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コロナ 社会問題

ワクチン拒否し夫の2週間後に死亡した4児の母親「子供たちにはワクチンを…」

https://news.yahoo.co.jp/articles/7d2badbdd6bd9f91ec9ca1a34f90cb15647c1356

2021/8/20(金) 7:30 COURRIER

「子供たちにワクチンを受けさせて」──そう言い残して4人の子供を持つ母親は息を引き取った。彼女は、家族全員が感染するそのときまでワクチンを打つつもりはなかった。 【画像】コロナで亡くなった夫妻と残された4人の子供たち 数週間前、リディア・ロドリゲス(42)はワクチンを打たなくても新型コロナウイルスに打ち勝てると思っていた。 しかし、1週間にわたる教会のキャンプから帰宅後、自分や家族の陽性がつぎつぎに確認されると、彼女は気を変えてワクチン接種を希望したが、そのときには「すでに手遅れだった」と主治医は言う。彼女を待っていたのは人工呼吸器だった。彼女のいとこ、ドッティ・ジョーンズが米「ワシントン・ポスト」の取材に答えた。 米テキサス州ガルベストンに暮らし、ピアノ教師をしていたロドリゲスには4人の子供がいた。いよいよ打つ手がなくなったとき、彼女は最後の電話で姉妹にこう頼んだ。「どうか子供たちにワクチンを受けさせて」と。 彼女は8月16日に息を引き取った。夫のローレンス・ロドリゲス(49)が同じく新型コロナウイルスで命を落としてから2週間後のことだった。 結婚して21年になるロドリゲス夫妻は、アメリカに何千万人といるワクチン未接種者の一部だ。現在、アメリカでは12歳以上であれば無料でワクチンが提供されており、当局はワクチン接種が重症化や死亡率を大幅に下げると訴えている。それにもかかわらず、いまも多くの子供たちがこの病気で親を亡くし、孤児になっている。 ロドリゲス夫妻もまた、他の患者と同様に挿管される直前にワクチンの投与を医師に懇願した。 「リディアはワクチンを信じていませんでした」。ジョーンズは言う。「彼女は、薬に頼らず自分でなんとかできると思っていたのです」 新生児看護師だったジョーンズは、勤務先の病院で新型コロナウイルスがいかに母子に深刻な影響を与えるかを見てきた。彼女は、何週間も人工呼吸器につながれたまま症状が改善しない患者のことをロドリゲスに話した。 何度ジョーンズがその危険性を訴えても、いとこは沈黙を保ったままだった。それがすべてを物語っていた、と彼女は振り返る。「リディアはワクチンを打つ気はまったくありませんでした。とても心配でした」

家族全員が感染

夫のローレンスも妻とともにワクチン接種を拒否していた。4人の子供のうち3人はすでに接種対象年齢だが、彼らもまた、一度も接種していなかったという。 7月初旬、ロドリゲスと子供たちが教会のキャンプから戻ってきた数日後、ジョーンズの懸念が現実のものになった。仕事の都合でキャンプには参加しなかった夫を含め、家族が一人ずつ陽性を示したのだ。 息切れが始まったロドリゲスを夫が病院に連れて行くまで、彼女は誰にも家族の感染のことを話さなかった。彼女はICUに入り、夫も別病棟に入院した。 そのときには4人の子供たちも全員感染していたが、一番下の子供だけに軽い症状が出たものの、他の3人は無症状だったという。 夫のローレンスは一時、病状が改善したように見えた。しかし、入院の数日後にはICUに移された。人工呼吸器につながれる直前になって彼もワクチンの接種を希望した。遅すぎた。彼は8月2日に亡くなった。 その頃、妻リディアは完全に酸素マスクに依存していたため、電話をかけてくる子供たちと話すことすらできなかった。 「あなたのために祈っているわ。子供たちの面倒も見ているから」とジョーンズは彼女が亡くなる当日も話しかけたという。そしてその後、ジョーンズは病院のスタッフから彼女の訃報を受けた。 ジョーンズによると、ロドリゲスの最期の願いは18歳の双子の子供たちに伝えられ、16歳の息子と11歳の娘も可能になればすぐにワクチンを接種する予定だという。 親族は子供たちを支援するため、オンラインで寄付金を募り始めた。 8月18日、ロドリゲスは43歳の誕生日を迎えるはずだった。