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ワクチン

ワクチン3回目接種、米が承認 免疫力低下している人など対象

https://news.yahoo.co.jp/articles/a5abe65f67e32bd2ca1f4f947c5314b3f5d949b6

2021/8/13(金) 14:04 ロイター

[12日 ロイター] – 米食品医薬品局(FDA)は12日、ファイザーとモデルナ製の新型コロナウイルスワクチンについて、免疫力が低下している人を対象に3回目の追加接種(ブースター接種)を認めた。 イスラエルやドイツなどでは、感染力の強いデルタ株の広がりを抑制するため、3回目の接種を計画もしくは実施している。 ただ、3回目の接種を巡っては、その効果がまだはっきりしていないために専門家の間では意見が分かれている。 ファイザーはビオンテックと共同開発したコロナウイルスのワクチンについて、時間の経過に伴い効果が低下するとしている。 モデルナもワクチン接種を完了した人でデルタ株感染が確認されたことから、最終的には追加接種が必要になるとの見方を示している。 FDAは12日、ワクチンの緊急使用認可を修正し、臓器移植を受けた人や免疫力が低下している人などへの追加接種を認めた。 多くの国ではワクチンが依然不足しているものの、一部の裕福な国はブースター接種に動いている。世界保健機関(WHO)は先週、ワクチン不足への懸念から、ブースター接種を9月末までは中止すべきだとの見解を示した。

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ワクチン

コロナワクチン2回接種で発症0.4% 重症・死亡なし 大阪府分析

https://news.yahoo.co.jp/articles/004d96ce44b17c68990555677457c8b3dca9d9ec

2021/8/19(木) 0:01 産経新聞

大阪府は18日に開いた新型コロナウイルス対策本部会議で、3月以降に確認された新規感染者計約8万5千人のうち、ワクチンを接種した人は全体の2・5%の2118人だったとの分析結果を公表した。2回目のワクチン接種後、免疫を獲得するとされる2週間以上が経過して発症した人は317人(0・4%)で、重症者や死亡者はいなかった。府はワクチン接種が感染や重症化の予防に効果があるとみて、データ収集と分析を続ける。 【表で比較】3社のコロナワクチンの特徴 府によると、感染「第4波」の起点とする3月1日から8月15日までに判明した感染者8万5325人の中で、1回以上接種して感染した人は2118人(2・5%)。このうち、1801人は1回接種したか、2回接種後2週間たたないうちに発症した人らで、15日までのデータに基づく重症化率は1・7%、死亡率は1・0%だった。未接種などの8万3207人では重症化率は2・4%、死亡率は1・9%。 府は接種歴をもとに、年代別に人口10万人あたりの新規感染者数を算出。65歳以上は未接種が108・3人、2回接種後2週間以上経過したのは5・5人▽40~64歳は未接種256・1人、2回接種10・4人▽30歳以下(年齢不明含む)は未接種352・8人、2回接種34・9人-と、いずれも顕著な差がみられた。 府によると、15日までに府内で2回接種を完了した人の割合(接種率)は65歳以上が81・0%、60~64歳が45・7%、40~50代が15・9%。6月21日からの感染「第5波」で8月17日までに確認された重症者は294人に上り、40~50代が53・1%を占めた。 吉村洋文知事は対策本部会議後の記者会見で、「ワクチンを2回打って14日たてば発症自体を抑え、重症化や死亡リスクを下げる効果が非常に高い」と述べ、接種を呼びかけた。

引用:産経デジタル

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感染症ニュース 社会問題

五輪選手村で連日“野外パーティ”の乱痴気騒ぎ動画 組織委も警察も制御不能の呆れた実態

https://news.yahoo.co.jp/articles/c8d345b0b70097999820569cd8bf5fd8a6ed72ad

2021/8/3 デイリー新潮

「夜の選手村はもはや無法地帯です。連日、深夜まで外国人選手たちは野外パーティーで大騒ぎ。いつクラスターが発生してもおかしくない状況なのに、組織委は彼らをまったく制御できていません」。こう告発するのは、ある大会関係者である。「デイリー新潮」が独自入手した動画には、警察が出動する飲酒トラブルが発生した現場で、マスクもせず、”密”に踊る外国人選手たちの姿が映っていた。 【写真】大音量のラテンミュージックが流れるなか、酒を煽りパーティーを楽しむ選手たち。密着する男女も……  ***

