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ガンのmRNAワクチン、フェーズ2臨床試験に突入。新型コロナワクチン開発のビオンテック社が実施

https://news.yahoo.co.jp/articles/eff7e5f9f89d48594792ec4f82cc83ffb093a829

2021/7/2(金) 17:01 FINDERS

ドイツのビオンテック社は、ファイザー社とともに新型コロナウイルスの発症と重症化を防ぐmRNAワクチンの開発を行っている。そんなビオンテック社が次に目指しているのは、ガンのmRNAワクチンだ。 mRNAワクチンは、体内の特定のウイルスを攻撃する抗体を作るよう人体に指示を出すものだが、ビオンテック社はその技術を応用し、悪性腫瘍(ガン)に対する抗体を作るワクチンの開発を進めている。 今年3月に、ビオンテック社共同創業者にしてチーフメディカルオフィサーのオズレム・トゥレシ氏が、数年以内に開発すると明かしたことで、大きな話題を呼んだ。そんな全世界が期待するガンのmRNAワクチンに新たな進展があった。

「良好な結果」とトゥレシ氏も前向き

ビオンテック社は6月18日発表のリリースの中で、皮膚ガンの一つであるメラノーマを対象としたフェーズ2臨床試験を実施したと発表した。メラノーマ患者120人に、mRNAワクチン「BNT111」を投与。ガン治療で用いられている免疫チェックポイント阻害薬の「セミプリマブ」と併用し、全奏効率(効果のあった患者の割合)、治療期間、安全性を評価する。フェーズ1で有望な結果が出たことで、効果への期待が寄せられているという。 トゥレシ氏はリリースの中で、「ガンは現在起きているパンデミックよりも、さらに深刻な人類の脅威であることを忘れてはいけません」「このワクチンはすでに初期の臨床評価において、良好な安全性と有望な暫定的結果を示しています。今回のフェーズ2においてガン患者への治療が開始されたことで、mRNAワクチンの有効性を証明していくことへの自信につながりました」と、前向きな見解を示した。

前立腺ガン、頭頸部ガンのmRNAワクチン開発も

ビオンテック社では「BNT111」の他に、去勢抵抗性前立腺ガン(CRPC)のワクチンとなる「BNT112」、や頭頸部ガンのワクチンとなる「BNT113」の開発も進めており、現在どちらもフェーズ1臨床試験にあるとのことだ。 世界中で年間およそ1000万人もの人が、ガンによって亡くなっている。もし人類が完全にガンを克服できれば、その影響は計り知れないものになるだろう。引き続き注視していきたい。

山田山太