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感染拡大 もとは3月流入の欧州系 6月クラスターを起点に全国へ 感染研解析

https://mainichi.jp/articles/20200806/k00/00m/040/217000c

毎日新聞2020年8月6日 19時29分(最終更新 8月6日 19時29分)

 緊急事態宣言全面解除後の6~7月に国内で確認された新型コロナウイルス感染症の多くは、経済が本格再開するまでに収束しなかった感染者群を起点にしてクラスター(感染者集団)が発生し、全国に広がった可能性があるとの解析結果を、国立感染症研究所(感染研)がまとめた。起点となるウイルス株は3月に国内に流入した欧州系統のものとみられる。

 新型コロナウイルスのゲノム(全遺伝情報)は、約3万塩基の1本鎖RNA(リボ核酸)で作られている。感染研の病原体ゲノム解析研究センターは、国内患者3618人の検体を対象に、採取したウイルスのゲノム塩基配列のわずかな違いについて解析。7月16日までの結果から、現在の流行の起点は6月中旬に顕在化したクラスターとみられ、その後出張など人の動きによって全国に広まった可能性があるとした。

 また、現在の流行の起点となったクラスターのウイルスゲノムは、3月中旬に国内で確認された欧州系統のウイルス株から6塩基変異していた。新型コロナウイルスのゲノムは1カ月で2塩基のペースで変異すると推定されており、時期も一致する。この3カ月間に明確な「つなぎ役」となる患者やクラスターが確認されていないため、軽症や無症状など患者として見つけられないまま感染がつながっていたとみている。

 黒田誠センター長は「起点となるウイルス株は、3月に国内に持ち込まれた欧州系統のウイルス株につながっているとみられる」としている。

 ウイルスゲノムの調査は積極的疫学調査を支援するのが狙い。塩基の変異を足がかりに、ゲノム情報を基にしたクラスターを認定している。同センターは報告書でこうした分子疫学が「地域名や業種を特定して名指しするものではない」とした上で、「東京型、埼玉型といった地域に起因する型を認定するような根拠は得られていない」と指摘した。

 国内の新型コロナウイルス感染症を巡っては、1~2月に入った中国・武漢由来のウイルス株は終息し、3月に海外からの帰国者らが持ち込む形で国内に流入した欧州系統のウイルス株が流行を起こしたことが、同センターの研究で既に判明している。【金秀蓮】