深夜1時に聞こえてきた「ハッピーバースデー」

パラレルワールド」。こんな表現で例えられる東京・晴海の選手村。出島のような形をした区域は厳重なセキュリティに守られ、関係者以外は一切立ち入れない。  8月2日深夜0時。選手村の様子を伺おうと、運河を挟んでおよそ100メートルの距離にある「豊海埠頭」に行ってみた。右手にはレインボーブリッジが浮かぶ東京湾の夜景が広がる。埠頭一帯は静まり返っているが、耳をすましていると、潮風に乗って対岸から人声が聞こえてきた。 「オーオッ! オーオッ!」「イエーイ!」「キャハハハ」  時々、闇夜に響く口笛。明らかに複数の男たちが屋外で騒いでいる。30分くらい様子を窺っていると、「ハッピーバースデートゥーユー」の大合唱が聞こえてきた。どこから聞こえてくるのか場所を特定したいが、建物に隠れてよく見えない。逆側の豊洲市場のある対岸にも回ってみたが、やはり確認できなかった。 「対岸からは消防署などの施設が邪魔して見えません。ドローンを飛ばすか、レインボーブリッジから超望遠カメラを使うしかありませんよ」  こう語るのは、選手村の事情に詳しい大会関係者である。 「彼らが騒いでいる場所は、選手村の中の海に面した晴海埠頭公園のあたりです。マスコミが取材できないのをいいことに、一部の選手たちが、毎晩、ここでどんちゃん騒ぎを繰り広げているのです。野外パーティーは開会式から4、5日経った27日頃から始まりました。毎晩、深夜まで公園内の至るところで行われています。おそらく競技が終わった選手たちが中心になってやっているのでしょう。今大会は、競技が終わった選手は順次、48時間以内に選手村を出ていかなければなりません。外に出歩くこともできない彼らは、こうして東京の”ラストナイト”を楽しんでいるのです」

デリバリーで酒を入手

 確かに5年の月日を捧げた試合を終え、息抜きしたくなる選手たちの気持ちもわからなくはない。バブル方式が採られた今大会では、一部に違反者が出ているが、観光も禁止だ。せっかく異国にやってきたのに、競技会場と宿舎の移動だけで即帰国というのもかわいそうではある。  とはいえ、コロナ禍で行われた異例の大会なのだから仕方あるまい。組織委も、選手村の中での飲酒自体を禁じているわけではない。選手村内でもデリバリーなどで酒を購入することは可能。そのかわり「部屋の中で一人で」(前出の関係者)というのがルールだ。  だが、関係者が提供してくれた数十秒間の動画には、お目こぼしなどでは到底済まされない乱痴気騒ぎが映っていた。

