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大阪で“全国最多”65人が重症…背景に何が?

https://news.yahoo.co.jp/articles/41a5f2cb6e82a0c8fdf943f6d03dbc5e18203938

2020/8/18(火) 23:30配信 テレ朝ニュース

18日も西日本を中心に危険な暑さとなりました。全国で一番暑かったのは、宮崎県都城市と高知県四万十市の39.4度。都城は、観測史上1位を記録しました。全国で観測史上1位の値を更新した地点は19カ所で、そのうち18カ所が九州でした。先月の豪雨で、甚大な被害が出た熊本県人吉市の最高気温は37.0度。猛暑日のなか、県内の高校から生徒がボランティアに訪れ、汗を流しました。市のボランティアセンターによりますと、連日の猛暑で、手が足りていないといいます。東京都心も気温が上がり、最高気温は、34.3度でした。また、新型コロナウイルスの新たな感染者は207人と、2日ぶりに200人を超えました。 今、最も感染状況が懸念されているのが大阪府です。18日に確認された感染者は185人で東京に比べると少ないものの、重症者の急増が問題となっています。東京都の重症者の数は7月下旬以降、大きく増加はしていませんが、大阪府はこの期間に急増。4週間で14倍にも伸びました。大阪府は、重症者の定義を、人工呼吸器を装着している人、もしくは、集中治療室で治療を受けている人としている一方、東京都は集中治療室での治療を含めていないため、単純に比較はできないものの、吉村知事も「大阪は重症者が多い」と認めています。 大阪で重症者が急増している要因として指摘されているのが、重症化リスクの高い高齢者施設でのクラスターです。7月下旬以降、高齢者施設12カ所でクラスターが発生。17日時点で感染者の数は159人に上っています。ただ、高齢者施設だけの問題ではありません。感染経路不明の人が重症者になっているといいます。実際、感染者のうち60代以上の高齢者は、先月は9%だったのが、今月は20%に増加しています。さらに、感染が確認された時点で、すでに重症化している人が決して少なくありません。7月以降に重症となった人のうち、実に4割を超えています。吉村知事は、PCR検査が足りていないという認識はしていませんが、大阪府医師会の茂松茂人会長は、「(検査を)お願いをしても、1日~2日待たされることがあるので、まだすぐには受けられる状態ではない」としています。 大阪府にある重症者用の病床188床のうち、使用されているのは37%。少し余裕があるようにもみえますが、一部は現在、一般病床に転換しているため、今すぐ使えるのは113床。62%が埋まっていることになります。大阪府は医療機関に対し、使える病床を150床まで引き上げるよう要請しています。その一方で、吉村知事は、繁華街ミナミの一部の飲食店などに現在要請している休業や時短営業について、期限となっている今月20日以降、延長しない方針を明らかにしました。 こうしたなか、感染者が重症化するかどうかを予測する研究が始まっています。研究グループは、軽症の患者41人から尿を採取。体内の酸素が少なくなると尿に多く出るたんぱく質『L-FABP』の量と症状の変化を調べました。1週間後、たんぱく質の量が多かった13人のうち、8人の症状が悪化。そのうち2人は人工呼吸器が必要なほど重症化しました。一方、たんぱく質の量が正常だった28人のうち、症状が悪化したのは1人だけで、重症化した人はいませんでした。

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コロナ死者じわり増加 感染者数はピークと尾身氏

https://news.yahoo.co.jp/articles/13c7e2dd9d527da6d2bccd74b4f6c4de2727b3ba

2020/8/20(木) 19:12配信 KYODO

 新型コロナウイルスに感染後、死亡する人の数が10人を超える日が続くなど、流行「第2波」による死者の増加が目立ち始めた。愛知、大阪、沖縄など、東京以外での流行地で顕著なのが特徴だ。新規の感染者に関しては政府新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長が20日、日本感染症学会の講演で「全国的に見るとだいたいピークに達したというのが私たちの読み」との見解を示した。だが、重症化しやすい高齢の感染者は増えており、引き続き警戒が必要だ。 【動画解説】「夜の街」対策なぜできない? 止まらぬコロナ感染

