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日本でも確認された「ラムダ株」…ワクチンは有効?デルタ株より危険?【医師が解説】

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2021/8/24(火) 8:01 幻冬舎GOLDONLINE

全国で新型コロナウイルスの感染者が急増するなか、ついにペルー由来とされる「ラムダ株」の感染が確認されました。感染力はどれだけ強いのか、ワクチンの効き目はどれくらいか。未だ情報が少ないラムダ株について、世界での研究報告を紹介します。

次に猛威をふるうのは「ラムダ株」?増え続ける変異株

米疾病予防管理センター(CDC)は、「ウイルスは突然変異によって絶えず変化し、新しい株が、現れたり消えたり存続したりします。米国では、複数の株が出現しました。新たな新型コロナウイルスの株が増え、今では、2020年1月に患者が感染した、オリジナルの株はもはや存在しません」と述べます(※1)。 たしかに、英国で見つかり主流であった「アルファ株」は減り、今では2020年10月にインドで報告された「デルタ株」が世界中で猛威を振っています。また2020年12月にペルーで検出された「ラムダ株」は、南米を中心に広がっています。 CNNによると、米国では2021年7月に、テキサス州ヒューストンのメソジスト病院で、最初のラムダ株の症例が報告されました(※2)。これまでに米国でラムダ株の症例1,060人が特定されています。 日本でも先日、初のラムダ株の感染者が確認されました。ギリシア文字の順で考えると、ラムダ株は次の流行になる?と疑問に思われるかもしれません。でも実際どうなのでしょう? ※1 https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/variants/understanding-variants.html ※2 https://edition.cnn.com/2021/08/07/health/lambda-coronavirus-variant-wellness-explainer/index.html

CDCとWHOとでは「ラムダ株の認識」が異なる

CDCは、変異株をそれぞれ「懸念される変異株(VOC)」「注目すべき変異株(VOI)」「甚⼤な被害が想定される変異株(VOHC)」という3つの異なるカテゴリーに分類しています(※3)。 VOCは「伝染性の増加、重篤な患者(例:入院数や死亡数)の増加、治療またはワクチンの有効性の低下などの証拠がある変異株」、VOIは「それらに影響を与える可能性のある変異株」、VOHCは「予防措置や医療対策の効果が、以前に流行していた株より著しく低下している証拠がある変異株」を意味します。 CDCは、アルファ、ベータ、デルタ、ガンマ株をVOCとして分類。ただし、ラムダ株は、VOCやVOIとはしておらず、同センターのウェブサイトでも症例は公表していません。なお、これまで米国ではVOHCは確認されていません。 一方、WHOは、変異株をVOCとVOIの2つに分類し、アルファ、ベータ、デルタ、ガンマ株はVOC、ラムダをVOIとしています(※4)。 ※3 https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/variants/variant-info.html ※4 https://www.who.int/en/activities/tracking-SARS-CoV-2-variants/

ワクチンは有効?大流行する?研究者によって違う見解

これまでのところ、ラムダ株に対するワクチンの効果について、研究結果が分かれています。 東京大学医科学研究所の研究者らによる査読なしの報告によると、ラムダ株は、ワクチンに耐性がある可能性があります(※5)。一方、ニューヨーク大学の研究者らによる、別の査読なしの報告では、モデルナ社やファイザー社製ワクチンは、依然としてラムダ株に効くことが示唆されています(※6)。 2021年8月18日のロサンゼルス・タイムズによると、今のところ専門家は、ラムダ株がデルタ株に代わって、米国で主流となることを示唆するデータはあまりないようです(※7)。 ただし、WHOの疫学者マリア・バン・ケルコフ博士は「ラムダが『決して重要ではない』と言っているわけではありません。私たちは積極的に話し合い、利用可能なすべての情報源から、できるだけ多くの情報を収集しようと積極的に取り組んでいます」「ラムダ株のスパイクタンパク質には変異があり、アミノ酸が欠失し、懸念される特徴がありました。ウイルスに変化があれば、ワクチンの効果を阻害する可能性があります」と語ります。 スタンフォード大学臨床ウイルス学研究所所長ベンジャミン・ピンスキー博士は、「ラムダ株が注目される理由の1つは、L452Qという変異です。この変異は、デルタ株や、イプシロン株に見られるL452Rという変異と類似しています。ワクチンを接種した免疫系にL452R変異があると、ウイルスが体内の細胞に侵入するのを防ぐ抗体の効果が3倍も低下することがわかっています」「私たちは、このウイルスが変異して、既存のワクチンを回避する可能性に備える必要があります。ただし、最新のワクチン技術は、新型コロナウイルスの変化に迅速に対応できるので有望です」と語ります。 ※5 https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.07.28.454085v1 ※6 https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.07.02.450959v1 ※7 https://www.latimes.com/california/story/2021-08-18/how-worried-should-we-be-about-the-lambda-variant-of-the-coronavirus

