カテゴリー
社会問題

コロナ禍での「ばい菌扱いやめて」 店員の受難を描いた漫画に反響 「その通りっ!」

https://news.yahoo.co.jp/articles/a9020edcb725cc6dafdf8f40df7e9d26ba821d25?page=2

2021/2/9(火) 20:38 Hint-Pot

 コロナ禍以降“当たり前”と思っていたことやものへの感謝の気持ちが強まり、生活インフラを支える人たちに対して、より敬意を抱くようになったという声を多く聞きます。その一方で、スーパーマーケットで働く人や医療従事者などに、心ない言葉を浴びせる人がいるという悲しいニュースも……。長年、スーパーでレジ係をしていた作者が、実体験を元に店員の“本音”を描いた漫画が話題となっています。作者の狸谷(@akatsuki405)さんに話を伺いました。 【漫画】本編を読む  ◇ ◇ ◇

店員に売り場を訪ねてきた女性が信じられない言葉を…

 元レジ打ち店員の狸谷さんが描いている、人気の“接客あるある”漫画「チェッカー鳥海さん、レジまでお願いします」。主人公の「トリさん」こと鳥海さんは、LINEスタンプ「チェッカー鳥海さんスタンプ」にもなっています。  ブラックユーモアが効いたオチが毎回話題となりますが、今回はコロナ禍でのスーパー店員の“受難”を描きました。「ピーク時より少し減りましたがたまに言われたり、そんな素振りをされたり」と狸谷さんがツイートに添えているように、新型コロナの感染対策に過敏となり、店員さんに失礼な態度を取る人は少なくないようです。  漫画では、マスクをした女性が突然背後から話しかけてきます。そして女性はやや横柄な態度でキッチンペーパーや、マスクのゴムがどこに売っているか尋ねました。丁寧に売り場まで案内しようとするとする主人公。すると、この女性の態度が豹変し、右手を突き出して強い口調で拒否反応を示します。 「ちょっと! あんまり近寄らないで! ウイルスがうつったらどうするのよ!?」  確かにソーシャルディスタンスを保つことは、感染対策の基本とされています。しかし、過剰ともいえる反応に、主人公はカチッと怒りのスイッチが。そして何と本音と建前が逆転。本来は「近かったですか? 申し訳ございません」と言うはずのところを、「ネットスーパーか電話注文で買い物したらいいんじゃないかなぁ」などと声に出してしまいます。  痛快なオチに、フォロワーからは「まったくその通りっ!」「従業員も不安の中、頑張っているのに……文句を言われるのはつらいですよね」「すっごく分かります……」「しゃべるな! コロナがうつる!! って言われたことあるよ」などと共感の声が寄せられました。

レジ打ちでの不快な経験の数々 「レジの台数増やせ!」「2人で打て!」

 なぜこの漫画を描くことにしたのか、またコロナ禍でスーパーの店員として実際にどのような体験をしたのかなど、作者の狸谷(@akatsuki405)さんに話を伺いました。 Q.今回の漫画は実体験ですか? また、心の声と吹き出しが逆になっている表現がございますが、実体験の時には漫画とは逆だったのでしょうか? 「実際に言われた言葉です。この時はマスクのせいでさらに聴きづらく、お問い合わせの件を再度お伺いしようとした時に言われたものでした。さすがに実際の接客中、トリさんのような言動をするとクレームにつながりますので、漫画での表現はあくまで『ああしたかったな』という口には出せない希望ですね。ただ『マスクのせいですかねー。お問い合わせの内容がちょっと聴き取りづらくて~』とやんわり返した覚えがあります」 Q.ピーク時はどのくらいの頻度で、こうしたことが起きていましたか? 「1度目の緊急事態宣言時は、スタッフもお客様も双方ピリついていたので、売場でもレジでもちょくちょくあったかと思います」 Q.コロナ禍以降、他にもお客の行動で不快に思ったことや、理不尽に感じた経験があれば教えてください。 「レジガード(レジ前にかけられた透明のビニールシート)を邪魔だとおっしゃる方や、レジガードを外そうとするお子さんと注意しない保護者の方には、困ってしまったことがありますね。あと、現在勤務している100円ショップでは、ステイホーム準備のために来店されたり、遠出できない人たちの簡易的な行楽場所になっていたりして、来客数が段違いに増えています。そのため、現在のレジの台数では長蛇の列ができてしまい、『もっとレジの台数とスタッフを増やせ! 2人で打て!』と土日・祝日の度にクレームを受けることが多くなりました」 Q.逆にコロナ禍以降、人の優しさに触れたなど、うれしかったことや良かったことがあれば教えてください。 「『こんな中だけど、いつも通り開店していてくれて本当に助かっている』と言われたことがうれしかったです」  新型コロナが日本で報告されてはや1年以上が経ちました。スーパーマーケットなどの小売業の方たちだけでなく、医療従事者や配送業など、リスクを抱えながらも人々の生活を守るために働き続けてくれている人たちはたくさんいます。だからこそ、常に思いやりを持って人に接すること、そして感謝の言葉をきちんと相手に伝えることが大切だと、改めて気付かされます。

Hint-Pot編集部