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武漢研究所が“証拠隠滅”米下院報告 検査通知の数時間後…病原体データが突然消失、「疑惑の日」2019年9月12日に河添恵子氏が迫る

https://news.yahoo.co.jp/articles/1f1c2b092230451adb8221e9ab0966c89ab05355

2021/8/19(木) 16:56 夕刊フジ

 日本で1万5000人以上、世界全体で435万人以上もの犠牲者を出した新型コロナウイルスの「起源」について、ジョー・バイデン米大統領は情報機関に対し、今月末までに追加調査の報告を指示している。これに先立ち、欧米の議会や研究者、メディアが、中国・武漢にある「中国科学院武漢ウイルス研究所」からの流出説を強める発信を続けている。「疑惑の日」として浮上した2019年9月12日と、習近平国家主席率いる中国共産党政府の責任とは。ノンフィクション作家河添恵子氏が最新情報に迫った。 【写真】疑惑の目が向けられている武漢ウイルス研究所  「新型コロナウイルスの『患者ゼロ号』は、武漢ウイルス研究所の職員の可能性がある。研究現場で感染したというのが有力説の1つだ」  WHO(世界保健機関)の新型コロナウイルス起源調査団を率いた医師のピーター・ベン・エンバレク氏は12日、地元・デンマークの国営テレビ2のドキュメンタリー番組でこう語った。  「新型コロナの宿主とみられている種類のコウモリは、武漢地域に野生で生息していない」ことや、「中国の専門家らと研究所流出説についての議論をすることが困難で、報告書に入れる同意が得られなかった」ことも暴露された。  米下院外交委員会のマイケル・マッコール(共和党)筆頭理事らも、1日に新型コロナの起源に関する84ページの報告書を公表し、「武漢ウイルス研究所から流出」との結論を導き出した。エンバレク氏の説と一致しているのは、「研究所を起源」と見定めた点であり、すなわち中共政府が発生当初から大々的に喧伝した「海鮮市場からの流行説」の否定である。  ウイルス発生の時期について、共和党の米下院による同報告書は2019年8~9月ごろとした。  そして、“疑惑の日”として浮上したのが同年9月12日だ。同日午前2時から午前3時にかけて、武漢ウイルス研究所が収集した2万2000以上のコウモリとネズミの病原体サンプルと遺伝子情報が収録されていたデータベースが突然、消えたのだ。  調査報道で知られるフランスのニュースサイト「メディアパルト」が先月15日に発表した「武漢ウイルス研究所の伝説 中国当局による1年半の隠蔽」によると、「データベースが消えた」のは、武漢大学から「検査の通知」があった数時間後だった。同研究所から近い武漢大学は、同年6月より(国の)科学技術部の専門委員会による検査対象になっていた…。  「中共政府は嘘をつき続けてきた」と非難するメディアパルトの同記事には、米報告書と同じ、「19年9月に武漢にコロナウイルスが存在していた、と専門家グループが説明」と記されている。  ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)も今月8日、最も危険なウイルスを扱うP4レベルのプロジェクトにおいて、有害な医療廃棄物が適切に処理されておらず、19年9月9日に廃水処理プラントを閉鎖させ、隣接する江夏工場に処理を移転させたこと、P4実験室の稼働から2年足らずで、廃棄物処理システムや空調設備の「通常はあり得ない」大規模な改修をしている事実を報じた。  フランスは、SARS(重症急性呼吸器症候群)流行後の03年、中共政府と協定を締結。技術と資金の提供を含め、武漢P4実験室(=通称『新しいラボ』)の建設に関わった。当時から、「中国のP3実験室はすべて人民解放軍が制御している」「フランス軍と情報機関は、ラボの建設技術が軍事に転用されることを懸念」などと報じられていた。  「中国当局が、16年に実験室で働くために必要な防護服の数十枚をフランス当局に要求したが、機密機器の輸出を担当するデュアルユース委員会が、彼らの要求を拒否」「中国共産党が軍事研究を行うか、軍事手段のための第2のP4実験室を開設しようとしていると、フランス国防省内が懸念を強めた」ことを、フランス紙「チャレンジ」(20年4月30日)が暴露している。  前出の共和党米下院による報告書にも、「武漢研究所は16年初めから、修正の痕跡を残さずに新型コロナウイルスを遺伝的に変換させられる能力を持っていた」と記されている。5年前のこの時期も“分岐点”となっていることが素人でも分かる。  そして同報告書は、19年9月に武漢に存在したウイルスについて、同年10月18日、世界109カ国の計9308人の選手が武漢に集まって開催された「軍人世界ゲーム(2019 Military World Games)」を機に世界に広がったと結論づけた。  米国、フランス、そして世界の「正義と良識を持った」科学者や専門家で、もはや「人工説」を疑う者はいないようだ。習政権も「自然発生説」で押し切れないからこそ、「架空の学者」をしつらえ官製メディアやSNSを使って意図的にデマ論説を垂れ流して抵抗を続けている。  まさか、これでも日本政府は「陰謀論」だと考えるのだろうか。  

■ 河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。2020年、アパ日本再興財団が主催する、第13回「真の近現代史観」懸賞論文の最優秀藤誠志賞を受賞。著書・共著に『トランプが中国の夢を終わらせる』(ワニブックス)、『覇権・監視国家-世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)、『習近平が隠蔽したコロナの正体』(同)など多数。