし、コロナの現場は隔離されており、外からは見えません。 今だって病棟から一歩外に出れば、みんな通勤や通学をして、制限はあるものの、日常生活を送っている。風景の中で普段と違うのは、みんなマスクをつけているということぐらいでしょう。 そんな中では、新型コロナについての情報は、毎日報じられる感染者の数だけかもしれません。 実は私は、この新型コロナに対応する現場で何が起きているのかを伝えるために、TwitterやFacebookで発信を続けています。 現場で何が起き、どのように私たちが対応しているのかを知ってもらい、日々の感染対策に協力していただかなければ、この「災害」は乗り越えられないと思うからです。 情報を発信すれば誹謗中傷や批判の声も届きます。最近は少しずつ慣れましたが、当初は大きなストレスを感じました。 それでも、私は治療の最前線で見ている世界を伝える必要がある。そう考えています。 ーー私たちは「重症化」と一言で片付けてしまいがちですが、現場では何が起きているのですか? 新型コロナに感染すると、ほとんどの人は後遺症の問題はあるものの、1週間程度で軽快します。しかし、一部の人は1週間が経過した後も発熱が続き、肺炎が明らかになり悪化していきます。 意外に思うかもしれませんが、入院が必要なタイミングではまだ多くの患者さんは重篤には見えない状態です。大体の人は病院へ搬送された時点では意識も良いし、歩くこともできる。 喘息や間質性肺炎など、他の病気ではこれほど見た目が元気であることは考えにくい。喘息であれば、入院が必要なタイミングでは「ヒューヒュー」という呼吸音が聞こえ、「先生、苦しい、苦しい」と、肩で息をしているような状態です。 ところが、新型コロナの患者は喘息や間質性肺炎などと同じ酸素飽和度であっても、平静を保っていることが多いのです。咳をしたり、熱はあるけど肩で息をしているような人は少ない。 酸素飽和度はかなり低いので、「どうですか?苦しいですか?」と医師は聞きます。すると、大抵は「いや、そうでもないですね」と答えます。でも、実際には重篤な酸欠状態にすでになっている。 入院してからも、他の呼吸不全の患者さんのように音を立てることも少ない。ベッドサイドが静か、というのが私の新型コロナの患者さんのイメージです。 そんなに元気ならば大したことないじゃないか、と言う人がいるかもしれません。ですが、さっきまで歩いていた、苦しくないと言っていた人の様子が数時間で一変します。 突然、崖を転げ落ちるように状態が悪化する。 ご家族からすると目の前で起きていることを理解するのは、なかなか難しいかもしれません。「さっきまであんなに元気だったのに、なぜ亡くなってしまったのか‥」と感じる人も少なくないでしょう。 「コロナは風邪」でないことは明らかです。 この1年半、現場で治療に当たる中で「私が感染させたんじゃないか」と後悔するご家族の方にも出会いました。そして、隔離病棟に入院しているため、現在でも他の疾患に比べれば面会が難しい状況です。 これらの事情から、亡くなったときのインパクトが大きい病気だと感じます。

