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コロナ マスク

外せる日は来る? 米・医師が解説する、マスク着用が今後も重要となるワケ

https://news.yahoo.co.jp/articles/2cdea68282afd03ed0fe029268b9e4a2959a267e

2021/8/22(日) 20:23 BAZAAR

 ワクチン接種を完了したアメリカ人が、ほとんどの場所でマスクをつけなくても良いということになってから2ヵ月と少し。 だが、感染力の高いデルタ株の蔓延により、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は再びマスク着用ガイダンスをアップデートし、ワクチン接種を完了した人も、感染の可能性が相当あるいは非常に高いため、「公共の場で室内にいる時はマスクを着用すべき」だと推奨している。 【写真】事前に知っておきたい、コロナワクチンの副反応を医師が解説 現在では何が変わったのだろう? CDCが初めて「ワクチン接種を完了した人はマスクなしでも構わない」と発表した時は、デルタ株は感染者のわずか1%だったとCNNはレポート。 それが今や感染者の大部分はこの変異株で、感染者数は増え続けている。最新のガイダンスが出される前でも、室内でのマスク着用の動きは復活していた。カリフォルニアやネバダ、マサチューセッツなどの州では、ワクチン接種の有無に関わらずマスク着用を再開するよう、住民にアドバイスした。 「安全性をさらに高めたければ、ワクチンを接種していても、特に密集した室内ではマスク着用を考えた方がいいかもしれない」と、アメリカの感染病専門家のトップ、アンソニー・ファウチ医師は7月にCNBCに語っている。 「このウイルスは、明らかにこれまでに経験した他のウイルスや変異株とは異なっている。人から人に感染する能力が桁外れだ」。 デルタ株の影響が高まるばかりであることから、CDCはマスク着用の重要性を強調している。だが、当然の疑問が残る。「いったいいつになったら、現実的にマスク着用をやめることができるの?」 そして、「風邪やインフルエンザの季節にはマスク着用がニューノーマルになるの?」ということだ。 感染症の専門家が、これまでに判明していることを教えてくれた。

マスクを着用すべきタイミングは? なぜ今も重要?

ワクチン接種を完了し、2回目の接種から2週間経った人は、コロナ感染の可能性が高いエリアの公共の室内ではマスクを着用すべきだと、CDCはアドバイスしている。屋外では、非常に混雑した場所でない限り、マスク非着用でも構わない。飛行機やバス、電車や公共交通機関の中と、病院やホームレスのシェルターなど混雑した場所では、依然としてマスク着用が求められる。 ワクチン未接種者と1回しか接種していない人は、屋外でエクササイズする時やワクチン接種を完了した少人数のグループと一緒の時であれば、マスクを外してもいい。だが、屋外の混雑した場所でワクチン未接種者と濃厚接触する時や、ワクチン未接種の場合は家庭以外のすべての室内でマスクを着用するよう、CDCは現在も推奨している。 それは、アメリカが依然としてコロナという“嵐“に直面しているからだと、クリーブランド・クリニックの救命救急医療専門医で、肺治療専門医のジョセフ・カッバザ医師は話す。 マスク着用やソーシャルディスタンスといった公衆衛生上の規制がアメリカ全土の多くの地域で長期間消滅してしまったため、デルタ株の感染力が高く急速に広まるにもかかわらず、ワクチン接種をためらう人は今も大勢いるのだ。 ワクチン接種を完了した人でも、稀にブレイクスルー感染(ワクチン接種完了から2週間後に、症状のあるなしはともかくコロナに感染)する人がいて、他人に感染させる可能性があるわけだが、専門家はリスクは大幅に下がると信じている。 ワクチンの効果は100%ではないにせよ、陽性になって入院した人の97%はワクチン未接種者で、ワクチンは実際に重症化を防いでいることを示している。 マスク着用は、着用者とその周囲にいる人の両方をウイルスから守ることが確認されており、ハイリスクの状況下で感染拡大を減らすには理想的なツールだと、カッバザ医師は言う。 「呼吸性ウイルスと感染は、感染者の鼻や口から出た飛沫が拡散し、他の人の鼻や口、目に入って行きます。ですから、鼻や口の上に物理的にバリアを作るだけで、飛沫がどちらかに入って行きにくくなるのです」と彼は説明する。 とにかく、マスク着用はコロナ感染予防としては簡単で素晴らしい方法だとカッバザ医師は言う。別々にマスク着用、ソーシャルディスタンス、手洗い、ワクチン接種だけをやっても100%の予防効果はない。だが、これらのことを重ねて行うことで、自分が感染するリスク、そして人に感染させるリスクは減っていく。

いつになったらマスク生活をやめられる?

日常的なマスク着用の終わりはパンデミック収束と関係していることを考えると、「いつ完全にやめられるかを明言するのは難しい」と、ノースウエスト・オハイオ医科大学の感染病医で内科教授のリチャード・ワトキンス医師は言う。 「コミュニティでのウイルス拡散が十分に減少」するまでは、ある種のマスク着用ガイダンスが実施される可能性が高いと、感染病専門家でジョンズ・ホプキンス・センター・フォー・ヘルス・セキュリティの上席研究員エイミッシュ・A・アダリャ医師は言う。 「それは、より多くの人がワクチンを接種することができるようになる、2021年遅くになるかもしれません」。 実際にマスク着用命令が終わるのは「州ごとの判断になるでしょう」と彼。

パンデミック収束後もマスク着用が推奨される?

特に、マスクには感染を防ぐ効果があると証明されていることから、その可能性はある。 2021年は、インフルエンザの流行シーズンが実質的になかった。CDCのデータによると、昨年9月以降、米国でインフルエンザと臨床的に診断されたケースは2100件を少し上回る程度だった。2019年~2020年のインフルエンザシーズンには推定5600万ケースだったのを比べると、驚異的な減少だ。 このことから、少なくとも寒い季節の間は、マスク着用が続くかもしれないと専門家は言う。「マスク着用は、コロナ以前からアジアでは一般的でしたから、パンデミック後もマスク着用を安心に思う人はアメリカでも増えると予想します」とワトキンス医師。 パンデミック以前から、呼吸器系ウイルスがある場合はマスク着用が常に推奨されてきたとアダリャ医師は指摘する。 「それは変わりませんが、忠実に守る人がより多くなるでしょう」。 マスクに病気を防ぐ効果があるとわかったことで、パンデミック後も混雑した場所や公共交通機関など公共の場では、今後もマスクを着用し続ける人々がいるかもしれないとアダリャ医師は述べていた。 ※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。また、日本における新型コロナウイルスに関する最新情報については厚生労働省やWHOのサイトをご確認ください。

Translation: Mitsuko Kanno