 感染者累計は横浜のクルーズ船を含めて約6万人。6月末以降を流行の第2波と考えた場合、感染者数は約4万2千人で全体の3分の2以上を占める。

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新型コロナ、19年夏に発生していた可能性 研究

https://www.jiji.com/jc/article?k=20200610040179a&g=afp&utm_source=yahoo&utm_medium=referral&utm_campaign=link_back_edit_vb

2020年06月10日15時40分 jiji.com

【ワシントンAFP=時事】中国・武漢市内の病院の訪問者数、および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状に関する同市からのインターネット検索数の急増から、2019年8月には新型コロナウイルスの流行が始まっていた可能性があることが分かった。米ボストン大学とハーバード大学の研究チームの予備調査で示唆された。(写真は資料写真)

米コロナ、8月下旬に「第2波」 10月までに死者17万人―米大予測

 査読のある専門誌にはまだ掲載されていない今回の研究論文は、比較的新しい分野である「デジタル伝染病学」に基づいている。
 ボストン大のイレーン・ゾイジー氏率いる研究チームは、2018年1月から2020年4月に撮影した武漢市の衛星写真111枚を分析。また、中国のインターネット検索エンジン百度で特定の症状が検索された頻度も調べた。
 研究チームによると、武漢市内の病院の駐車場に止められた車の数が「2019年8月から急増し始め」、その数は「2019年12月にピークを迎えた」という。
 また百度については、「せき」の検索数は例年のインフルエンザの流行に合わせて増加していたため、よりCOVID-19に特有の症状とされる「下痢」の検索数を調べた。この結果、8月に増加がみられたことが分かった。これはこれまでのインフルエンザの流行時期にはみられなかった現象であるとともに、せきの検索データとも異なったという。
 COVID-19では呼吸器の症状が最も一般的とされているが、今回の研究は下痢が「市中感染において重要な役割を果たした可能性がある」と示唆している。
 研究チームは、今回のデータが新型コロナウイルスと明確に関連していることを確認することはできなかったが、別の研究結果を支持するものであると結論付けている。著者らは「今回の調査結果は新型コロナウイルスが中国南部で自然発生し、武漢市で集団感染が起こった時には既に広まっていた可能性があるとする仮説を裏付けるものである」と指摘している。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕

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新型コロナ、首都圏ほぼ全員“既感染”!? 日本の死者が欧米より少ない要因の一つに「集団免疫説」 専門家の新抗体検査で明らかに