新型コロナ最前線に広がる、“普通はあり得ない”光景

Carl Court / Getty Images

ーー医療現場は必死に対応している中で、「なぜ、病床を増やすことができないのか」といった声も聞こえてきます。 病院を利用するのは新型コロナの患者さんだけではありません。心筋梗塞や脳卒中、がんや交通事故など様々な理由で受診する人がいます。 そして大学病院は高度専門化されており、それぞれの科が様々な高い専門性を持っているものの、必ずしも感染症や集中治療には精通していないのです。 3次救命の受け入れをしている当院には、他の病院では治療できない患者さんが多く運ばれてきます。 人的ゆとりがない中で、専門医を配置換えすれば、本来の守備位置に綻びができ、受け入れができなくなる。 さらに異動した守備位置には慣れていないため、効率的ではない。つまり、ほとんどの専門医は簡単に守備範囲を変えることは困難なのです。 埼玉医科大学総合医療センター全体の病床は約1000床です。 かつて私たちが受け入れてきた新型コロナ患者の合計は第3波の時点で200名であることを伝えると、「もっと受け入れないのか?」「なんで医療のキャパシティを増やせないのか?」と言う人もいますが、そんなに簡単な話ではない。 重症6床でも、いっぱいいっぱいです。 そもそも呼吸器内科の医師であっても、人工呼吸器をつける患者さんを同時にこれほど多く受け持つことはありません。 呼吸器内科の専門医でもある私の経験からは、一般的な病院の呼吸器内科であれば、研修医を含む医師3名で10人程度の患者を担当します。その中で、人工呼吸器を必要とする人は多くても1人いるかどうかです。 1人いるだけでも、「重症患者を抱えて大変だね」と言われています。 ところが、新型コロナの感染拡大時には一番重症者が多い時で7人から8人が同時に人工呼吸器をつけてそれを少ない医師で受け持っている状態です。 ICU(集中治療室)で勤務していない医師にとって、こんな状況はあり得ません。 ーー人工呼吸器を着ける人が1人いると、現場ではどのような対応が必要となるのでしょうか? 看護師は基本的にマンツーマンの体制です。 血圧の変化に対応したり、人工呼吸器が外れるような命に関わることがないように、つきっきりで対応する。 寝返りをうつこともできないため、定期的に姿勢を変えなければいけません。痰が出れば、それを吸引します。排泄物の処理も必要です。 食事も取れない状態なので、点滴を外すことはできません。血圧を維持する薬を使い、モニターでずっと心電図を見ている。 看護師以外にも、質の高い治療を提供するために医師は1人の患者につきっきりで対応します。さらに人工呼吸器を扱う技師やリハビリをする技師など、医療従事者はのべ10人ほど必要です。 そして、それを3交代で24時間代わる代わる担当する。10人×3交代で30人。 単純計算ではありますが、1人の重症患者を診るということは、のべ20~30人の医療従事者の力が必要となります。 1人だけでも大変ですが、それが多いときには7人から8人並ぶ。現場への負荷は非常に大きいです。 そんな中でも、第4波では人工呼吸器をつけた患者さんが10人ほどいましたが、最新のエビデンスを踏まえ私たちの経験を加味した治療を提供し、幸い全員の命を救うことができました。 人工呼吸器をつけた最重症患者の死亡率は報告にもよりますが2-3割であるため、現場を指揮する医師として、頑張った患者さん、懸命に治療や看護に当たったスタッフを私は非常に誇らしいと感じています。 この10人は何もしなければ、みんな亡くなっていたと予想される方々ばかりでした。 この成績をこの夏も維持するためには、医療の需要と供給の適正なバランスを守ることが重要です。 感染者が増えた結果、しっかりと治療を提供できれば救える命が救えなくなる。第5波でも、そんな「医療崩壊」の事態だけは何としても避けたいと思っています。

現在は「8回裏」。ゴールは見えてきた

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ーー40代~50代の重症者が増えつつある今、五輪が開幕しようとしています。何を思いますか? 個人的にはもう2、3ヶ月延期していれば、本当の意味で「コロナに打ち勝った証」として開催することも不可能ではなかったと思います。 現在のペースでワクチン接種が進めば、有観客での開催もできたかもしれません。 五輪の開催が、感染対策にプラスに作用することはありません。感染拡大への影響をできる限り小さくするための工夫が必要とされています。 緊急事態宣言が7月12日から発出され、その効果がようやく見え始める2週間後には五輪が開幕しています。試合が終了する前に祝勝会が開かれるようなもので、これはタイミングとしては最悪です。 実は私も野球の準決勝のチケットが当選し、購入していました。自分が住む国で五輪を経験することができる機会はなかなかありませんから、とても楽しみにしていました。 でも、現在は安全な大会運営の根拠が見えず、医療現場で新型コロナに対応する医師として不安を覚えています。 「安心安全の大会を実現する」と政府や組織委員会は繰り返し発信していますが、安全な大会運営を可能にする根拠を示すことで初めて国民は真の安心ができる。 「安心安全」という言葉を繰り返すだけでは意味がありません。 「このような対策を実施する」「このような場合にはこんな対応をします」と対策の全体像を公開し、専門家や外部のチェックを経た上で大会を開催すべきでしょう。 開幕後にはニュースは五輪一色になるかもしれません。 結局、「世論と空気だけ変えればどうにでもなる」となってしまえば、医療現場と患者だけが取り残されます。 五輪で日本選手が活躍し、世間の注目はそちらに集まる中、医療現場は大変な状況に陥る… 私はそれを一番恐れています。Yuto Chiba / BuzzFeed

