カテゴリー
対策 社会問題

河野大臣“口先だけ上から目線”が招いたワクチン不足大混乱の落とし前

https://news.yahoo.co.jp/articles/7be87275507c76c9bb6eb7854ab9d664c39756fd

2021/6/25(金) 14:00 日刊ゲンダイデジタル

 菅首相がモーレツに旗を振って接種を急がせてきたのに、このザマだ。新型コロナウイルスワクチンは、自治体向けのファイザー製も、大規模・職域接種向けのモデルナ製も、ともに供給不足で現場が大混乱している。 河野太郎に垣間見えるのは「昭和の自分大好き歌謡」の系譜  自治体向けは週ごとの供給量が減少。茨城県は4割減だ。自治体の大規模接種会場の新規受け付けはすでに休止。職域接種については、25日午後5時で申請が一時休止となる。「不足」のアナウンス効果は、「なくなる前に打ちたい」と、逆に希望者殺到を招きかねない。 ■自治体も急がせドーカツ  ワクチン担当の河野行革担当相は、これまで何と発言してきたか。  職域接種を呼び掛けた2週間前の11日の記者会見では「ワクチンの供給は余裕があります」。自治体に対しては、接種率上位に傾斜配分をすると“上から目線”で、15日の会見では「自治体に在庫を積み増しても仕方ない。接種が遅い自治体は、1回クールを飛ばさせていただくこともあり得る」とドーカツしていた。  ところがワクチン不足となると言い訳ばかり。24日はテレビ出演で職域接種について、「あっという間に、ものすごい量の申請があった」と見通しの甘さを釈明。22日の会見でも「必要以上に申請しているケースがある」と企業や自治体のせいにし、今後は、「余分に申請されていないか精査する」。きちんと精査してこなかった政府の側に問題があるのではないのか。 「OECDで最下位レベルと日本のワクチン接種は大きく遅れていた。夏以降、五輪と衆院選があるため、菅政権はそれまでに接種を進めたいと焦ってドタバタ劇を生んでしまった。河野大臣は発信力が評価されているけれど、後先考えずに聞こえのいい話ばかり。それも不幸に輪をかけました」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)  そもそもワクチン接種については、医療従事者→高齢者→基礎疾患のある人→一般という順序があったはずだが、五輪優先の菅首相のトップダウンで、医療従事者が終わらぬうちに、高齢者が前倒しになり、自衛隊による大規模接種も導入され、自治体接種との二重予約の混乱を招いた。その後、自衛隊会場は高齢者が集まらず、いまや接種券さえあれば誰でも予約できるというなし崩し。 「態勢は走りながら考えればいい」と漏らした政権幹部がいたらしいが、あまりにデタラメだ。