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“受けたくない”理由ばかり、行列のできる会場ばかりのマスコミ報道…このままでは若者がワクチン接種に消極的に?

https://news.yahoo.co.jp/articles/5e0b69d0865f6077cf38dc88b7586d6877164ee4?page=1

2021/8/31(火) 16:43 ABEMA TIMES

 若者の新型コロナウイルスワクチン接種に関する報道をめぐり、政府の分科会メンバーでもある大阪大学大学院の大竹文雄教授(行動経済学)が26日朝、「この見出しのつけ方が、若者のワクチン接種率に大きな影響を与える可能性について報道機関は真剣に考えるべきだと思います」とツイートした。 【映像】接種率に悪影響?新聞見出しに専門家“苦言“大竹教授のツイート

 大竹教授が問題視したのは、東京都が公表した、20代では男性のおよそ6割、女性ではおよそ7割が接種に前向きな回答で、2割弱が否定的な回答だったとのアンケート結果についての報道。朝日新聞デジタルが『ワクチン、若年層の2割弱「接種しない」 都が調査結果』との見出しを付けた記事を配信。さらにYahoo!ニュースが『若年層の2割弱「接種しない」都』との見出しを付けたことだった。  一方、記事が配信された翌日、東京・渋谷に開設された予約のいらない若者向け接種会場には残暑の中、長蛇の列ができた。翌日には混雑緩和のため抽選券を配布するも倍率は6倍を超え、当選しなかった若者が肩を落とす様子などが連日盛んに報じられている。小池都知事

 こうした状況を受け、東京都の小池百合子知事は「若い人の2割弱がワクチンには否定的だというデータもあるが、一方でこれだけ多くの若い方々が会場に集まったということは、8割は逆にワクチン接種の意思があるとも理解がされるわけで、若い方々の接種意欲はきわめて高いということを示していると受け止めている」と話している。

■平石アナ「“分からない”と答えた2割の若者の気持ちも大切だ」

瓜生原氏

 SNSで拡散するネットニュースは記事の本文を読まない人も多く、見出しの力はとりわけ大きい。同志社大学ソーシャルマーケティング研究センター長の瓜生原葉子氏も「大竹先生のご指摘の通りだと思う」と話す。  「接種を受けるかどうか決められていない、もしくは接種したくないという人は不安を抱いていたり、(安全性に)確信を持てないでいたりする人だということが分かっている。人というのは恐怖、脅威の感覚から自己防衛的になりリスクを取らなくなりがちだということが先行研究などでも報告されているので、受けない人のことを強調しない方が良かったのではないか」。

 ともに20代であるBlackDiamondリーダーのあおちゃんペとテレビ朝日の田原萌々アナウンサーは「10人中2人は打たないという意向を固めているのかと知ったら、“じゃあいいかな”と思ってしまうかもしれない」、「打ちたいと思っている人がなぜ打とうと思ったのかを検証して発信すれば、より多くの人に打ってもらえるんじゃないかな」とそれぞれコメント。言い回しで変わる印象

 ジャーナリストの堀潤氏は「ジャーナリズムの悪い癖だが、権力の監視役であるということで、上手くいっていない点の方を見出しに付けがちだ。だから逆手に取った形で小池さんに“8割は打ちたいと言っている”と言われてしまう。ワクチンを受けようと思っている人のことよりも、受けようと思わない人の方にニュースバリューを見出した意味についてもっと説明するべきだし、確かに8月はこういう状況だが、9月、10月、11月と、どんな計画が立てられているのか、どうなっていくのかについての提案が見出しに取れるように変わっていくといいのではないか」。都のアンケート

 テレビ朝日の平石アナウンサーは「ワクチンを打つ・打たないの話は“ワクチン・ハラスメントだ”と言われかねないぐらいセンシティブな事柄になっている中で、見出しが与える影響は考えていかないといけない。打ちたいと思っている人たちの気持ちもきちんと伝えていくところも大事かもしれないし、実は小池さんも言った“2割は打ちたくないから8割は打ちたい”も気を付けるべきところで、“分からない”も2割いる。“イエス”か“ノー”かだけではなく、“分からない”と答えた人たちの思いも含めて見出しによって操られてしまう。そこも懸念すべき点だと思う」と指摘した。カンニング竹山

 カンニング竹山は「とある新聞社の人の話を聞いてびっくりしたのは、紙媒体が売れなくなってきたことでネットに記事を出す。しかしそこでは閲覧数を増やしてお金を入ってくるようにするしか生き残っていけない。そういう構図の中では、2割を出した方が多少はセンセーショナルになるということになる。しかしそれでは社会のことを考えていないんじゃないか、と言われてしまう。権力をチェックしなくてはいけないし、小池都知事が“8割”と言ったことに対しても記事を書かなくてはいけないと思う」と話した。