米国ではラムダ株は減少中、感染者の99%がデルタ株

CDCのデータによると、米国では2021年8月8日から8月14日の調査にて、約99%がデルタ株と確認されています(※8)。 前述のロサンゼルス・タイムズによると、これまでにカリフォルニア州で検出された152件のラムダ感染者は、4月に88件。それ以降毎月の感染者数は減り、5月43人、6月8人、7月はわずか2人でした。 シアトルのフレッドハッチンソンがん研究センターの進化生物学者トレバー・ベッドフォード博士は、ニューヨークタイムズに「ラムダ株は、デルタ株ほど懸念されておらず、地球全体で支配的になるとは考えていません」「ブラジルで最初に確認されたガンマ株に比べ、ラムダ株は特定されてからしばらく経ちますが、アメリカではほとんど侵入していません。私はデルタ株に注目すべきだと思います」と述べます(※9)。 ※8 https://covid.cdc.gov/covid-data-tracker/#variant-proportions ※9 https://www.nytimes.com/2021/07/08/health/lambda-variant-covid-peru.html

南米でもラムダ株は減少中だが…情報格差が招いた混乱

ペルーのカエタノ・エレディア大学の微生物学者で、ラムダ株の出現を記録したパブロ・ツカヤマ博士らの、査読なしの報告によると、ペルーでは、ラムダ株が、2021年1月、2月、3月、4月にそれぞれ20.5%、36.4%、79.2%、96.6%に拡大しました(※10)。 Our World in dataのデータでは、ペルーでの変異株の情報は、2021年6月12日のラムダ株が81%、その後のデータはありません。ただし、感染者数は、4月(100万人あたりのCOVID症例数:4月13日 301人)をピークに減少(100万人あたりのCOVID症例数:8月19日 37人)しています(※11・12)。 ツカヤマ博士は、ニューヨークタイムズに「ラテンアメリカには、ゲノムサーベイランスと新しい変異体の追跡検査を行う能力が限られています。そのため、情報の格差が生じ、ラムダ株に対する懸念が高まっています」「これまでに発生したどの株よりも悪くなるとは思いません。ただ、あまりにも情報が少ないため、多くの憶測が飛び交っているのです」といいます(※13)。 日本でも、国民が混乱しないように、正確で透明性のある情報を伝えて欲しいと思います。 さて、ジョンズホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生学部アンナ・ダービン博士は、ニューズウィークに「適者生存(生存競争で環境に最も適したものだけが生き残って子孫を残しうること)です。複製されたウイルスは突然変異を起こします。最も高い力価で複製できるもの、あるいはよりよく感染するものが生き残ることになる。なぜなら、ある株はより簡単に広がり、他の株は消滅するからです」と語りました(※14)。 今のところ、新型コロナウイルスは、ウイルスに都合よく変異し続けています。 ※10 https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.06.26.21259487v1.full ※11 https://ourworldindata.org/coronavirus ※12 https://ourworldindata.org/covid-cases ※13 https://www.nytimes.com/2021/07/08/health/lambda-variant-covid-peru.html ※14 https://www.newsweek.com/origin-lambda-covid-variant-explained-1617480 大西 睦子 内科医師、医学博士 星槎グループ医療・教育未来創生研究所 ボストン支部 研究員

大西 睦子,医療ガバナンス学会

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コロナ 社会問題

コロナ患者受け入れ拒否なら『病院名公表』に現場は怒りの声も「医療従事者をスケープゴートにするんですね」

https://news.yahoo.co.jp/articles/eaee97824437b01da00a8405f8b27a959a117068

2021/8/23(月) 22:45 中日スポーツ

 国と東京都が23日、東京都内の全医療機関に新型コロナウイルス患者受け入れを要請すると決めた。従わないと病院名を公表する“踏み絵”の強硬策にSNSを通じて現場からは怒りの声が上がっている。 【写真】尾身会長に「相談なく」決まった入院転換  小説家で医師の知念実希人さんは自身のツイッターで「もうなんか、燃え尽きかけてきている医療従事者にとどめを刺しに来ましたね」と指摘。「いま入院している患者さんを追い出して病床を作ろうが、感染拡大を止めないと焼け石に水なんですよ。1年半、命がけで頑張ってきた医療従事者をスケープゴートにするんですね」と続けた。  愛知県医労連も「いま大事なことは医療機関への制裁ではなく支援です。コロナ感染爆発を引き起こした責任を、医療機関に押し付けるのですか。最悪の責任転嫁。許せません」と怒りをぶつけた。別の医師は「もう限界」とつづり、「専門分野の診療は縮小して…給料は減って…家族との時間も減って…飲み会や会食どころか外食や私用の外出も完璧に自粛して…ただひたすら自宅と病院を往復して…さらにコロナ(患者)を受けろって」と嘆いた。他にも「医療従事者にありがとうと言いながら、後ろで首を絞めてる感じ」などと、批判のコメントが相次いだ。