大音量のラテン音楽に乗って密着する男女

 レインボーブリッジの夜景が広がる野外で、両手を振り上げながら楽しそうに踊る30人くらいの男女。大音量のラテンミュージックが流れ、みなノリノリだ。傍らにはビール缶や酒瓶。はっきり顔までは確認できないが、白人や黒人が入り交じってパーティーを楽しんでいる。密着しながら腰を振るカップルも。全員がノーマスクだ。 「これは7月31日深夜に撮影されたものです。この後ここで、最寄りの所轄である月島署が出動する飲酒トラブルが発生しました。騒ぎは新聞、テレビでも報じられましたが、真相とはかなりかけ離れている。組織委や警察が事態を矮小化して発表し、メディアもそれを鵜呑みにして、小さく扱っているような気がしてなりません」(同)  例えば、「FNNプライムオンライン」は「選手村・飲酒トラブル」についてこう報じている。 〈東京オリンピックの選手村で、外国人選手が関わる酒をめぐるトラブルがあった。7月31日午前2時ごろ、選手村の路上で、複数の外国人選手が酒を飲んで騒いでいて、大会関係者とトラブルになり、警察に通報があった。選手村での酒をめぐるトラブルで警察に通報があったのは初めてで、警察官が駆けつけると、選手たちはいなくなっていたという〉(8月1日)  だが、大会関係者は「こんな報じ方では、選手村で起きている実態がまったく伝わらない」と憤る。 「動画に映っていたパーティーは、厳密には公園の脇で行われていました。この日、この集団とは別に、公園の中でも100人くらい、各国の選手たちがいろいろなグループに分かれて、どんちゃん騒ぎをしていました。月島署が出動したのは午前2時ですが、午後10時くらいからずっと。組織委の警備関係者も、選手村の警備担当である大阪府警の警官たちも、周囲を守っているだけで注意すらしなかった末に起きたトラブルだったのです」(同)

選手が組織委スタッフの足首を捻挫させた? 

 なぜ大阪府警が現場にいながら、月島署の署員が駆けつける騒ぎになったのか。複数の報道によれば、騒ぎを注意しようとした組織委の警備関係者と選手との間で、小競り合いがあったようだ。その際、職員が足首を捻挫したとの一部報道もあるが、 日刊スポーツによれば、騒動が収まった後の移動中に負った怪我で、飲酒した選手との関係はないという。 「いずれにしても、事件化するような大ごとにはならなかったのでしょう。でも、それをいいことにこの乱痴気騒ぎは表沙汰にならず、不問にされてしまったのです。その結果、夜の選手村は無法地帯のまま。騒ぎが起きているのが夜間、警備担当の語学能力、そして何よりも縦割りの組織運営に原因があると思われますが、こんな体たらくでは感染拡大を防ぐために作った『プレーブック』など意味をなしません」(同)  確かに冒頭で紹介した、記者が対岸から耳にした様子は、警察沙汰が起きた二日後のことだ。警察の目など外国人選手たちは意にも介してないのだろう。「これでは、閉会式までにいつ大規模クラスターが起きてもおかしくない」と大会関係者は訴えるのである。

組織委は取材に回答せず

 組織委に、警察沙汰になったトラブルの詳細、野外パーティーに対する見解などを聞いたが、期限までに回答はなかった。  開会式のごたごたに続き、炎暑対策の不備など次々と問題が噴出してくる東京五輪。もはや組織委は機能不全に陥っているのかもしれない。

デイリー新潮取材班 2021年8月3日 掲載

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感染症ニュース 社会問題

入国後の待機期間に健康確認など応じず、日本人3人の氏名を厚労省が公表

https://news.yahoo.co.jp/articles/ca01f1c637497da9fd918537d49c1c712b3ffe15

2021/8/2 読売新聞オンライン

 新型コロナウイルスの水際対策として、海外からの入国後の待機期間中に求めている健康確認などに一度も応じず、誓約書に違反したとして、厚生労働省は2日、20~30歳代の日本人3人の氏名を同省ホームページで初めて公表した。 【図表】ファイザー製ワクチンの副反応、予想以上に年代間で差

 発表によると、3人はいずれも先月21日に韓国や米国から入国し、空港検疫では陰性だった。3人は熊本、埼玉、東京の3都県を待機場所として申請している。

 政府は今年1月、感染力の強い変異ウイルス対策で、全入国者に対し、検疫法に基づいて14日間、自宅や宿泊施設で待機するよう要請。待機期間中はスマートフォンのアプリで健康状態や位置情報の確認、ビデオ通話での連絡に応じるという誓約書の提出を求めている。この誓約書に違反すれば、氏名公表に踏み切ることや、外国人であれば強制送還される場合もあるとしてきた。