ーー7月、8月が「最大の山場」であると言われていますが、現場の医師としてどう感じますか? この第5波を乗り越えられれば、医療逼迫を心配しなければいけない状況からは脱却できる可能性があると感じています。 最前線で治療にあたる中で、ワクチン接種による効果を実感しています。このままワクチン接種が順調に進めば、第6波が起きたとしても医療逼迫は起きないかもしれません。 今回が最後の我慢になる可能性は高い。 コロナはなくなることはないかもしれませんが、ワクチンによって病原性が落ちて、日常生活が戻ってくるというシナリオは十分に考えられると思います。 この1年半、みんなが様々なことを我慢してきました。現在、様々なところで限界を迎えていると言われています。たしかに終わりが見えなければ、我慢を続けることは難しい。 しかし、今回の緊急事態宣言が最後になる可能性があることをしっかりと伝え、この夏だけは引き続き協力をお願いできないでしょうか。そんなメッセージを政府に出していただきたい。 ゴールは見えてきています。野球で例えれば、今は8回裏。1点差の緊迫した状態です。 油断すると逆転されてしまう。しかし、勝利は目前です。

千葉雄登

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中国製ワクチンは「水ワクチン」?…シンガポール「シノバック接種した人はコロナ検査もう一度受けて」

https://news.yahoo.co.jp/articles/b740349c7d67a701511a07a83fbec8aec26b369e

2021/7/3(土) 18:01 朝鮮日報

 シンガポール政府は新型コロナワクチン接種者に対し、集まりに参加する時の検査を免除しているが、中国製ワクチン「シノバック製ワクチン」を接種した場合は例外的に新型コロナ検査を再度受けさせることにした。現地メディア「ザ・ストレーツ・タイムズ」が1日(現地時間)、報道した。シンガポール保健省は同日、「(シノバックが変異型ウイルスの)デルタ株(インド株)感染を防ぐという証拠は十分でない」と理由を明らかにした。 ■ワクチン接種率OECD1位はイスラエル、日本が最下位…韓国は?  全世界的に中国製ワクチンの免疫力に対する疑問が相次いで取りざたされている。今年1月からワクチンを接種しているインドネシアでは最近、新型コロナ感染者が急増している。インドネシアで接種されているワクチンの90%がシノバック製だ。今月1日の一日の新規感染者数は2万4836人で、昨年5月(4000人台)に比べ約5倍の増加となった。首都ジャカルタとジャワ島は新型コロナ感染者で医療崩壊寸前だと米CNNは報じている。  しかも、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、優先接種対象者としてシノバックの接種を2回受けた医療従事者26人のうち、先月だけでも10人が新型コロナで死亡し、約500人が陽性となったという。

 同様に、接種のほとんどがシノバック製ワクチンであるチリやアラブ首長国連邦(UAE)では、接種率が高いのにもかかわらず、新型コロナ感染者が減らないという現象が起きている。昨年12月からワクチン接種を開始したチリの接種完了率は55.5%だが、新規感染者数は毎日3000人に達する。100人当たりの接種回数が152.1回で世界第2位のUAEでも、感染者数は2000人台だ。このため、UAEは1日、インドなど新型コロナの感染が拡大している14カ国について、自国民の渡航を禁止した。  もう一つの中国製ワクチンである「シノファーム」製ワクチンの効果にも疑惑が取りざたされている。シノファームを主に接種しているモンゴル、セーシェル、バーレーンなどで最近、新型コロナが拡散している。人口335万人のモンゴルでは、全人口の58.7%が1回以上、52.1%が2回接種を終えたが、今月1日の一日の感染者数は4861人に達した。イスラエルのよりも接種率が高いセーシェルでも、新型コロナ感染急増によりこのほどロックダウンを強化した。  韓国政府は今月1日から海外でワクチン接種を終えた韓国人・外国人に対して2週間の隔離措置を免除することにした。免除対象のワクチンはファイザー、ヤンセン(ジョンソン・エンド・ジョンソン)、モデルナ、アストラゼネカだけでなく、中国製ワクチンのシノファーム、シノバックも含まれている。中国製ワクチンを免除対象に入れるのは韓国が初めてだ。

