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感染症ニュース

新型コロナは130年前に一度流行していた? 当時は数年で落ち着き、普通の風邪に

https://news.yahoo.co.jp/articles/4cdb6399a60bb4abd33cfe71dfb90596a8cd9aa0

2020/12/18(金) 17:00 デイリー新潮

専門家「外出自粛、時短営業は効果なし」

渋谷を行き交うマスク姿の人たち

 新型コロナ第3波を迎え、各都道府県は外出自粛要請や時短営業などの感染対策を行っている。しかし、専門家によるとこれらの対策の効果は見込めないという。さらに、過去にコロナウイルスが流行し、その後自然に消滅していたという説も浮上したのだ。 【疫病の流行】ヨーロッパの人口の“3割が犠牲”になったことも  ***

 人命が10万人単位で奪われる可能性に言及する人はいなくなったが、日々の報道からは、われわれに安閑としていられる猶予があるとは思えない。新型コロナウイルスの猛威を前に、進度は遅いが巨大な台風に備えるかのように、最大限の警戒をすべきだと訴える声が、日増しに大きくなっているからである。  たしかに、発表される数字や自治体の対応を見るかぎり、台風は刻々と迫っているかのようである。重症病床の使用率が70%を超えた(12月8日時点、以下同)大阪府は、今月4日から15日まで、不要不急の外出を控えるよう府民に呼びかけた。また、東京では16日、1日当たりの新規感染者数が過去最多の678人を数えた。  ワイドショーがこうした数字や状況を、明日にも世の末が訪れるかのような勢いで強調しているのは、周知の通りである。そのうえ、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長も、NHKの番組で6日、「GoToトラベルを含め、人々の動きと接触を短期間に集中的に減らすことが、感染を鎮静化するために必須」だと発言。これでは国民が冷静さを保つのは、簡単ではなかろう。  しかし、いまの状況をあえて冷静に眺めれば、悲観的な材料は決して多くなく、叫ばれている医療の逼迫にしても、不可抗力ではないことに気づかされる。たとえば、京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授は、大阪府の外出自粛要請について、 「いまさらそれを行うのはナンセンスです」  と言い切り、自身が考案した「目玉焼きモデル」を用いて説明する。これは感染状況を五つの同心円で説明するもので、真ん中がゾーン1とされ、外側に向かってゾーン2、3、4、5と広がる。ゾーン1はどんちゃん騒ぎをする飲み屋などを、続くゾーン2は家庭内感染など、3は一般人エリア、4はかなり防衛している人、5は引きこもりを示している。 「第一に、外出自粛や時短営業を行ったところで、ゾーン3~4の人を5に追いやるだけだからです。都会ではゾーン1はすでに燃え尽き、次のゾーンに入っています。ウイルスが好む冬になったことで、ゾーン3のなかでゾーン2に近い部分も、すでに燃えてしまっていて、いずれ鎮火します。要は、どんちゃん騒ぎさえしなければ、食事やコンサート、映画に行っても問題なく、外出自粛や時短営業をしても、収束スピードは変化しません」  次に第二の理由だが、 「いまの感染の波は、すでにピークアウトしています。大阪は推定感染日、東京は発症日で見て、ともにピークは11月12日。以降は下降フェーズに入っています。テレビなどでは医療の逼迫が騒がれていますが、それは新規重症者のピークが発症日のピークに、10日ほど遅れるからです。東京はすでに重症者数が減り始めていますし、大阪の重症者も1~2週間で減少傾向に入っていくと思われます」

波は「ヒトコブラクダ」

 現在、大阪の重症者病床使用率が7割を超えた、と騒がれているが、 「どんなに増えても、85%を超えることはないでしょう。大阪府もそれを理解しているから、さほど焦っていないのだと思います」  と、宮沢准教授。12月になっても、東京都の1日当たりの感染者数が過去最高を更新している状況は、どう説明できるのか。 「クラスター対策も兼ねて濃厚接触者へのPCR検査を積極的に行ったため、感染者が一時的に増えたように見えるだけです。濃厚接触者には無症候者も多いはずで、彼らは持っているウイルス量も少なく、ほかの人にうつすとは考えにくい。感染者数は再び減少していくと思います。ピークアウトする理由も目玉焼きモデルで説明できます。たとえば、大阪では7~8月に接待を伴う飲食店で感染が増えましたが、いまは普通の飲食店での感染が多くなっています。つまり夏にゾーン1、秋に2が燃え尽きて、いまは元来ゾーン3だったところが燃えている。それも10月下旬から11月上旬にかけ、ほぼ燃え尽きていると考えられるのです」  次の波についても、 「大都市ではもう一度、感染者数が急増する見込みはないし、波が起きたとしても、今回ほどの高さにはならないでしょう。北半球でも南半球でも、感染の大きな波は冬に迎えていますが、それはごく一部を除き、ヒトコブラクダ型になっているんです。目玉焼きモデルのゾーン2に近いゾーン3が生じることも、一度起きたらもう起きません。今後、このウイルスは、秋から冬への季節の変わり目に感染者が増えるくらいになるのではないでしょうか」  そして、こう加える。 「私も冬を迎えるまでわからない部分がありましたが、もう99%読めました。1月以降は感染者も減少し、3~4月には安心できるようになるでしょう。“五輪で外国人を入れると”と心配する人もいると思いますが、心配ありません。また、ウイルスの毒性も日本型より欧米型のほうが低い可能性が高いです」  ジタバタしなくても、普通に感染対策をしていれば、自然に収束を迎えられるというのである。

130年前にも流行

 実は過去にも、流行したコロナウイルスが自然に消えていった、と思しき例がある――。そんな例を挙げるのは、東京大学薬学部の池谷裕二教授である。 「風邪の原因になる一般的なコロナウイルス、OC43が発見されたのは半世紀ほど前です。ところが、1890年代にインフルエンザが大流行し、世界で100万人が死亡した当時の遺品をいま調べると、インフルエンザのウイルスは確認されず、実はOC43であった可能性が指摘されています。当時の死亡率は4%で、高齢者ほど重症化しやすかったそうですから、今回の新型コロナウイルスと同様です。ということは、当時の大流行がどうなったのかは、いま未来を占ううえで、とても参考になります」  当時の状況だが、 「流行の波が生じては消え、というサイクルを繰り返すたびに致死率は下がり、数年で落ち着きました。こうしてOC43は、毎年冬に流行する、ごく普通の風邪になり、私たち成人の90%が抗体を持っています。同様に今回の新型コロナウイルスも、いずれ収まることが予想されます。さらに、ワクチンという現代型の武器が開発されれば、流行の収束を加速させられるのかもしれません」  130年前はワクチン以前に、治療法も予防法もなかったであろうことを考えれば、収束までの道のりがはるかに短くなることは、容易に理解できよう。 「週刊新潮」2020年12月17日号 掲載