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感染症ニュース

自宅療養が3万人に急増 6都府県、10日余りで3倍に

https://news.yahoo.co.jp/articles/4e2f2e4de171dde47a1e9540203a954f6cb94da2

2021/8/2 KYODO

 緊急事態宣言が発令された6都府県で、新型コロナウイルスに感染して自宅療養している人が約3万人に上ることが2日、分かった。先月21日時点では約9千人で、わずか10日余りで3倍に急増した。感染力の強いインド由来のデルタ株による「第5波」で感染拡大に歯止めがかからないことが背景。自宅療養者がさらに増える可能性があるほか、医療提供体制の逼迫も懸念される。 政府、肺炎など中等症も自宅療養 原則入院を転換、重症者に限定

 緊急宣言下の埼玉、千葉、東京、神奈川、大阪、沖縄の6都府県が公表した、今月1日時点(神奈川は7月31日時点)の自宅療養者数をまとめた。6都府県の合計は3万275人。

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感染症ニュース 社会問題

入院患者以外は原則自宅 政府、宿泊療養を限定 感染増加地域

https://news.yahoo.co.jp/articles/edd30c6822606bf8869572c6ddb5906922e957c1

2021/8/2 毎日新聞

 新型コロナウイルス感染症への対応で厚生労働省は2日、感染者の多い地域では原則、入院対象者を重症患者や特に重症化リスクの高い人に絞り込み、入院しない人を原則自宅療養とすることを可能とする方針を公表した。東京都を中心に感染者数が急増し、医療現場が逼迫(ひっぱく)しているためで、宿泊療養も事情がある場合などに限定する。 【世界の5つの変異株】感染力、ワクチンの有効性は  これまで「原則」だった入院や宿泊療養が自宅療養に変更され、事実上の方針転換になる。重症化リスクの高い高齢の感染者の減少や、デルタ株の広がりに伴う感染者増を背景に、病床逼迫を避ける狙いがある。ホテルなどでの宿泊療養も「家庭内感染の恐れや事情がある場合に活用」と対象者を絞り込むことになる。  ただ、入院となる「重症化リスク」の基準などは明示されず、自治体など現場の裁量に委ねられ、線引きでの混乱も予想される。政府関係者は「このままではベッド、宿泊療養施設の数が足りなくなる」と語った。  今後、中等症患者をはじめ、自宅療養者の状態の把握や容体の急変への対応が課題となる。自宅療養者の把握についてはパルスオキシメーターの配布や自宅療養者への往診、オンライン診療などを通じ強化する。そのため、自宅・宿泊療養者への往診について、医療機関の収入となる「診療報酬」を加算。同時に、症状が悪化した場合は速やかに入院できる体制を確保するとしている。重症化を防ぐ治療薬「抗体カクテル療法」についても50代以上や基礎疾患がある人、在宅患者に活用を進める構えだ。  菅義偉首相は2日夕、西村康稔経済再生担当相らと関係閣僚会合を開き、「感染者数が急増する中で医療提供体制を機能させることが最大の課題」と述べた。  確保病床の利用率は1日現在、東京都で49%のほか、埼玉57%▽千葉53%▽神奈川52%▽大阪36%――と首都圏を中心に高まっている。

【神足俊輔、川口峻】

◇  本記事では、当初「重症者については入院のための病床を確保するが、中等症や軽症者に関しては自宅療養を基本とする内容」としていたのを「入院対象者を重症患者や特に重症化リスクの高い人に絞り込み、入院しない人を原則自宅療養とすることを可能とする方針」と修正しています。取材の過程で、中等症の人を一律自宅療養とするわけではないことが判明したためです。