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コロナ 社会問題

「災害級の危機」京大病院など13機関が真っ赤な警告

https://news.yahoo.co.jp/articles/44b7e15dc5d766f649c48dac6a0401909ab5796d

2021/8/24(火) 10:40 朝日新聞DIGITAL

 京都府内で新型コロナウイルスの重症患者を受け入れる13の医療機関は23日、医療の危機的状況を訴える緊急メッセージを、京都大学医学部付属病院(京都市左京区)などのホームページに掲載した。府内で新規感染者数が減らない場合「適切な医療を受けられない自宅療養者のうち死亡する事案が府でも発生しかねない」として、外出を控えるよう呼びかけている。  府内は新規感染者数が500人を超える日もあるなど、「第5波」で感染が急速に拡大している。メッセージでは、コロナ重症者の治療で集中治療室(ICU)の病床を使用するため、治療後にICUでの管理が必要な高難度の手術や治療で、緊急性の高いものを除いて停止を余儀なくされつつあるとした。ICUが全てコロナ患者で占められている病院も少なくないという。  すでに、救急患者を受け入れられない状況も多発し、脳卒中やがん治療などで制限を受けているとも指摘。かかりつけ患者が急変した場合に入院できない事態も起きているとし、医療現場は「災害レベルに達している」と訴えた。  府内は22日時点で、確保病床の使用率は72・7%、重症者用病床は68・3%。政府の分科会が定める最も深刻な「ステージ4」の水準の50%を上回っている。  「デパートやスーパーでの買い物のような日常の外出後にも発症がみられるようになっている」として、不要不急の外出を求めた。  13医療機関と府医師会は17日にも緊急メッセージを出した。京大医学部付属病院の宮本享・病院長は、「17日以降の1週間で、重症病床の使用率のさらなる上昇が起き、軽症者が悪化した際に使用する中等症病床も非常にひっ迫しているため、より強いメッセージを出した」と説明している。(高井里佳子)

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「妊婦のワクチン接種で遺伝情報が操作される」はデマ! 専門家が力説し接種の勧め

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2021/8/24(火) 10:34 デイリー

 テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」が24日、新型コロナウイルスの母親から胎児への影響を取り上げ、日本医科大学特任教授・北村義浩氏は「赤ちゃんにウイルスがうつることは、まずありえない」と断言。ワクチン接種についても「ぜひ受けていただきたい」と呼びかけた。  妊婦から胎児へのコロナ感染について、北村氏は「胎盤という赤ちゃんとお母さんをつないでいる所が非常にウイルスをブロックすることがわかっている。だから赤ちゃんにウイルスがうつってしまって肺炎的なことになるということは、まずありえない。それから妊娠されているお母さんがコロナに感染しやすいということも知られていませんから、妊娠したからといって過度に怖がる必要は全くありません」と言い切った。  気をつけなければならないのは酸素の供給だとし「お母さんが酸素がないという状態の時には、同じように胎児も酸素がないとあえいでいる。だからお母さんに酸素を十分に与えるのが大事。軽症であったとしても、場合によっては入院させてしっかり酸素のある状況を作ってあげるのが大事」だと力説した。  番組では、厚労省が「日本で承認されている新型コロナワクチンが妊娠、胎児、母乳に悪影響を及ぼすという報告はない」としていることも報道。妊婦のワクチン接種について聞かれた北村氏は「100%賛成。ぜひ受けていただきたい。アメリカで20万人近い妊婦さんが接種された経験を踏まえ、どの週数であっても妊娠中であればぜひ受けていただきたいと思いますし、産婦人科医系の3学会が合同で推奨している」と説明した。  SNSではさまざまな情報が飛び交っているが、北村氏はこれを完全否定。「赤ちゃんの遺伝情報が操作されてしまうとか誤った情報が出ているが、そんなことは全くありません。いいことずくめですから。よっぽど成分に対して明らかなアレルギーを持つような妊婦さんでない限りは、ぜひ受けていただきたい」と改めて接種を勧めた。