■堀氏「渋谷の行列はこうだ、とやって終わりにするのは寂しい」

接種会場は他にも

 都では渋谷以外にも接種会場を用意しているが、予約の方法も含め、そうした情報の報道が少ないとの意見もある。  瓜生原氏は行動変容の観点から「やはり若い人は“乗り遅れないように”と思ってしまう。特に商品ではなく生命に関わるような問題なので、それを助長しないことがとても大事だ。どこに行けば打つことができて、どこが空いているといったこともちゃんと提示していくことが大事ではないか」と指摘。  慶應義塾大学の若新雄純特任准教授は「批判するのであれば、何割が受けたくないではなく、受けたいと思っている人のうち、どれくらいがまだ受けられていないかとか、どれくらい予約が取りづらいかといったことも指摘すべきだと思う。もっと言えば数字だけではなくシステムの問題や、この地域はスムーズに予約ができているが、この地域はできていないなど、具体的な解決につながる指摘も必要だ」、カンニング竹山は「ラジオを聞いていると、接種センターの予約状況を説明している局がある。同じようなことを若者向けに対して説明していかないと、あのニュースの画だけでは、“やばい、俺も早く打ちたい”か、“面倒くさそうだな、でもどうせ打てないだろうからやめとくか”となってしまうと思う」と苦言を呈した。平石アナ

 平石アナウンサーは「テレビは“感情のメディア”だから、本当に行列の映像が大好きで、それこそスーパーから動物園からラーメン店から、放っておくとすぐそっちにワーっと走っていく。本当はそこにデータや解説が付いてこないと、実態はよく分からない。実際は他にも接種会場はあるし、若者が受けられるところもある」。堀氏

 堀氏は「僕が取材した中で非常に印象に残っている話が、自衛隊の大規模接種センターの受付の問題だ。当初、官邸はとにかく電話でやれと言っていた。しかしそのためには大規模なコールセンターではないと捌ききれないと、必死で押し返してインターネット予約にしたそうだ。見えている現象をパパっとそれっぽく取り上げたり、何となくアンケートを取って、その結果を現象に当てはめて紙芝居のように伝えたりするのがマスコミの役割ではないと思う。SNS上にも今回の行列のような映像がバーッとあふれているからこそ、そこに乗らず、舞台裏でどういう意思決定がされて、どこにエラーがあるのかをきっちり調査報道することが求められている。東京都内には各大学や企業による会場もあるわけだし、接種を促していくためにも、そうした情報の発信が大切になる。渋谷の行列はこうだ、とやって終わりにするのは寂しい」と訴えた。

■周囲の大人が不安に応えるべき

瓜生原氏による調査より

 こうしたメディア環境の中、周囲の大人たちは若者に対してどのように振る舞えばいいのだろうか。  瓜生原氏は前出の調査結果を引いて「私が学生を対象に行った調査によれば、4月9日~6月4日の間に、“自分が政策を立てる側だったとしたら、どうやって若者の感染を予防し、ワクチン接種を進めるか”を授業の中の課題にしてみた。そこで受け身、他人事だった問題が自分事になり、認識が大きく変わった。さらに6月4日~6月11日の頃になると、職域接種が報じられるようになり、不安が解消されたので受けてみたいと言う学生が増えてきた。自らコミットしてみること、あるいは不安に思っていることに大人が応えてくれたり、信頼できる人がいたりすることが大きな変化を生んだのではないかと思っている」と分析。若新氏

 大学生と接する機会がある若新氏は「確かにメディアは“他の世代と違って若者は打たないと言っている人が多い。それは権力の失策になるんじゃないか”という言い方をするためにネガティブな打ち出し方をしているのかもしれない。ただ、若い世代の判断に影響を与えるのは国に失策があったかどうかよりも、家庭の中、あるいは頼りにしている大人との会話だと思う。親世代が子どもとコロナやワクチンについて話せるよう仕向けていくということも大事だと思う」と指摘。「コロナ禍の1年半で、大人といっても誰を信じればいいのかと、信頼感が相当損なわれてしまったと思う。信頼できるリーダーが出てきて、私の責任の下、ここはこう大丈夫だからこうしてくれという人が出ないと、若者は何を信じていいか分からないとも思う」と話していた。

(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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コロナ マスク