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感染症ニュース

接種70%でも集団免疫は困難との見通し 尾身氏が発言

https://news.yahoo.co.jp/articles/fe895139e37ef977f61ac06cf52beadf869ba58b

2021/7/29 朝日新聞DIGITAL

 免疫をもっていない人にも予防効果が及ぶ「集団免疫」について、政府の新型コロナ分科会の尾身茂会長は29日、衆院内閣委員会の閉会中審査で、「仮に国民の70%に(ワクチン接種を)したとしても、残りの30%の人がプロテクトされることでは残念ながらないと思う」との見解を示した。 【データで見るコロナワクチン】日本の接種状況は? 都道府県の状況も一目でわかる  理由として、尾身氏は「直面しているデルタ株(インドで確認された変異株)の感染力が強いので、30%の人々の中で伝播(でんぱ)が継続する」と話した。  さらに、ワクチン接種後の免疫の持続期間については「数カ月後ぐらいになると、だんだん減少してきて、また感染するということがある」とも述べた。  新型コロナの場合、初期の分析から試算すると、少なくとも人口の6~7割の接種率が必要と考えられている。菅義偉政権はワクチン接種を「切り札」と位置づけるが、尾身氏の発言は、感染力の強い変異株が広がるなかでは不十分だとの認識を示したものだ。  実際、国民への接種が進む英国でも、感染者数が再び増えている。

朝日新聞社

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ワクチン 感染症ニュース

コロナワクチンの「接種後感染」、重症化は極めてまれ、米CDC

https://news.yahoo.co.jp/articles/8150b80b1c0978d4aa55958b7bae37d276bb5a68

2021/7/28 NATIONAL GEOGRAPHIC

米疾病対策センターがデータを発表、ワクチンはデルタ株にも依然有効

米カリフォルニア州サンタモニカのAppleストア内で、新型コロナ感染予防のためにマスクを着けて順番を待つ人々。専門家は、ワクチンの接種を完了してもマスクを着けてウイルスを防ぐよう推奨している。(PHOTOGRAPH BY GENARO MOLINA)

 米国ワシントンD.C.の国会議事堂から東京のオリンピック選手村まで、ワクチン接種を済ませた人々の間で新型コロナ検査の陽性例が出ていることから、いわゆる「接種後感染(ブレイクスルー感染)」への懸念が高まっている。それにともない、新たな変異株へのワクチンの効果や、効果の持続期間などが取り沙汰されるようになった。 ギャラリー:腸チフスのメアリーから不遇の天才医師まで「感染症、歴史の教訓」 画像20点  米国内でブレイクスルー感染がどれほど起こっているかは、正確には判断できない。なぜならデータは不完全で、一貫した追跡調査も行われていないからだ。しかし、米疾病対策センター(CDC)がこのたび発表した7月19日時点のデータによると、重いブレイクスルー感染が起こる割合は極めて低い。  1億6100万人を超える米国内のワクチン接種完了者のうち、新型コロナ検査で陽性だった入院および死亡例の報告は5914件であり、これはワクチン接種を完了した人の0.004%未満だ(編注:ほかの疾患で入院または死亡し、検査の結果陽性が判明した例も含む)。  一般に「ブレイクスルー感染」とは、ワクチンを適切に接種した人々が新型コロナに感染した例(無症状例含む)を意味し、「ブレイクスルー疾患」は、そのうち体調が悪くなった例を指す。疾患にまで至るのは、ワクチンで強い免疫が得られない場合、免疫が時間とともに低下した場合、もしくはワクチン接種によって得られた抗体を避けるように進化したと思われる株にさらされた場合だと、ニューヨーク、ロックフェラー大学の臨床医科学者ロバート・ダーネル氏は述べている。  100%有効なワクチンというものは存在しない。ブレイクスルー感染や疾患はどんな病気でも起こり得る。なぜならウイルスは常に進化しており、インドで最初に報告され、現在は米国の新規感染例の83%を占めるデルタ株のような、ワクチンを回避する能力が高い新たな株が登場するからだ。  それでも、米国で認可されているワクチンはどれも、新型コロナ感染症による入院や死亡のリスクを大幅に軽減してくれる。現在新型コロナで入院している患者の97%以上はワクチンを接種していない人たちだと、CDC所長のロシェル・ワレンスキー氏は言う。 「感染者の割合は、ワクチンを接種していない人の方が圧倒的に高く、接種済みの人は低いという状態が続いています。接種した人も感染するというのは、単にゼロではないという意味です」と、テキサス、ベイラー医科大学の感染症内科医ステイシー・ローズ氏は述べている。 「わたしが懸念するのは、ブレイクスルー感染があるならワクチンを受けてもしょうがないという印象を人々が持ってしまうことです。ワクチンを接種すれば、たとえそれがデルタ株であっても、新型コロナに感染するリスクを下げてくれるのは事実です」