https://news.yahoo.co.jp/articles/0ae8e5f8dd82912343d449db15df8782dee36ca8

2020/8/17(月) 16:56配信 夕刊フジ

 日本の新型コロナウイルス感染による死者や重症者が欧米に比べて少ない要因の一つとして浮上する「集団免疫説」。その解明に光明か。東京理科大学の村上康文教授らは、新開発の検査システムを用いた首都圏での抗体検査で、従来の結果を大きく上回る数値が出たと明らかにした。注目すべきは、陽性が出なかった例を含む検体のほとんどで、すでに何らかのコロナウイルスに感染している「既感染」を示す反応があったことだ。免疫を獲得している可能性があるというのだ。 【画像】抗体検査のイメージ  抗体定量検査システムは、村上氏が設立したベンチャー企業が、民間企業の協力を得て開発した。  13日に東京都内で記者会見を開いた村上氏らによると、5~8月に東京など首都圏からボランティアで集めた10~80代から362検体を採取した。今回の検査では複数の抗原を用いるなどして精度を高めたところ、約1・9%で陽性の結果が出たという。  厚生労働省が実施した抗体検査では、東京の抗体保有率は0・10%で、これに比べるとはるかに高い水準だ。東京の人口比でみると、公表された累計感染者数(13日時点で1万6680人)より大幅に多い約26・6万人が、すでに新型コロナに感染していると推測できる。  だが、一般に「集団免疫」が成立するには少なくとも60~70%の抗体保有が必要とされる。2%弱程度では圧倒的に少ないようにも思えるが、村上氏は陽性の水準に届かなかったものも含めて、ほぼ全ての検体で抗体の反応があったと明かす。  免疫グロブリン(Ig)と呼ばれる抗体には複数の種類があり、抗体検査の際、初感染では「IgM抗体」のシグナルが最初に上がり、遅れて「IgG抗体」が上がるとされるが、今回の検査では「ほぼ例外なく、IgMとIgGが同時に上がった」と村上氏。  村上氏は、両者のシグナルが同時に上がった場合、「既感染(過去のコロナウイルス感染)」を意味すると説明。それが新型コロナウイルスによるものか、過去のコロナウイルスによる「交差反応」かなど、原因の解明については今後の課題としている。  会見では、順天堂大学の奥村康(こう)特任教授(免疫学)もビデオメッセージで、今回の検査結果について、「微量の抗体でもポジティブに考えていいと思う」とコメントした。  奥村氏は、免疫には、体内にある「自然免疫」と、ウイルスなど外敵と戦うことで構築される「獲得免疫」の2つがあるとしたうえで、獲得免疫を軍隊に例え、「集団免疫は軍隊の総力、抗体はミサイルにあたる。ただ、ミサイルはなくとも軍は訓練されている場合、測る指標はない。抗体が引っかからなくとも免疫はある」と強調した。  前出の村上氏は今回の検査結果を踏まえたうえで、今後のとるべきコロナ対策についてこう提言する。  「高齢者の場合、いったん重症化したら1カ月の入院になるので、病院が埋まってしまう。高齢者をどうしたら守れるかということに重点を置いて方策をやるべきだろうと考える」  一方、会見に同席した九州大学の藤野武彦名誉教授(健康科学)は、「自然免疫」の観点から、ストレス不安と自然免疫の低下を媒介する「脳疲労」の概念を解説した。  「ストレス不安があると自然免疫は低下し、ウイルスに感染しやすくなる。コロナ不安や経済危機自体が免疫を劣化させるので、臨機応変にコロナに対応しなければならない」と警鐘を鳴らした。  【主な新型コロナウイルスの検査方法】  「抗体検査」は、新型コロナウイルス感染から一定期間たった後に体内にできる抗体を、少量の血液から検出する。症状が出ない場合や病院に行かないまま回復した例を含めて、過去にどのくらいの人が感染したのかを把握するのに役立つとされる。  現在国内で主に使われているのは「PCR法」。鼻の奥を綿棒でこすって採取した粘液などに含まれているウイルスに特有の遺伝子配列を、専用装置で増やして検出する。確認されれば陽性となる。  このほか、インフルエンザの迅速診断で使われているような、ウイルス特有のタンパク質にくっつく物質を使って患者の検体からウイルスを見つける「抗原検査」がある。

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コロナ後遺症、世界で続出 倦怠や息苦しさ、関節痛…

https://news.yahoo.co.jp/articles/cd5c39cb6038b7959642617df27e6efe5c1627d5

2020/8/14(金) 9:12配信 KYODO

 新型コロナウイルスに感染し、退院後も呼吸器疾患を含む「後遺症」が続くとの報告が世界中で相次いでいる。倦怠感や息苦しさのほか関節痛が数週間残る人もおり、感染者の約1割は症状が長引いているとの調査もある。陰性に転じた後、長期間職場に復帰できない人も多く、日本の厚生労働省も今月から研究を本格化させる。  訴えが多いのは倦怠感、胸の痛みなどのほか、せきや嗅覚障害。集中力や記憶力の低下なども報告されているが、頻度や持続期間など不明点はまだ多い。  英ロンドン大キングスカレッジなどが約400万人を対象に調査した結果、約10人に1人の割合で症状が3週間以上続いていた。

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「マスクしない観光客に島民は不安」沖縄の離島、次々と来島自粛を呼び掛け

https://news.yahoo.co.jp/articles/4f99329e5d9ecf86d841d1a8253257004550335f

8/1(土) 5:11配信 ヤフーニュース 沖縄タイムス

 医療基盤が弱く、高齢者が多い沖縄県内の小規模離島は新型コロナウイルス感染拡大に特に危機感を強め、独自に来島自粛を呼び掛けている。定期船が航行する津堅島のほか、海中道路や橋で結ばれた平安座、宮城、伊計、浜比嘉の各島を抱えるうるま市は7月31日、島しょ地域への不要不急の来訪自粛を呼び掛ける市長メッセージをホームページ(HP)で発表した。  「住民の多くが高齢者で、医療機関も十分でないことから、危機感をもって感染防止に取り組んでいる」とし「当面の間」の来訪自粛を呼び掛けた。  約500人が暮らす津堅島の玉城盛哲自治会長は「7月はマスクをしていない県外からの観光客もよく見かけ島民はみな不安に思っていた。診療所が1カ所しかない島では住民の健康が1番大切だ」と語った。  伊平屋村も同日、HPで来島自粛などを呼び掛けた。村の担当者は「宿泊業者からどう対応したらいいかという問い合わせが複数あり、村の姿勢を早く示す必要があった」と話した。  南城市は30日、8月1日から当面の間、久高島への来島自粛を求めた。外間長裕区長は「自粛解除以来、来島者が増え、島民の不安が増して、再要請となった」と理解を求めた。  粟国村は7月8日に来島自粛を要請。村の担当者は「陽性者が出た場合、島外に搬送することになっているが沖縄本島で病床が足りなくなればそれもできない可能性がある」と懸念を口にした。