反マスク運動のリーダーが妻と子を残して新型コロナで死亡

https://news.yahoo.co.jp/articles/429b925ddc1da687c8cc57a803f30f7b72048d41

2021/8/30(月) 17:31 女性自身

新型コロナウイルスの感染者数が爆発的に増えている米テキサス州で、30歳の教師ケイレブ・ウォレスさんが亡くなったとWKRNなどが報じている。ウォレスさんは新型コロナウイルスに感染して7月末に入院、約1カ月にわたり治療を受けていたが、回復することはなかった。 WKRNは、ウォレスさんは反マスク・反ワクチン派で、ビジネスや移動などの行動が制限されることに異を唱える活動を行っていたと報じている。 同州サンアンジェロで開催された反マスク派の集会「The Freedom Rally」を主催したほか、「The San Angelo Freedom Defenders(サンアンジェロ 自由の守護者)」という団体を結成し、旗振り役を担っていたという。 ウォレスさんには3人の子どもがおり、妻ジェシカさんは4人目を妊娠中だ。ジェシカさんは、今月8日に「gofundme」でクラウドファンディングを開始。 夫の突然の入院で収入が途絶え、妊娠中で働くこともできないため、住宅ローンの支払いや生活費、夫の医療費などを賄うための資金を募った。2万ドル(約220万円)のゴールに対し、30日までに約6万千5ドル(713万円)が寄せられた。 ジェシカさんは30日に「gofundme」のページを更新し、夫の訃報を伝えた。 「ケイレブは静かに息を引き取りました。彼は私たちの心の中で永遠に生き続けるでしょう」 ジェシカさんはこの2日前に、「夫はもう長くありません。(中略)彼は不完全な人間でしたが、家族と娘たちを何より愛していました」と報告。また彼女は、「彼の死を願った方々に、彼の見解や意見が、あなた方を傷つけたことをお詫びします」と、誹謗中傷があったことを示唆していた。

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コロナ ワクチン

コロナ感染で急死の多歌介さん「ワクチンやめたほうがいい」と 弟弟子・鬼丸が取材に無念語る

https://news.yahoo.co.jp/articles/8b9dc80c5332a96c01331bebdcc05424c04f90a6

2021/8/29(日) 18:55 デイリー

 落語家三遊亭多歌介さんが27日、新型コロナウイルス感染症のため死去した。東京都出身、54歳。落語協会事務局が29日に公表した。家族も現在療養中で、通夜・告別式については未定。 【写真】愛されキャラの多歌介さん  弟弟子の三遊亭鬼丸はデイリースポーツの取材に対し、「痛風がひどいことは知ってたんですが、基礎疾患とか大きな病気はなかったので驚きました」と語った。  鬼丸はワクチン接種に慎重な意見があることも理解しつつ、多歌介さんからも「ワクチンが危険」との考えを聞かされたことがあるとし「コロナは風邪だって言ってたくらい。僕にもやめた方がいいよというくらいの勢いで、7月の時点ではワクチンは打たないと断言されてました」と話した。  多歌介さんの人柄について「同門のみんなから愛されていました。すごくお母さん思いで、家を建ててあげたりしてた方だったんで」と悼んだ。最後の対面もできないといい「悲しいというより、驚き。やっぱり、どこか信じられない思いが強いですね」と語った。