ブレイクスルー感染例の把握が難しい理由

 CDCは当初、軽症や無症状のブレイクスルー感染の報告も集めていたが、その方針を5月に変更し、ブレイクスルー感染による入院または死亡例のみを対象とするようになった。  ブレイクスルー感染に統一された基準がなければ、感染者数の確認は、州、病院、個々の施設などそれぞれのやり方に委ねられる。そのせいで、各ワクチン間での比較が難しくなったと、カリフォルニア大学サンディエゴ校の感染症内科医・病院疫学者のフランチェスカ・トリアーニ氏は言う。  施設によっては、無症状例の検査を行っている。その一方で、症状がある場合のみ検査をする施設もあるが、その基準でさえ施設によって異なる。  また、ワクチン接種率が低く、感染率が高い地域ではブレイクスルー感染が起こりやすい。各自の行動や免疫が原因で、そもそもより感染しやすい人々もいる。こうした条件の違いがあると、ワクチンの効果の比較は難しくなる。  そして、ワクチン未接種で感染の可能性が高い人たちが一定数いるという状態は、コロナウイルスに対し、今後もワクチンを回避できるよう進化するチャンスを与え続けてしまう。 「全員がワクチンを接種すれば進化は起こらず、ウイルスは去っていくでしょう」とダーネル氏は言う。「ワクチン接種は、麻疹(はしか)を基本的に根絶させ、ポリオ(小児まひ)をほぼ根絶に追いやった手段です。それはコロナでも可能です。この状態に終止符を打てるのです」  7月22日付けの医学誌「New England Journal of Medicine(NEJM)」に、医療従事者、救急隊員、現場作業員ら、定期的に検査を受けている約4000人のうち、204件の感染例があったという論文が発表された。感染者のうちワクチンの接種を終えていたのはわずか5人(2.4%)だった。

ワクチンによる差はあるのか

 一部のデータや記事では、特定のワクチンが、特に新たな変異株に対して効果が低いことが示唆されている。しかし、情報は急速に変化しており、変動する要素が多く、データも不完全なことが多いと、ダーネル氏は言う。  多くの州が州内におけるブレイクスルー感染例をカウントしているものの、地域レベルであっても、データはワクチンの種類別に記録されているわけではないと、ワシントン州保健局の広報担当者テリーザ・マッカリオン氏は言う。また、接種スケジュールのばらつきや、各ワクチンを接種した人の数や集団の違いといったさまざまな要因が、統計の処理を難しくする。 「ワクチンの種類別のデータを示すことはしません。なぜなら、ブレイクスルー感染は現在承認されている3つのワクチンすべてに関連が見られるからです」とマッカリオン氏は言う。「それが、ブレイクスルー感染の数をワクチン間で直接比較することを難しくしています」  ワクチンの種類別のブレイクスルー感染に関する一貫したデータがないことから、一部の研究者は、別の方法でワクチンの有効性を調査している。  まだ査読前であるものの、7月21日付けで論文投稿サーバー「bioRxiv」に、ある研究結果が発表されて注目を集めた。ジョンソン・エンド・ジョンソン社のワクチンを1回接種した10人と、ファイザー社のワクチンを2回接種した17人の血液サンプルを分析したところ、前者の方が、デルタ株を含む新規変異株に対する抗体の反応が弱かった。  この研究はニューヨーク・タイムズ紙をはじめメディアで大きな話題となったが、サンプルが少ないこともあり、結論を出すには早すぎるとダーネル氏は言う。ほかの研究ではこれと相反する結果が出ているとも、氏は付け加えている。  2021年3月に行われた、カリフォルニア大学サンディエゴ校およびロサンゼルス校で定期的に検査を受けていた1万5000人近くの医療従事者の分析では、ワクチン接種から15日以上経過した後、検査で陽性を示したのはわずか7人であり、陽性率は0.005%だったと、トリアーニ氏らは5月6日付けで「NEJM」に発表している。  サンディエゴ校では現在、デルタ株が主流となっているが、ブレイクスルー感染はワクチンを接種していない人たちが感染した場合に比べるとはるかに症状が軽く、回復も早いという。ワクチンを接種した人の入院は極めてまれであり、死亡した例もない。  デルタ株には警戒が必要だ。デルタ株はどうやらあらゆるワクチンを回避する能力にすぐれており、また、米国内でブレイクスルー感染者の周りで感染者が増加しているという事実は、ワクチンを接種した人たちもウイルスを感染させる可能性があることを示していると、ダーネル氏は言う。そして、デルタ株はとりわけ感染力が強い。  それぞれのワクチンに違いはあっても、正確な比較にはさらなる研究が必要だ。ダーネル氏は言う。「産業界の企業と学術界の臨床医科学者とが協力できれば非常に有益でしょう。われわれにはもっと科学が必要なのです」  データが蓄積されるのを待つ間、子どもや免疫系が弱い人たちを含むあらゆる人を守るうえで、ワクチン接種が最善の方法であることに変わりはないと、ローズ氏は言う。  ワクチンを接種することの方が特定のワクチンを選ぶことよりも重要であり、「どのワクチンも優秀です」とトリアーニ氏は指摘する。