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「コロナはただの風邪」平塚正幸 クラスターデモ行い批判殺到

https://news.yahoo.co.jp/articles/0ab4d456a6a02d4adebf36388fa9c4e512546109

8/10(月) 19:50配信 ヤフーニュース 女性自身

国民主権党党首の平塚正幸氏(38)が8月9日、東京都渋谷でマスク無着用の「クラスターデモ」を実施。新型コロナウイルス対策への抗議活動で、今回が10回目だという。 【写真】平塚氏は、TwitterとYouTubeで世論の反応を拡散し続けている ネットでは「クラスターフェス」とも呼ばれ、トレンド入りするほど波紋が広がっている。 厚生労働省は5月に「新しい生活様式」を提言。「人との間隔を空ける」「人との間隔が取れない場合は、症状がなくてもマスクを着用」といった予防策を呼びかけている。 いっぽう平塚氏は「コロナはただの風邪」とし、「マスクやソーシャルディスタンスは不要」などと主張。7月実施された東京都都知事選に出馬したが、得票数は8997票に留まった。 さらに平塚氏は8日、デモが終わった後に山手線を一周することをYouTubeで事前告知。 これまでも支持者たちがマスク無着用で電車に乗っていたことから、「自分もやりたい」と着想したという。平塚氏は「マスクしている奴らを孤立させてやろう!」「マスクは奴隷がつけるもの」などと発言していた。 10日放送の『あさチャン!』(TBS系)では、この「クラスターデモ」を特集。番組の取材に対して、平塚氏は「自由な生活が脅かされる危機感のもと始めた」と動機を語っていた。 デモ終了後、「ノーマスク・山手線」と題した動画をYouTubeにアップ。「公安委員会の皆さん、今から乗ります!」と宣言し、マスク無着用で仲間たちと車内に乗り込む様子を披露した。 ■「ノーマスク・山手線」動画は11万回以上再生も非難殺到 動画は11万回以上再生されているが、6500件もの低評価を記録(10日18時現在)。平塚氏の行動に、辛辣な声が殺到している。 《クラスターフェスって初めて知った時マジで驚いた、自由の権利を一方的に主張して公共の場で自分のみならず周りの人にも迷惑かけるとかテロじゃん普通に》 《クラスターフェスかなんか知らんが、公共機関をジャックしようとしたり関係ない人を巻き込まないで欲しいな》 《ノーマスクで山手線一周とか嫌がらせとしか感じないんだけど、医療従事者がこの中で感染した人の対応するって思うと泣けてくる》 「アメリカでは、『コロナパーティー』に参加した男性が感染して死亡しました。死ぬ間際に、参加したことを悔いていたそうです。厚労省でも、飛沫感染と接触感染でうつると警鐘を鳴らしています。また平塚氏がデモを行うことを危惧し、営業時間を短縮した店もあったそうです」(全国紙記者) 国民主権党の公式サイトは現在、閲覧できない状態だ(10日18時現在)。いっぽう平塚氏は、TwitterとYouTubeで世論の反応を拡散し続けている。 平塚氏は10日に投稿した動画で「こういう状況だからこそ、やらなければいけないことは公開討論大会」と断言。続けて「我々の主張に対して物申したい人がいるなら、ぜひ連絡してきてください」と呼びかけている。