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医師・看護師はもう限界!デルタ株で高まる「自衛隊野戦病院」の必要性

https://news.yahoo.co.jp/articles/55ce7581519fc73436c13ebe51e0325c3f749bfe

2021/8/24(火) 6:01 DIAMOND online

 私は、本連載で以前(連載275回)から、野戦病院を新型コロナ対策の「切り札」として提案してきた。デルタ株が猛威を振るっている今になって、野戦病院が現実的なコロナ対策案として浮上している。(立命館大学政策科学部教授 上久保誠人【この記事の画像を見る】 ● 各界も「野戦病院」の設置を訴え始めた  尾崎治夫・東京都医師会会長や松本正義・関西経済連合会会長などが、新型コロナウイルス感染症の急拡大への対策として「野戦病院」を設置すべきだと提言している。福井県は、実際に100床の病床を持つ「野戦病院」を体育館に設置した。  ただし、これらは、現状のコロナ病床確保の方法の延長線上のものを想定しており、私が提案してきた自衛隊による「野戦病院」と、大きな違いがある。  現在、コロナ病床の確保は、自治体ごとに、都道府県知事の権限で行われている。「感染症法」が改正されて、都道府県知事らは、病院に対しコロナ患者の入院を受け入れるよう「勧告」できる。  しかし、この方式は限界を露呈している。個別の病院がコロナ患者用に転換できるのは、せいぜい数床ずつだからだ。  例えば、大学病院や大病院のがん、心臓病などの高度な治療・手術を維持する必要性を主張されたら、専門家でない知事らは言い返せない。「精神論」で粘って、病院側が病床を1床、2床と切り売りするように最小限、新型コロナ用に明け渡しているのが現状だ(第273回)。  また、医師会の中心メンバーである開業医は、コロナ患者の受け入れが病院経営を直撃するため引き受けたがらない。コロナ患者に対応するための機材、人材が十分ではないという問題もある(高久玲音『やさしい経済学:コロナが問う医療提供の課題(2)患者受け入れが病院収益に影響』)。  今の体制では、野戦病院を現在の病床確保の方法の延長線上でつくっても、同じ問題に直面することになるのではないだろうか。

● 医師や看護師の派遣、現実は厳しい? 日本のメリット・デメリット  尾崎会長はテレビ番組で、野戦病院には今までコロナ治療に関わっていないクリニックや大学病院などの医師や看護師が従事する形を想定するという旨を発言した(参照)。  しかし、その医師・看護師らが、自分の病院・クリニックの患者の治療が大事だと主張したら、説得できないだろう。結局、自治体と病院の交渉が難航し、野戦病院に派遣されるのは、最小限の人数とリソースにとどまってしまうのではないだろうか。  また、以前指摘したのだが、野戦病院への医師・看護師の派遣は、おそらく労災などの補償の問題が生じる懸念がある(第264回・p3)。例えば、スポット勤務した医師が、新型コロナに感染した場合、2週間隔離となる。本来の勤務先に出勤できなくなるので、その間の金銭的な補償の問題が発生するのだ。  このように、自治体が野戦病院を設置しようとしても、実現にはさまざまな問題があると思われる。  実際、野戦病院の設置に否定的な東京都は、その理由として現在確保しているコロナ病床が「各医療機関の努力で出してもらったギリギリの数字」だからという。そして、「都内の病院の役割分担や地域性などを考慮して、医療関係者らと現在の体制を組んできた」と説明し、「今ある医療資源を最大限使うことがまず先決」と主張する(毎日新聞『コロナ病床増やしても…東京都が「野戦病院」をつくらない理由』)。  では、無理やり今の医療体制から絞り出して、「野戦病院」を設置すべきかというと、そうとも言い切れないのではないか。現状の医療体制を無理に崩さないほうがいいという考え方もあり得ると思う。  国民皆保険制度により日常的な医療体制が整備され、基礎疾患を持つ人の症状が管理されていることが、日本の新型コロナの重症者、死亡者が欧米に比べて非常に少ない「ファクターX」の一つかもしれないと私は考えている(第262回・p5)。  例えば、英国と比較してみよう。

● 英国はコロナ医療にすぐシフトできたが 日常的な医療体制は日本よりも過酷?  英国では、昨年3月にロックダウンを実行したと同時に10日間程度で、国内の医療体制を新型コロナ用にシフトした。しかし、それはがんを除く不要な手術を延期し、退院可能な患者はすべて自宅療養に切り替えて実施したものだった(ピネガー由紀『日本人が知らない英国「コロナ病棟」のリアル 現地在住看護師が語る医療崩壊を防ぐ仕組み』)。  つまり、英国では、日本の何十倍も新型コロナ感染症の患者を出しながら、医療崩壊を起こさなかったことは事実なのだが、重症化する患者や死亡者が多かったことについて、日常的な基礎疾患の管理ができていないからだと思われると、筆者の知人である臨床医は指摘していた。  実際、私が英国に在住していた時に、ナショナルヘルスサービス(NHS:無料の国営医療サービスシステム)へ友人を連れていったことがある。その時は、3カ所病院をたらいまわしにされ、診察を受けられるまで、9時間かかった。  また、NHSでは、普段は風邪や季節性インフルエンザでは病院での入院はおろか、診察すらしてもらえない。NHSの受付窓口で簡単に診断されて処方箋をもらい、薬局で薬を買って自宅で休むだけだ(第277回・p2)。  つまり、英国の日常的な医療のレベルは日本と比べて高いとはいえない。それが、日本と欧米の新型コロナの重症化率、死亡率の差につながっているのではないか。ゆえに、日本の現状の医療体制を崩してコロナ対応に向けることには、慎重であるべきだと思う。  それでは、野戦病院の設置は非現実的な案と切り捨てるべきか。私はそうは思わない。

