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社会問題

新型コロナワクチンはむしろ感染を拡大させる危険が…日本人研究者が警鐘

https://news.yahoo.co.jp/articles/ec7ec5ac7ec6fbb1c87baeb4eff985d8a7563e76

2021/1/16(土) 9:26 日刊ゲンダイデジタル

 新型コロナウイルスのワクチン接種が2月下旬から日本でもスタートする。現時点で承認申請が行われているのはファイザー社のワクチンで、当面は16歳以上が対象になる予定だ。ワクチンによって集団免疫が獲得できれば、感染拡大に歯止めがかかると期待されている。多くの人がワクチンを接種すると感染しない人が増えて、結果的に周囲の人たちも感染する機会が減って感染拡大が収束する――という考え方だ。  しかし、今回のワクチンが感染拡大を抑制できるかは未知数で、むしろ感染を広げてしまう危険がある。  ファイザーの臨床第3相試験では約95%の有効率が確認された。これは、参加した約4万人を「ワクチンを接種する2万人」と「偽薬(プラセボ)を接種する2万人」に振り分け、新型コロナウイルス感染症を「発症した人」の人数を数えて比較した数字である。  接種した2万人のうち発症したのが8人、偽薬を接種した(ワクチンを接種しなかった)2万人のうち発症したのが162人だから、ワクチンを接種すれば接種せずに発症した162人を8人に減らせる効果は期待できる。しかし、カウントされたのはあくまでも「発症した人数」で、ワクチンを接種して発症しなかった人の中には、感染しても発症しない無症状感染者が含まれていた可能性があるのだ。  米国の研究機関で遺伝子研究に携わってきた岡山大学病院薬剤部の神崎浩孝氏は言う。 「新型コロナウイルスは無症状でも感染させてしまうのが大きな特徴です。ワクチンを接種した人が、『これで自分は感染しないし、人にうつす心配もない』と過信して、手洗い、マスク着用、3密回避といった感染対策をやらなくなり、大人数での飲み会に参加するなどして他人と濃厚接触する人が増えると、感染を拡大させてしまう恐れがあります」 ■ワクチン効果で作られる抗体が不十分だと…  また、ワクチン接種で作られる抗体の量や効果も未知数なため、どこまで感染を抑制できるかどうかがはっきりしていないという。 「今回のワクチンは『mRNAワクチン』と呼ばれるまったく新しいタイプのワクチンです。新型コロナウイルスがヒトの細胞に侵入する時に使うスパイクタンパク質(Sタンパク質)を作り出す遺伝情報を粒子に封入して投与し、血液内にSタンパク質を作って抗体を作り出す仕組みです。ただ、接種によってどれくらいの量の抗体が作られるか、有効な期間がどれくらい持続するかはっきりわかっていません。体内で迅速に十分な量の抗体が作られれば、発症だけでなく感染も予防できます。しかし、抗体の量が不十分だと、発症は防げても、鼻や喉などの粘膜に感染を広げてしまう程度のウイルスを保有している人が出てくる可能性もあります」(神崎氏)  現段階では、ワクチンはあくまで「発症」を防ぐ効果が期待できるだけで、感染しなくなったり、他人にうつしたりするケースがなくなるわけではない。ワクチンを接種すれば何の制限もなく行動できるようになるという考えは大きな勘違いで、手洗い、マスク着用、3密回避といった感染対策は欠かせないのだ。