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新タイプの遺伝子配列、ウイルス6月に出現…東京から地方へ拡散

https://www.yomiuri.co.jp/medical/20200808-OYT1T50126/

2020/08/08 19:14 読売新聞

この記事の「新しいタイプ」という表現は適切ではない可能性がありますby理事長

 新しいタイプの遺伝子配列を持つ新型コロナウイルスが、6月以降全国に広がっているという分析結果を国立感染症研究所の研究チームが公表した。東京から地方への移動によって感染が拡大したことが、ウイルスの遺伝子分析からも推定される結果となった。研究チームは、日本人が感染した新型コロナウイルスの遺伝子に着目。配列の変化と流行の関係を調べた。

 その結果、3月からの感染拡大では、欧州系統の遺伝子配列を持つウイルスによるクラスター(感染集団)が全国各地で複数発生した。5月下旬にいったん収束したものの、6月中旬、東京を中心に新たなタイプの遺伝子配列のウイルスが突然出現。現在、急速に増加している全国の陽性患者の多くが、新タイプに属することが分かった。

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新型コロナワクチン、注目の有力候補はこの7つ

https://news.yahoo.co.jp/articles/d20b5ac0fe7f4a518d7771cd5f47cdf9510a6296

8/5(水) 17:17配信 ナショナルジオグラフィック

開発が急がれるワクチン、最終治験に進み期待を集める先行組とその現状

2020年7月27日、米ニューヨーク州ビンガムトンで、志願者のメリッサ・ハーティングさんにワクチンを接種する看護師のキャス・オルムステッドさん(右)。(PHOTOGRAPH BY HANS PENNIK, AP PHOTO)

 現在、新型コロナウイルスワクチンは、世界各地で150種類以上が開発されている。なるべく早く市場へ投入するために、たとえば米国政府は「オペレーション・ワープ・スピード」に着手している。これは100億ドル(約1兆円)を拠出して、2021年1月までに、安全かつ効果的なコロナウイルスワクチンの開発と、3億回分の供給を目指すというものだ。世界保健機関(WHO)もまた、2021年末までに20億回分のワクチンを供給することを目標に、世界的な取り組みを進めている。 ギャラリー:人類が地球を変えてしまったと感じる空撮写真 10点  すべてのワクチン候補が目指す成果は、防御を備えておくよう免疫系に指示することだ。  コロナウイルスそのものを殺したり、弱めたりした状態で用いるワクチンもあれば、ウイルスの一部(タンパク質や欠片)だけを使用するものもある。コロナウイルスのタンパク質を、発病の可能性が低い、あるいは発病できない別のウイルスに移植するものもある。また、開発中のものの中には、コロナウイルスの遺伝子の一部をワクチンに導入することによって、人間の細胞が一時的に、免疫系を刺激するために必要なコロナウイルスのタンパク質を作るようにするものも存在する。  ワクチンを市場に出すまでの期間は通常、10~15年だ。ワクチンの臨床試験には、何段階ものプロセスがある。まずは少人数の健康な人々のグループを対象に、安全性と、免疫反応が誘発されるかどうかを確認する第1相試験。次の第2相試験では対象を拡大し、当該の病気に罹患している、あるいは罹患する可能性の高い人たちを含めて、ワクチンの有効性を評価する。第3相試験では、対象者を数千人にまで増やし、より多様な人々でワクチンの安全性と効果を確かめる。その後ワクチンは規制当局の承認を受けることになるが、これ自体に長い時間がかかることもある。  承認後も、製造や流通においてさまざまな障壁にぶつかる可能性がある。需要に見合う規模まで生産を拡大できるのか、最初にどんな人たちにワクチンを投与すべきなのか、コストはどのくらいかかるのか、といったことだ。また多くのワクチンは、引き続き第4相試験と呼ばれる、無期限で続けられる研究の対象となる。  どのワクチンが最終的に成功するかを断じるのは時期尚早ではあるが、以下に、第3相臨床試験以降に進んだ有力候補を紹介しよう。