● 合理的に考えて、自衛隊が野戦病院をつくるべき  8月12日の東京都のモニタリング会議は「現状の感染状況が続くだけでも、医療提供体制は維持できなくなる」と警鐘を鳴らしている。新しい発想の対策が必要とされているのは間違いない。  そこで、私が提案してきたのが、自衛隊による大規模野戦病院の設置である(第275回)。  まず重要なことは、「自衛隊」が野戦病院をつくることだ。自衛隊には、医官、看護官がそれぞれ約1000人ずつ在籍している。現在、ワクチンの大規模接種センターに医官約90人、看護官約200人が派遣されている。しかし、その業務は8月25日に終了する。  彼らは、いわゆる一般の病院・クリニック、そして医師会の「外側」に存在している。  医療崩壊を防ぐためには、限られた既存の病院・クリニックのリソースをやりくりするよりも、その「外側」に存在する自衛隊に出動してもらい、その人材、機材を加えるほうが、合理的なのではないだろうか。  その上、自衛隊の医官・看護官が「戦場の医師・看護師」であることも重要だ。「救命救急医療」の専門家であり、新型コロナ治療の研修期間は、一般病院・クリニックの医師・看護師が研修するよりも短期間で済む。「即戦力」となり得る存在なのだ。  さらに、自衛隊による「野戦病院」設置の意義は、「集約のメリット」を出せることにある。それは、エクモ・人工呼吸器などの機材、医師、看護師が病院ごとに配置されるよりも、病床を何百床、何千床の単位で1カ所にまとめることで、比較的少ないリソースで、多くの患者を診ることができることだ。  これは、日本以外の諸外国では当たり前のやり方だ(上昌広『「医師多数・コロナ患者少数」の日本が医療崩壊する酷い理由』)。だが、残念ながら日本の現状の医療体制では実現はほぼ不可能である。  だから、日本で、大規模なコロナ専用病院をつくれるとすれば、それは自衛隊しかない。この連載で提案してきたように、まずは東日本と西日本に1カ所ずつ、大規模野戦病院を設置するのである(第275回)。

● 大規模野戦病院の具体案…英国のナイチンゲール病院を踏まえて  場所は、東日本は朝霞駐屯地、西日本は伊丹と宇治の駐屯地とする。病床は、前回の私の提案では重症・中等症用としていたが、現在のニーズに合わせて変更したい。患者の重症化を防ぎ、死亡者を出さないことが最重要であるため、中等症用にそれぞれ2000~4000床ずつ用意する。  これは、英国の野戦病院(ナイチンゲール病院)設置を参考にしている(第282回・p2)。この病院は英国軍の支援で、最大4000床の中等症用病床を持ったロンドン・エクセルセンター国際会議場の病院など、全国各地に短期間で建設された(“In case of emergency: The Army and civil assistance” )。  病院開院後は、英国軍の軍医約600人が派遣されてNHSの医師・看護師と協力した。また、機器のメンテナンス、病院内店舗管理など、幅広い臨床支援活動を行った(Financial Times “Military medics to work in UK hospitals as Covid admissions sore”)。  自衛隊の大規模野戦病院設置は、軽症者を自宅療養とする政府の新方針の実施にも適している。英国軍を事例にすると、「コロナ航空タスクフォース」を設置し、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドなどの地方や、離島から英国本土への患者の緊急搬送などを行ってきた(Covid Support Force: the MOD’s contribution to the coronavirus response)。  日本でも、自宅療養の軽症者の情報を自衛隊に集約しておき、中等症化した際には、ヘリコプター等も使用して地方から大規模野戦病院へ即座に移送できるようにするのだ。  英国は、昨年3月、新型コロナのパンデミックの初期段階で大規模野戦病院を設置し、英国軍の支援体制をとった。結局、野戦病院はほとんど使われることがなかったのだが、先回りして体制を整えていたことが重要だ。  日本では、現行の医療制度の範囲で何ができるかを必死に考えてきたが、医療崩壊の危機に直面し、ひたすら国民の行動制限を求めることしかできなかった。  デルタ株の急拡大に直面し、さらなる新しい変異株の拡大のリスクもある今、現行制度の範囲内の対応では限界がある。新しいシステムを先回りしてつくり、病院にも入れず死を迎えるような悲劇は起きないと、国民が落ち着くことができる体制を築く必要がある。