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ガンのmRNAワクチン、フェーズ2臨床試験に突入。新型コロナワクチン開発のビオンテック社が実施

https://news.yahoo.co.jp/articles/eff7e5f9f89d48594792ec4f82cc83ffb093a829

2021/7/2(金) 17:01 FINDERS

ドイツのビオンテック社は、ファイザー社とともに新型コロナウイルスの発症と重症化を防ぐmRNAワクチンの開発を行っている。そんなビオンテック社が次に目指しているのは、ガンのmRNAワクチンだ。 mRNAワクチンは、体内の特定のウイルスを攻撃する抗体を作るよう人体に指示を出すものだが、ビオンテック社はその技術を応用し、悪性腫瘍(ガン)に対する抗体を作るワクチンの開発を進めている。 今年3月に、ビオンテック社共同創業者にしてチーフメディカルオフィサーのオズレム・トゥレシ氏が、数年以内に開発すると明かしたことで、大きな話題を呼んだ。そんな全世界が期待するガンのmRNAワクチンに新たな進展があった。

「良好な結果」とトゥレシ氏も前向き

ビオンテック社は6月18日発表のリリースの中で、皮膚ガンの一つであるメラノーマを対象としたフェーズ2臨床試験を実施したと発表した。メラノーマ患者120人に、mRNAワクチン「BNT111」を投与。ガン治療で用いられている免疫チェックポイント阻害薬の「セミプリマブ」と併用し、全奏効率(効果のあった患者の割合)、治療期間、安全性を評価する。フェーズ1で有望な結果が出たことで、効果への期待が寄せられているという。 トゥレシ氏はリリースの中で、「ガンは現在起きているパンデミックよりも、さらに深刻な人類の脅威であることを忘れてはいけません」「このワクチンはすでに初期の臨床評価において、良好な安全性と有望な暫定的結果を示しています。今回のフェーズ2においてガン患者への治療が開始されたことで、mRNAワクチンの有効性を証明していくことへの自信につながりました」と、前向きな見解を示した。

前立腺ガン、頭頸部ガンのmRNAワクチン開発も

ビオンテック社では「BNT111」の他に、去勢抵抗性前立腺ガン(CRPC)のワクチンとなる「BNT112」、や頭頸部ガンのワクチンとなる「BNT113」の開発も進めており、現在どちらもフェーズ1臨床試験にあるとのことだ。 世界中で年間およそ1000万人もの人が、ガンによって亡くなっている。もし人類が完全にガンを克服できれば、その影響は計り知れないものになるだろう。引き続き注視していきたい。

山田山太

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コロナ感染経験者、ワクチン必要?  専門家「抗体増へ接種を」 1回でも効果十分か

https://news.yahoo.co.jp/articles/c85240933c17312c90c9a2b79cce94e71aa4c449

2021/6/27(日) 7:03 JIJI.com

 新型コロナウイルス感染者の国内初確認から約1年半がたち、累計感染者は80万人に迫る。  回復後、再感染を防ぐ中和抗体が体内にできるとされる感染経験者は、ワクチンを接種する必要があるのだろうか。専門家は「抗体量を増やすため、油断せずに接種を受けて」と呼び掛ける。  横浜市立大の研究チームは、自然感染して回復した250人を調査。その結果、従来株に対して十分な量の中和抗体を持つ割合は感染半年後が98%、1年後は97%だったが、変異株では減ることが分かった。  長崎大の柳原克紀教授らの研究では、感染経験者の体内にはある程度の量の抗体があるが、米ファイザー製ワクチンを1回接種すると感染未経験者の2回接種時とほぼ同じ十分な量の抗体ができた。これらの結果も踏まえ、同大の森内浩幸教授は「感染経験者もワクチンを接種する必要がある」と指摘する。  森内教授は、感染経験者は接種が1回でも2回でも抗体量に大差がないとして「1回の接種で十分だと思う。ワクチンの配分量によっては、感染経験者は2回目を受けずに他の人に回す方法もあり得る」と話す。接種の時機は回復直後でなく、ワクチン接種間隔と同様に3~4週間空けるのが免疫反応を強めるのに有効とする。  副反応はどうか。ファイザー製ワクチンでは、2回目の方が1回目よりも頻度が高い傾向がある。森内教授は「痛みやかゆみなどは、ワクチン内の遺伝物質が体内で作る新型コロナのたんぱく質への反応ではなく、異物に対する自然免疫としての反応」とした上で、「現時点では、感染経験者の副反応頻度が極端に高くなるとは考えられない」と分析する。自然感染によりできた抗体がワクチン成分に影響を与える心配もない。  厚生労働省は「再感染の恐れもあり、感染経験者も接種できる。1回の接種で十分な効果が得られるか分からず、現時点では通常通り2回接種することになる」としている。