モデルナ社

【ワクチン名称】mRNA-1273 【開発母体】米マサチューセッツ州に本社を置くバイオテクノロジー企業。米国立衛生研究所と共同開発。 【どんなワクチンか】ウイルスの遺伝物質(この場合はmRNA)の断片をヒト細胞に注入するタイプのワクチン。この断片がコロナウイルスを模したウイルスタンパク質を作り、コロナウイルスの存在を認識するよう免疫系を訓練する。この技術はこれまで、どの疾患に対しても承認された実績がない。もし成功すれば、ヒトへの使用が承認された初めてのmRNAワクチンとなる。 【現状】7月27日、モデルナ社は第3相臨床試験を開始したと発表。ただし、第2相試験の結果も引き続き観察するとしている。第1相試験の予備的な結果は、健康な被験者がコロナウイルス抗体を産生し、またヒト免疫反応のもう一つの武器であるT細胞からの反応も得られたことを示している。第3相試験においては、米国で3万人の協力者に対してワクチン投与が行われる。モデルナ社は、2021年以降、少なくとも年間5億回分のワクチンを製造できる見込みだと発表している。その理由の一つとして、スイスの製薬会社ロンザ社との契約によって、年間最大10億回分のワクチン製造が可能になったことを挙げている。

ファイザー社

【ワクチン名称】BNT162b2 【開発母体】米ニューヨーク州に本社を置く世界最大級の製薬会社。ドイツのバイオテクノロジー企業ビオンテック社と共同開発。 【どんなワクチンか】ファイザー社とビオンテック社の候補ワクチンも同じくmRNAワクチンであり、ビオンテック社が過去、同技術を実験的ながんワクチンに用いた実績に基づいて開発が進められている。ファイザー社は米国政府と、2020年12月までに1億回分のワクチンを提供する契約を約20億ドルで結んでいる。この契約は、ワクチンが承認・供給された時点で発効する。 【現状】7月27日、ファイザー社とビオンテック社は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の伝播が著しい地域の多様な集団を対象とする、第2相と第3相を兼ねた試験を開始。米国39州、ブラジル、アルゼンチン、ドイツにおいて、対象者3万人におけるワクチンの効果を検証する。同プロジェクトは、早ければ2020年10月に規制当局に承認申請し、2021年末までに13億回分の供給を目指している。第1および第2相試験データの予備的な結果は、このワクチンが新型コロナウイルスのタンパク質に特異的な抗体とT細胞応答を産生することを示している。

オックスフォード大学

【ワクチン名称】ChAdOx1 nCoV-19 開発母体】英国の大学。英バイオ製薬大手アストラゼネカ社と共同開発。 【どんなワクチンか】オックスフォード大学のワクチン候補は、ウイルスベクターワクチンとして知られているもので、いわば免疫系に提示される「トロイの木馬」のような働きをする。同大学の研究チームは、コロナウイルスが細胞に侵入するのを助ける新型コロナウイルスのスパイクタンパク質を、風邪の原因となるアデノウイルスを弱毒化させたものに移植。このアデノウイルスをヒトに注射することによって、スパイクタンパク質が免疫反応を引き起こすことを狙う。アストラゼネカ社とオックスフォード大は、10億回分の生産を予定し、原価で販売することで合意している。 【現状】第1相、第2相臨床試験の予備的な結果は、このワクチンが、抗体の増加やT細胞からの強い免疫反応を誘発したこと、また副作用は倦怠感や頭痛などの軽度なものであったことを示している。現在は第3相臨床試験に進んでおり、ブラジル、英国、米国、南アフリカで、最大5万人の志願者を採用することを目指している。

シノバック・バイオテック(科興控股生物技術)社

【名称】CoronaVac 【開発母体】中国のバイオ製薬企業。ブラジルのブタンタン研究所と共同開発。 【どんなワクチンか】CoronaVacは不活化ワクチン、つまり感染力をなくしたコロナウイルスを利用するワクチンだ。不活化された病原体は病気を引き起こすことはないが、年に1度接種するインフルエンザワクチンと同じように、免疫反応を引き起こせる。 【現状】7月3日、ブラジルの規制当局はCoronaVacに対し、第2相試験の結果を引き続き観察しつつ、第3相試験に進むことを承認した。シノバック・バイオテック社によると、第1相、第2相試験ではこれまでのところ、同ワクチンが重篤な副作用を伴わない免疫反応を引き起こすことが示されているという。学術誌「サイエンス」に掲載された、サルを用いた初期試験の予備的な結果では、このワクチンが10種類の新型コロナウイルスの株を中和する抗体を産出することが明らかになっている。第3相試験では、ブラジルの医療従事者から約9000人を採用する予定だ。