上久保誠人

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【解説】ワクチン接種進むも感染拡大なぜ? 専門家「2回接種すれば絶対感染しないということではない」

https://news.yahoo.co.jp/articles/aa15cbd5d24a2a711063169e5052ede03d98091f

2021/8/23(月) 20:53 8カンテレ

厳しい感染状況が続く中、ワクチンはどこまで効果を発揮しているのか? ワクチンに関する疑問をウイルス感染免疫学が専門の近畿大学・宮澤正顯教授に聞きました。 【動画で見る】ワクチン接種進むも感染拡大なぜ? 専門家「2回接種すれば絶対感染しないということではない」

止まらぬ感染拡大…ワクチンの効果は?

カンテレ「報道ランナー」

――Q:2回接種が国民の4割、一方で陽性確認は過去にない規模になっている。どう解釈すればいい? 【近畿大学医学部 宮澤正顯教授】 「ワクチン打ってても感染してしまう人は出ます。2回目接種すれば絶対感染しないということではない。ワクチンはあくまでも感染したときに発症したり、重症化したりするのを抑えると」 厚生労働省の調査では、8月10日からの3日間、感染が確認された約5万7000人のうちワクチンを1度も接種していない人は82%。 一方で、2回接種した人は、わずか3%にとどまっています。カンテレ「報道ランナー」

【近畿大学医学部 宮澤正顯教授】 「ワクチンを打っている人たちの間では、明らかに新規感染者として報告される人の割合下がってる。もちろん2回打てば重症化したり入院したりするリスクは、うんと下がると。デルタ株であっても、2回打っていれば9割近くにまで下がるということは分かっている。ワクチンの効果は明らかである」

アストラゼネカ製ワクチンは打つべき?

カンテレ「報道ランナー」

では、大阪市で23日から接種が始まったアストラゼネカ製のワクチンはどうなのでしょうか? 従来株への発症を予防する効果は、約70%と、ファイザーやモデルナに比べて低く、ごくまれにおこる副反応として血栓症ができるリスクも指摘されていますが…カンテレ「報道ランナー」

【近畿大学医学部 宮澤正顯教授】 「確かに血栓症を起こす危険性はまれだけれどある、それは事実。しかし、それよりもワクチンを打って新型コロナウイルスの発症を防ぐことのメリットの方がはるかに大きい。メリットの方がずっと大きいのだからこれを打つべきだと、ヨーロッパでも保健担当者が認めている。治療法もかなり分かっている。それに対応する方法も、臨床の先生は開発しているし、知識も共有しているということなので、まれに起こったとしても対処してもらえる」 宮澤教授によると、血栓が生じるメカニズムが分かっているため、アナフィラキシーショックと同様に対処できるといいます。

一方、因果関係は不明とした上で厚生労働省が公表している「ワクチン接種後の死亡事例」(8月4日時点で834例)については… 【近畿大学医学部 宮澤正顯教授】 「偶然ワクチンを打った日に、もともとの持病で亡くなったとか、そういう方もいっぱいいる。科学的に言ってもファイザー、モデルナについてワクチンと死亡を科学的に結びつけることは今のところない」

マスクなしで生活できる日はくるのか

カンテレ「報道ランナー」

――Q:デルタを念頭に全国民の何割打てばマスクなしで生活できる? 【近畿大学医学部 宮澤正顯教授】 「難しい。とにかくまず、若い人たちにたくさん打たないとダメだろうと思います。動き回る世代の人たちにたくさん打つということを進めていかないと、6~7割でも感染してる人たちたくさん出ますからね。8~9割いかないと難しいかなという気がします。マスクは、しばらく取れないと思いますよ。ウイルス側だけの問題じゃなくて、人間の行動の問題が非常に大きいので、そこをしっかり考えてもらうと収まっていくかなという気がします」

まだまだ警戒を緩めるわけにはいかない新型コロナウイルス。 ワクチンには期待しつつも、当面はこれまでの感染対策が求められることになりそうです。

(カンテレ「報道ランナー」8月23日放送)