文=EMILY SOHN/訳=北村京子

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感染症ニュース

都内の感染最多「高齢者の割合低い」 局長が異例の説明

https://news.yahoo.co.jp/articles/a28e04e5b6b46f85897805f436d6adbdf0115d78

2021/7/28 朝日新聞DIGITAL

 東京都で27日、新型コロナウイルスの感染者が過去最多となる2848人確認されたことを受け、都の吉村憲彦福祉保健局長が同日夜、記者団に説明する場を設けた。吉村局長は、重症化しやすい高齢者の感染が減っていることなどを挙げ、「第3波のピークとは感染状況の質が違う。医療に与える圧迫は違うと考えている」と述べた。 【写真】東京都の新規感染者数の推移  1日あたりの新規感染者数をめぐって、担当局長が取材に応じるのは異例。  吉村局長は、第3波で感染者数がピークとなった1月7日(2520人)では全体の14%を占めた60代以上の感染者が、7月27日には5%まで減ったと強調。「医療提供体制がにっちもさっちもいかなくなって、死者がばたばた出ることは現状ないと思っている。いたずらに不安をあおるようなことはしていただきたくない」と訴えた。 ■「五輪、大きな影響あるとは考えず」  病床が逼迫(ひっぱく)した第3波では、高齢の感染者の入院先が見つからず、自宅待機中に亡くなるケースも相次いだ。

朝日新聞社

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感染症ニュース

【解説】デルタ株“水ぼうそうに匹敵”の強い感染力か 1人の感染者から『5人~9.5人』

https://news.yahoo.co.jp/articles/1855812a9506e6ae78c160e32734b60ce0d7b29b

2021/8/2 0テレNEWS24

2日から緊急事態宣言の対象地域が拡大されました。これまでにない新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、デルタ株の感染力の強さを示すデータが明らかになりました。 【動画でみる】デルタ株感染力 1人から9人に?     ◇

都内の自宅療養者急増 過去最多に

日テレNEWS

まずは最新の感染状況です。東京では1日、新たに3058人の感染が確認されました。3000人を超えるのは5日連続。先月31日には、初めて4000人を超えました。 そして、都内の重症者は101人となりました。100人を超えるのは2月14日以来で、この1か月でみると2倍にまで増えています。一方で自宅療養者も急増していて、1万1018人と過去最多となりました。 医療現場の負担、自宅療養者をフォローする保健所の負担が増加する中で、都の担当者は「こういった状況がいつ収まるのか予測できない」と危機感を募らせています。