シノファーム(中国医薬集団)社

【ワクチンの名称】なし 【開発母体】中国の国有製薬会社。中国、武漢生物製品研究所と共同開発。 【どんなワクチンか】シノファーム社もまた、不活化新型コロナウイルスワクチンを採用し、2020年末までの一般市民への提供を目指している。同ワクチン候補の初期試験では、参加者に強い中和抗体反応が誘発され、重篤な副作用はみられなかった。 【現状】7月中旬、シノファーム社はアラブ首長国連邦(UAE)において、18~60歳の、基礎疾患のない志願者1万5000人を対象に第3相試験を開始。シノファーム社がUAEを選んだのは、同国がおよそ200カ国から集まった多様な人口を抱えている点が、試験場所として理想的であったためだ。

マードック子供研究所

【名称】BCGワクチン 【開発母体】オーストラリア最大の子供の健康に関する研究機関。メルボルン大学と共同研究。 【どんなワクチンか】過去100年近くにわたり、結核の予防に用いられてきたBCGワクチンは、弱毒化した生きたウシ型結核菌(カルメット・ゲラン桿菌)だ。長年の間に、この生ワクチンが免疫系を刺激することで、体が結核以外の病気を撃退する際の助けとなる可能性を示す証拠が見つかっている。研究者らは、こうした利点が新型コロナウイルスに対しても有効かどうかを調べており、現在、オーストラリアで第3相試験が行われようとしている。ただしWHOは、4月12日の時点で、BCGワクチンがコロナウイルス感染症から人々を守る証拠はないと述べている。 【現状】4月、マードック子供研究所の研究者らは、BCGがコロナウイルスにも効果を発揮するかどうかを確かめる一連のランダム化比較試験を開始。研究のために1万人の医療従事者の採用を目指している。

カンシノ・バイオロジクス(康希諾生物)社

【名称】Ad5-nCoV 【開発母体】中国の製薬スタートアップ。 【どんなワクチンか】カンシノ・バイオロジクス社もまた、弱毒化したアデノウイルスを用いて、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質を体内に導入するウイルスベクターワクチンを開発している。医学雑誌「ランセット」に掲載された第2相試験の予備的な結果は、このワクチンが「1回の接種で大多数の患者に有意な免疫反応」を誘発したことを示している。重篤な副作用は報告されていない。 【現状】同社は厳密にはまだ第2相試験の段階にあるが、6月25日、限定的にヒトへの使用が承認された。中国政府はこのワクチンを軍隊でのみ、1年間使用することを認めている。

文=AMY MCKEEVER/訳=北村京子

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日本のコロナ死亡率、欧米より大幅に低い7・5% 持病の少なさ影響か

https://news.yahoo.co.jp/articles/2daf0860ddb41dc116813d664490de5cf4b10a7c

8/6(木) 18:12配信 産経新聞

 新型コロナウイルスに感染した国内の入院患者の死亡率は7・5%で、20%台の欧米などと比べ非常に低いことが国立国際医療研究センターの大規模調査で6日、分かった。原因は不明だが、欧米と比べ糖尿病や肥満の割合が少ないことが影響している可能性があるといい、今後詳しく解析して重症化の予防などに役立てる。 【グラフ】7月の新規感染者推移  調査は、流行の第1波を中心とした7月7日までに陽性と判定された全国の入院患者2638人を対象に、治療の経過などを分析。患者は中高年が中心で、死者数は197人だった。国内の新型コロナ患者の調査としては最大規模という。  海外の死亡率と比較した結果、中国が28%、英国が26%、米ニューヨーク州は21~24%で、日本は桁違いに低かった。日本の死亡率の低さはこれまでも知られていたが、学術的な調査で裏付けた形だ。  一方、患者が別の病気にかかっている割合を調べたところ、糖尿病は日本が16・7%なのに対し、英国は30・2%、米国は28~35%に達する。肥満と診断された割合も日本が5・5%なのに対し、英国は9%、米国は40%で、いずれも日本の低さが目立った。  今回は中間報告のため、死亡率が低い原因は分析していないが、同センターの早川佳代子・総合感染症科医長は「糖尿病や肥満は重症化に関連しているとの報告が海外でも相次いでいた。日本の割合が非常に低かった点にヒントが隠されているのかもしれない」と指摘した。  同センターは現在も調査を継続しており、登録した患者は8月3日時点で約4800人に達した。今後さらに分析を進め、治療薬として期待される薬の有効性なども調べる。