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沖縄の病院でコロナ感染69人死亡! 国内最大規模クラスター発生に「3つの悪材料」の連鎖

https://news.yahoo.co.jp/articles/4832859a6a9803bcdf3068685c38631f3527e6aa

2021/8/21(土) 9:06 日刊ゲンダイDIGITAL

 医療崩壊に瀕している沖縄で新型コロナウイルスに感染した入院患者69人が死亡するクラスターが起きた。クラスターによる死者数としては国内最大規模となる。 今度は三重県薬剤師がワクチン4回ズル打ち 「忘れてました」平身低頭もシレッと“ブースター接種”  うるま市の老年精神科の「うるま記念病院」では7月19日、職員と入院患者がデルタ株(インド株)に感染していることが判明した。県コロナ対策本部、保健所、各重点医療機関などの応援、指導のもと、感染対策を講じたが、院内感染は拡大。入院患者270人のうち173人、職員100人のうち26人の計199人の感染が確認された。  病院の担当者は「多数の感染者に対し、当病院だけで治療するのは難しく、転院調整を行いました。県内の病院が逼迫する中、7月までは何とか調整できたのですが、8月に入って難しくなりました」と医療が追いつかなかった事情を明かした。 ■「亡くなった69人はワクチン未接種か、1回のみ接種」  ワクチン接種の有無も“生死”を分けた。6月中に職員の9割は2回のワクチン接種を完了していた。7月から、入院患者への接種を進めていた矢先に感染が判明。入院患者で2回接種を完了したのは約2割にとどまっていた。 「亡くなった69人は未接種か、1回のみ接種した患者でした。2回接種者で亡くなった方はいません」(前出の担当者)  西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。 「デルタ株の感染力の強さを改めて思い知らされます。病院の職員と患者の半分以上が感染している。それに、適時・適切に治療が行えないと、多数の死者が出るのも明らかになりました。さらに、2回接種者の死者がいないことは、ワクチンの有効性を示していると言えます。ただ、2回接種者の死亡が都内で確認されているので、注意は必要です」  大阪府は18日のコロナ対策本部会議で、3月以降にワクチンを接種した2118人の分析結果を公表した。2回目のワクチンを接種してから、免疫を獲得するとされる14日以上経過して発症した人は317人だったが、重症者や死者はいなかった。  うるま市のクラスターから学ぶことは少なくない。

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社説[病院大規模クラスター]感染拡大の経緯検証を

https://news.yahoo.co.jp/articles/4de9fedea020752193046aadb28d31c2477839dc

2021/8/20(金) 13:11 沖縄タイムス

 うるま市内の老年精神科病院「うるま記念病院」で新型コロナウイルスの大規模クラスター(感染者集団)が発生している。  県や病院ホームページなどによると、7月19日に入院患者と職員各1人の陽性が判明し、その後も感染者が相次いだ。8月17日までに入院患者173人と職員26人、計199人の感染が確認されている。  死亡した入院患者は69人に上る。クラスターによる死亡者数では国内最多とみられ、あまりの多さに愕然(がくぜん)とさせられる。  病院には外部の医療関係者や介護従事者が支援に入っている。まずは病院と関係機関が連携して目の前の患者の命を守り、一日も早い収束へ全力を注いでほしい。  病院によると、患者は高齢で認知症やうつ病などの精神疾患があり、マスクの常時着用が困難だったという。病院の構造上、十分な換気が難しい点も挙げている。  しかも「第5波」による県内の医療提供体制の逼迫(ひっぱく)で、重点医療機関に転院できた感染者は少数にとどまり、大半は院内で酸素吸入や内服治療を受け療養せざるを得ない状況が続いている。  感染力の強いデルタ株の影響はあるにせよ、なぜ、これほど感染が急拡大したのか、死亡者がこれほど増えたのか分からないことがまだ多い。  どのような感染経路をたどったのか、感染者をほかの患者と分ける「ゾーニング」ができていたのかなども検証する必要がある。 ■ ■  病院の危機管理に疑問を抱くのは、クラスター発生時点で患者のワクチン一斉接種が進んでいなかったことだ。少なくとも1回接種した患者は約1割だったという。  重症化リスクの高い高齢者は優先接種の対象とされ、最初に陽性者が確認された時点では県内高齢者の78%が1回目の接種を終えている。  にもかかわらず接種が遅れたのはなぜか。病院の接種態勢が整わなかったとしても、県や市などと連携して家族が同意した患者に接種する方法はあったのではないか。  県によると、うるま記念病院でクラスターが発生するのは今回が2回目だという。1回目は今年1月で、入院患者と職員の計76人が感染した。  密になりやすい医療現場で院内感染を完全に防ぐのが難しいのは分かる。ただ、発生した時には何としても拡大を食い止めてもらいたい。  1回目の発生時の反省点を踏まえ、どのような再発防止策が講じられていたのか明らかにしてほしい。 ■ ■  亡くなった入院患者の家族は、詳細が知らされない状況にやるせない思いを抱いている。  これだけの死亡者が出ている以上、事実関係を調べ明らかにする必要がある。  県が主導して専門家を含めた第三者委員会を立ち上げ、病院側から聞き取り、感染拡大の原因や再発防止策をまとめてもらいたい。  教訓として県内の各医療機関で情報共有し、感染防止や発生時の封じ込めに役立てるべきだ。