都内の人出 繁華街は減少も行楽地は増加

そして、夏休みシーズンで街の人出がどうなっているか。都内の1日午後3時台の人出です。 1週間前と比べて、渋谷センター街でマイナス21.7%など、データが公開されている22地点のうち、16地点で減少していました。一方、お台場でプラス17.8%、神奈川・江の島でプラス65.8%と行楽地で増加している状況です。 専門家からは「危機感が伝わりにくい状況だ」という指摘がありますが、感染状況はどんどん深刻化しているのが現実です。 1日は全国で新たに1万176人の感染が確認され、4日連続で1万人を上回っています。そして、5人の方が亡くなりました。 2日から緊急事態宣言の対象となった地域をみていくと、神奈川は1258人、埼玉は899人と日曜日としては過去最多の人数となりました。千葉は3日連続で700人台、大阪は890人でした。

全国知事会 都道府県境をまたぐ移動、原則『中止か延期』を

日テレNEWS

深刻な状況が続く中、1日開かれた全国知事会で知事らは危機感をあらわにしました。 大阪・吉村知事「デルタ株の感染拡大力は非常に強い、非常に危機的な状況」 神奈川・黒岩知事「医療崩壊が直前に迫っている」 全国知事会では、国に対する緊急提言が取りまとめられました。 提言では、お盆の帰省を含め、夏休み中の都道府県境をまたぐ移動は原則中止か延期にするよう、国民に対し強く呼びかけるよう求めています。 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出されている地域に限った話ではなく、すべての都道府県に対してです。 ただ、特に感染が拡大している地域からそうでない地域に感染を広げることは避けなければなりません。

『デルタ株』 水ぼうそうに匹敵の強い感染力か

日テレNEWS

東京都の小池知事は1日、都民に対して改めて感染対策の徹底を求めたうえで、「いつかかってもおかしくない。若くても重症化するぐらいの威力を持った『デルタ株』を相手に我々は今、闘っている」「デルタ株は非常に強敵なんだという認識を共有したい」と話していました。 このデルタ株が、いかに脅威かを示すデータが明らかになりました。アメリカのCDC(=疾病対策センター)の報告書です。 1人の感染者から何人に感染を広げるか。 通常の風邪は『2人』。季節性インフルエンザは『1人強』。そして、新型コロナウイルスの従来株は『1.5人~3.5人』とされています。しかし、デルタ株では『5人~9.5人』という結果でした。 身近なところでいうと、極めて感染力が強い水ぼうそうが『8人強』なので、水ぼうそうに匹敵するということです。 さらに、デルタ株の場合「ワクチン接種を終えた人でも、接種をしていない人と同じように感染を広げる可能性がある」という報告もありました。 ワクチン接種により、重症化するリスクは10分の1に減るということですが、ただ、感染するリスクは3分の1程度にとどまるという結果だったんです。 つまり、ワクチン接種は感染自体の予防としてはそこまで効果がない可能性があるというんです。とはいえ、3分の1にまでは抑えられる、ということもおさえておきたいです。

ワクチン接種も“感染広げるリスク”高い

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さらに、感染を広げるリスクについて。 ワクチン接種した後に感染した場合と、接種していない状態で感染した場合を比べた時に、体内に保有するウイルス量は『同じ程度』ということも明らかになりました。つまり、ワクチンを接種しても感染を広げるリスクが高いということです。 CDCは「ウイルスとの戦いが変化したと認識すべき」としています。 ワクチンの効果はありますが、接種したあともマスクなどの感染対策を続けることが重要だということです。 都の担当者は「いままで以上に、どこで感染するかわからないぐらい市中に感染が広まっていることを認識してほしい」と話していました。 ひとりひとりが、この危機的状況を自分事だととらえて、この夏を過ごすことが収束へのカギとなります。

2021年8月2日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より