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コロナ 海外

ハワイで感染爆発 ワクチン接種率7割でも再ロックダウンの可能性

https://news.yahoo.co.jp/articles/df6d94432bd6940eb68da2b9d74ad58e357a5f24

2021/9/1(水) 7:00 ForbesJAPAN

ハワイで、感染者数が爆発的に増えている。病院は満床になり、オアフ島ではレストランやジムへの出入りにワクチン接種証明の提示が義務付けられることとなった。住民のワクチン接種率はおよそ7割で、ほんの数カ月前まではコロナ以前のような生活に戻っていたハワイで、なぜ再び感染が増加しているのか。現地在住の筆者が最新情報を紹介する。 ■1日約700人が感染、医療崩壊の危機 ハワイに激震が走ったのは、2021年8月13日のことだ。人口約140万人のハワイで、新規感染者数が1167人となった。8月以前の新規感染者数は、最大でも1日300人台だ。しかも2020年12月から始まったワクチン接種のおかげで、2021年に入ってからは感染者が目に見えて減少し、2021年2月から7月頃までは、1日の新規感染者が50~60人程度で推移していた。 8月13日の1167人の感染者には、州のシステムの不具合により、前日と前々日の感染者数の一部が含まれていたのだが、それ以降も1日の新規感染者は500人から800人と高い数字のまま。一向に感染者数が減少に転じることがなく、ついに8月27日には過去最高となる1日1035人を記録した。8月30日時点で、直近7日間の平均感染者数は874人だ。 ハワイ最大の民間医療機関であるクイーンズメディカルセンターは、8月中旬には集中治療室が満床となっていることを発表。増え続ける新型コロナ患者に対応するため、緊急性のない患者の手術や処置の延期を開始しているという。さらにクイーンズメディカルセンターの西オアフセンターは8月20日、院内の緊急事態を宣言。患者に対応する人手が不足していることを訴えている。 またホノルルの救急医療サービスでは、日本の119番にあたる緊急通報が、通常は1日250件程度なのに対して、8月には1日390件ほどの連絡を受けるなど、記録的に増加しているという。 アメリカ連邦政府の緊急事態管理庁から4600万ドル(約50億円)の支援を受け、500人の医療従事者がアメリカ本土からハワイに派遣されることとなっているが、ハワイの医療は崩壊の危機に直面している。 ■7割がワクチン接種。にもかかわらずなぜ急増? 現在ハワイのワクチン接種率は、1回目が終わった人は71.4%、2回とも終了した人は63.1%だ。それにもかかわらず感染者が急増しているのは、デルタ株の影響が大きい。 ハワイ州保健局は2021年6月下旬、オアフ島、マウイ島、ハワイ島、カウアイ島と、ハワイの4つの島で合計13件のデルタ株を検出したと発表していた。 しかしそれまでは、感染者数は低いまま推移していたため、ハワイ州では7月8日から屋内の集会は25人まで、屋外なら75人までと制限を緩和した。さらに、現地の学校の夏休み期間と重なり、7月4日の独立記念日をはじめ、多くの家庭で家族や友だちが集まり海遊びやBBQに興じていたことで、感染が一気に拡大したとみられる。

ワクチン義務化に反対も

ハワイでは、屋内でのマスク着用義務は続いているが、屋外ではマスクの着用義務は撤廃されている。このような複数の要因が重なり、感染力の強いデルタ株が急激に広まり、8月に入ってから感染者が急増したと考えられる。現在ハワイの新規感染者のうち、93%はデルタ株の感染だという。 また現在新型コロナに感染して入院している人の90%以上は、ワクチン未接種というデータが発表されている。つまりハワイでは、住民のおよそ7割がワクチンを接種しているが、残りの約3割の人々の間で、デルタ株の感染が急激に広がっているということだ。 ■旅行自粛要請に、接種証明の義務化 感染者の急増を受けてハワイでは8月11日より、集会の人数を屋内は10人まで、屋外は25人までに制限。飲食店では入店できる客数が、収容人数の75%から50%となるなど、規制を引き上げる対応を行っている。しかし感染者が一向に減少を見せないため、イゲ州知事は8月23日の記者会見で、ハワイ旅行を計画している人々に対して自粛を呼びかけた。 さらに8月下旬になっても感染者数は減少するどころか、微増。最近は死者も一定数出ていることから、ハワイでもっとも感染者の多いオアフ島では、レストランやバー、スポーツジム、映画館、美術館などの入場時に、ワクチン接種証明書、または48時間以内の検査での陰性証明の提示を義務付ける措置を、9月13日から60日間行うと決定された。 州知事は、1年前に行われたロックダウンのような措置は、できるだけ避けたい意向を示しながらも、このまま感染者が減少しない場合は再検討すると述べている。また、これまでは2回の接種を終えた人が住民の7割に達した時点で、新型コロナに関する全ての規制を撤廃するとしていたが、この目標も再検討せざるを得ないという。 ハワイでは8月上旬、州職員へのワクチン接種の義務化が決定。現地の多くの医療機関でも、従業員のワクチン接種が義務付けられている。 現在のハワイでは、新型コロナに関するさまざまな規制に反発し、ワクチン接種を拒否する人々の間を中心に感染が拡大し、それにより、再び規制強化を強いられるという、矛盾した状況に陥っている。このことを強く指摘しているグリーン副知事が、ワクチン義務化に反対する人々の間で標的となり、副知事の自宅周辺まで抗議団体が詰め寄っていることが報道されている。 ワクチン接種率が7割に達しても、新型コロナとの闘いはまだまだ終わらないことが明らかとなった、今回の感染爆発。ファイザーやメルクなどの大手製薬会社は、新型コロナ治療薬の開発を進め、一部は最終段階の臨床試験を始めているというが、一般に普及するまでにはまだ時間がかかるだろう。ワクチン反対主義者が一定数いるなか、新型コロナとどのように付き合っていくべきか。新たな課題を突きつけられている。

Forbes JAPAN 編集部