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コロナ ワクチン

副反応?コロナ?症状だけで区別困難…感染した医師

https://news.yahoo.co.jp/articles/a28dd0a94c9d2358ab73b29b2601cb80284b28dd

2021/8/24(火) 18:34 テレ朝NEWS

 新型コロナウイルスのワクチン接種が進むなか、「新たな問題」も起きているようです。ワクチンの副反応かそれともコロナの症状か判断が難しいと実際に感染した医師が警鐘を鳴らしています。  23日に公表された政府の集計。新型コロナのワクチン接種で、2回の接種終えた人が、全国民の4割を超えました。  23日からは大阪や埼玉で、アストラゼネカ製ワクチンの接種も始まり、今後も接種の加速が期待されますが、接種後の発熱に関して、厚生労働省は「ワクチンを受けた後、2日間以上、熱が続く場合や症状が重い場合、医療機関等への受診や相談をご検討下さい」と呼び掛けています。  コロナ感染の発熱を接種後の副反応と思い込み、受診を控えてしまう恐れがあるというのです。  国立病院機構本部DMAT事務局・小早川義貴医師:「僕の場合も熱と倦怠(けんたい)感だけだったので、そうなると(判別するのは)難しいですね」  災害派遣医療チームとして、「ダイヤモンド・プリンセス」などの対応にもあたった小早川医師は、5月、1回目のワクチンを接種。その日の夜から熱が出たといいます。  国立病院機構本部DMAT事務局・小早川義貴医師:「当然、1回目の後だったので、僕の周りの医師たちも『副作用でしょ』みたいな感じだったので、そう言われると副作用かなという気にもなって」  ところが翌日も、熱は38度を超えていました。  国立病院機構本部DMAT事務局・小早川義貴医師:「(接種翌日の)夕方にくしゃみとか鼻水が出てきたので、ワクチンだと気道症状は出にくいのは知っていたので、コロナっぽいかなと思った」  その後も熱は下がらず、医療機関で検査を受けると、新型コロナウイルスの感染が確認され、16日間の入院。  国立病院機構本部DMAT事務局・小早川義貴医師:「なかなか症状だけで区別は難しいので、それはPCRしないと分らないので、副作用以外も考えて対処した方がいい」  一方で、家族への感染はありませんでした。  国立病院機構本部DMAT事務局・小早川義貴医師:「(接種後)体調が悪ければ、仮に副反応だとすれば2日間くらいで収まるので(家族とスペースを)分けておけば間違いない」

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コロナ 社会問題

自宅療養死18人、50代以下が半数 首都圏4都県で

https://news.yahoo.co.jp/arti cles/4353710a29d85e8d3afe8e097b5cfbaf71f0f04b

2021/8/21(土) 18:50 朝日新聞DIGITAL

 新型コロナウイルスの感染爆発で自宅療養者が全国で約9万7千人に上り、東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏4都県で7月以降、少なくとも18人が自宅療養中に亡くなっていたことがわかった。50代以下が9人で半数を占め、8月に入って15人と急増している。各地で病床が逼迫(ひっぱく)し、入院して治療を受けることが困難になっており、自宅療養者の急変へのケアが急務となっている。 【写真】7~8月の自宅療養者の推移  7月に緊急事態宣言が出ていた東京、沖縄に加え、8月2日から宣言が適用された大阪、埼玉、千葉、神奈川の6都府県に、7月1日以降に把握した自宅療養中の死者について尋ねた。「自宅療養中の死者」の定義は各都府県で異なるが、自宅で死亡が確認された場合に加え、自宅療養中に容体が急変し、救急搬送されたケースも含めて朝日新聞で集計した。  最多は東京都の9人。7月には1人だったが、8月に急増しすでに8人が死亡。9人のうち50代以下が6人を占め、基礎疾患のない30代男性もいた。今月12日には夫と子どもと3人家族全員がコロナに感染した40代の女性が死亡。女性は糖尿病を患い、自宅で倒れているのを夫が発見したという。  神奈川県では7月に60代と40代の男性2人が、8月には60代女性が死亡。埼玉県では8月に入って40代と50代、70代のいずれも男性3人が相次いで死亡した。50代男性は10日に感染が判明し、基礎疾患があったが、軽症のため自宅で療養していたところ、15日朝に心肺停止の状態で見つかった。  千葉県でも8月に60代男性2人と80代女性の計3人が死亡した。80代女性は7月末に感染し、無症状だったため自宅で経過観察中だったが今月10日夕に血中酸素飽和度が80%台まで低下。県が入院調整を始めたが、入院先が見つからないまま、その日の夜に死亡が確認された。  第4波の3月1日~6月20日に自宅療養中に19人の死者が出た大阪府と、沖縄県は7月以降の自宅療養中の死者はいないと回答。ただ、沖縄県では今月8日に入院調整中だった40代男性が自宅で死亡しているのを保健所職員が発見した例があったという。

朝日新聞社